スマートフォンAQUOSが選ばれる理由

IGZO液晶の美しさとロングライフが
毎日を快適に楽しく演出するスマートフォンAQUOS

スマートフォンの普及が国内市場の半数を超え、さらに幅広いユーザー層への拡大が期待される一方、これまでスマートフォンを利用してきたユーザーの買い換え需要も増えてきている。そんな国内のスマートフォンにおいて、常に安定した人気と高い満足度でユーザーの支持を得ているのがシャープのスマートフォンAQUOSだ。成熟してきた国内のスマートフォン市場において、多くのユーザーにスマートフォンAQUOSが選ばれる理由(わけ)について考えてみよう。

さらに広いユーザー層へ拡大するスマートフォン

今や毎日の生活やビジネスに欠かすことができないスマートフォン。国内市場ではすでに半数以上がスマートフォンを使うところまでに普及し、長らく愛されてきた各社の従来型フィーチャーフォンもいよいよ終わりを迎えようとしている。リテラシーの高いユーザーやごく普通のユーザーだけでなく、あまりリテラシーの高くないユーザーも他のユーザーとのコミュニケーションをスムーズに楽しむため、スマートフォンへの移行を進めつつある。もちろん、すべてのユーザーがスマートフォンに移行するわけではなく、一部のユーザーは引き続きフィーチャーフォンなどを利用することになるだろうが、今後は今まで以上に幅広いユーザー層へスマートフォンが拡大することと予想される。

本誌読者のように、すでに何年もスマートフォンを利用してきたユーザーは、ある程度、利用スタイルが決まってきて、それぞれのタイミングで自分の気に入った端末を購入しているだろうが、自分たちの周囲を見渡してみると、必ずしもそういうユーザーばかりではないことに気づくはずだ。たとえば、ある人は何となく安さでスマートフォンを選んだものの、実際に使い始めると、「電池が持たなくて……」と嘆いていたり、期待して新機種を選んだのに、タッチパネルのレスポンスが今ひとつなど、実用面で不満を抱えているユーザーを見かけることも多い。また、「周りが使っているから」「有名そうだから」というように、内容を確認せずにスマートフォンを選んでしまい、実際に使い始めると、思いの外、自分にフィットせず、なかなか慣れることができないといったユーザーもいる。

そんな数あるスマートフォンの中で、国内市場において、次々とユーザーが求める新機能を搭載しながら進化を遂げ、着実にユーザーの満足度を高めてきたのがシャープの「スマートフォンAQUOS」だ。

振り返ってみれば、国内では他社に先駆けて、Androidプラットフォームのデバイスを開発し、今年改めて注目を集めたFeliCaも真っ先にAndroidプラットフォームに搭載。ワンセグや防水防じんなど、ユーザーが求める日本仕様もいち早く対応してきた。最近ではリコーのハイエンドデジタルカメラ「GR」シリーズのお墨付きを得た「GR certified」対応カメラ、天気やニュースなどの情報を自ら話しかけてくれる人工知能「エモパー」など、他製品にはない魅力を実現し、安定した人気と高い満足度でユーザーの支持を拡げてきている。スマートフォンというと、派手な機能やスペックが注目されがちだが、実際に使ってみて、その違いがわかってきたり、実際の利用シーンで比較して、明確に差が感じられるような要素も多く、なかなか単純に判断できない部分がある。スマートフォンAQUOSは単純にハードウェアのスペックを追求するだけでなく、こうした実際に使っていく中で、ユーザーが快適に思えるユーザビリティを磨き上げ、着実に進化を遂げてきたからこそ、現在のように、幅広いユーザー層に安定した支持を得ているわけだ。

フルインセルタッチパネルを実現したIGZO液晶

幅広いユーザー層に安定した支持を得ているスマートフォンAQUOSだが、今年の秋も新モデルが各携帯電話事業者から発表された。今年の夏モデルではスマートフォンAQUOSのデザインや基本仕様を統一したフラッグシップモデルが主要3社から発売されたが、この秋に発表されたNTTドコモの「AQUOS EVER SH-02J」、au向けの「AQUOS U SHV37」は、いずれもスペックを見る限り、フラッグシップモデルで培われたものを継承したミッドレンジ向けモデルという印象だ。価格もフラッグシップモデルに比べると、リーズナブルで、幅広いユーザーが購入しやすいと捉えるだろう。

AQUOS EVER SH-02J(左)とAQUOS U SHV37(右)

しかし、この2機種は今夏に発売されたフラッグシップモデルよりもさらに一歩、進化を遂げたものが搭載されている。それがシャープならではの特徴技術である「IGZO液晶」に秘められている。

まず、今回発表されたSH-02JとSHV37は、いずれも5.0インチのHD対応IGZO液晶ディスプレイが搭載されている。もちろん、液晶パネルは言うまでもなく、シャープの「IGZO液晶」だ。IGZOそのものについては、これまでも何度も解説してきたので、おさらいということになるが、IGZOは「In(インジウム)」「Ga(ガリウム)」「Zn(亜鉛)」「O(酸素)」によって構成される酸化物半導体で、これを使い、液晶パネルが構成されている。IGZOは一般的な液晶パネルに採用されるアモルファスシリコンに比べ、電子移動度が約20~50倍も高いため、液晶パネルの素子に付けられたトランジスタを小型化でき、それぞれの素子の開口部を広く取ることができる。その結果、バックライトを遮る部分を少なくできるため、バックライトの光量を抑え、低消費電力を実現しているわけだ。

ただ、この部分については、これまでのスマートフォンAQUOSに搭載されてきたIGZO液晶で実現されてきたことだが、今回のSH-02JとSHV37ではスマートフォンに欠かせないタッチパネルを液晶モジュールに内蔵する「フルインセル化」を実現した「IGZOフルインセル液晶」が搭載されている。これまでの多くのスマートフォンに搭載されてきたディスプレイは、液晶モジュールの外側にタッチパネルモジュールを重ねることで、画面をタッチすると、表示されているアイコンなどが反応するという動作を実現してきたが、IGZOフルインセル液晶は液晶モジュール内にタッチパネルのセンサーが内蔵されているわけだ。

では、このIGZOフルインセル液晶は具体的にどういうメリットがあるのだろうか。まず、ひとつはディスプレイの見え方が違うことが挙げられる。これまでの液晶ディスプレイでは液晶モジュール、タッチパネルモジュール、保護パネル(ガラス)を重ねて、ディスプレイが構成されていた。シャープはこれまでも液晶モジュールと保護パネルの間の空気層をなくすなどの工夫をいち早く取り入れていたが、それでも各層からの反射光が発生し、バックライトの光も遮られ、液晶パネルが持つ本来の美しさを十分に活かしきることができていなかった。これに対し、今回のフルインセルタッチパネル導入により、タッチパネル内蔵液晶モジュールに保護パネルが重ねられる構造になるため、反射が起こる場所が減り、バックライトを遮る要素も少なくなるため、同じ電力でより明るく表示でき、結果的に消費電力を抑えることができている。

フルインセル化により液晶とガラス面の視差が少なく、見やすくなっている

また、従来はタッチパネルと液晶モジュールが別々のICで制御されており、タッチパネル側で液晶の状態を検知できないため、タッチパネルは無操作時のみに休止駆動を行っていた。SH-02JとSHV37は、フルインセル化によりタッチパネルと液晶モジュールが1つのICで制御されており、タッチパネルと液晶双方の状態を検知できるようになった。つまり、従来のタッチパネルの無操作時の休止駆動に加え、液晶の駆動状態に応じたタッチパネル休止駆動を行えるようになり、より消費電力を削減することができるわけだ。

フルインセル化に伴い、省電力性能が大きく向上したIGZOフルインセル液晶だが、ディスプレイにとって、もっとも大切な表示性能も向上している。パソコンのディスプレイなどではおなじみの性能だが、今回のIGZOフルインセル液晶は色域カバー率が大きく向上しているのだ。これらの値が向上するということは、色再現性が向上し、より表現力豊かな液晶ディスプレイへと進化を遂げているわけだ。これに加え、新たにアルバムアプリに超解像技術を適用することにより、さまざまな写真をより美しく表示することが可能になっている。

また、タッチパネルの感度調整を最適化したことにより、水濡れ時の操作性がアップしている。今回発売されたSH-02JとSHV37は、いずれもIPX5/8の防水、IP6Xの防じんに対応しているため、キッチンやアウトドアなど、さまざまなシーンで利用できる。今や国内のスマートフォンでは標準機能とも言える防水防じんだが、今年はグローバルメーカーの製品も防水に対応し、話題になった。ところが、防水は単純に水の浸入を防ぐ構造を実現するだけのものではなく、水のある利用シーンでもちゃんと正しく操作できることが重要になってくる。特に、これからの季節、ゆっくりと湯船に浸かりながら音楽や動画を楽しむといったことを考えると、ディスプレイに水滴が付いたとき、どのように動作するのかが気になるところだ。他機種ではディスプレイに付いた水滴に敏感に反応してしまい、操作ができなくなってしまうような利用シーンでも、SH-02JとSHV37では、水滴が付いているのか、ユーザーが操作しているのかを検出し、水濡れのシーンでも問題なく、操作できる環境を実現しているわけだ。このあたりのチューニングは、やはり、液晶パネルを製造し、古くからタッチパネルに取り組んできたシャープだからこそ、なせる技だと言えるだろう。

ディスプレイに水滴がついても指で操作が可能

安心の電池持ちを実現

タッチパネルの性能や省電力性能に加え、ディスプレイ本来の表示能力も進化を遂げたIGZOフルインセル液晶だが、これをいち早く搭載したのがNTTドコモのSH-02JとauのSHV37の2機種だ。両機種の特徴について、チェックしてみよう。

まず、ボディだが、フラッグシップモデルとして、夏に発売されたNTTドコモの「AQUOS ZETA SH-04H」、auの「AQUOS SERIE SHV34」とは、若干、デザインが変更され、全体的にやさしいイメージとさりげない個性を兼ね備えたデザインに仕上げている。丸みを帯びた背面のラウンドデザインに対し、前面の2.5Dガラスはゆるやかにカーブしており、手にフィットして持ちやすい形状に仕上げている。ガラスは摩擦や落下などでキズが付きにくい「Corning Gorilla Glass4」を採用。背面のラウンドしたボディも、SH-02Jではサラサラした手触りの素材でコーティングを施し、汚れにくく、長い間、安心して利用できるものに仕上げている。

丸みのあるデザイン

手にフィットする、持ちやすい形状

ボディカラーはNTTドコモのSH-02Jがシャンパンゴールド、ピュアホワイト、ローズピンク、ネイビーブラック、auのSHV37がライム×ゴールド、プラチナ×ホワイト、ピンク×パウダー、メタル×ブラックのいずれも4色展開となっている。本体の右側面には電源ボタンと音量キーを備え、NTTドコモのSH-02Jはタッチ式指紋センサーを備える。ちなみに、auのSHV37は本体を持ち、画面を見るだけで画面が点灯し、インカメラで眼をスキャンしてロックを解除できる「みるだけ解除」という機能が搭載されている。

本体右側面の下の方にはストラップ穴が用意されており、ケータイから移行するユーザーも安心して使うことができる。もちろん、これまでスマートフォンを利用してきたユーザーも今一度、ストラップを通して使ってみると、その便利さを再認識するはずだ。

本体左側面にはNano SIMカードとmicroSDメモリーカードのスロットが用意されており、キャップが閉じられている。防水性能を確保するという意味合いもあり、こうした形状を採用しているが、他機種のようなSIMカード取り出し用ツールを用意しておく必要もなく、ごく自然に使うことができる。

ストラップホール

そして、本体には両機種とも2700mAhの大容量バッテリーを搭載する。最近では3000mAhオーバーのバッテリーを搭載する機種もあるが、前述のIGZOフルインセル液晶の省電力性能に加え、スマートフォンAQUOSが従来モデルから培ってきた消費電力制御の技術を最大限に活かすことにより、NTTドコモのSH-02Jは連続待受時間が3Gで約900時間、LTEで約780時間、連続通話はLTE(VoLTE)が約900分、auのSHV37は連続待受時間が4G LTEとWiMAX 2+エリア共に約950時間、連続通話時間が約1440分を実現している。SH-02JとSHV37は、各キャリアからこの秋発表されているNEWモデルの中で最高クラスのロングライフを実現している。さらに大容量のバッテリーを持つAQUOSハイエンドモデルと比較して、連続通話時間こそ譲るものの、連続待受時間は上回っている。いずれもカタログスペックでの比較ということになるが、実使用でも電池残量の減りはゆっくりで、安心して利用できるという印象を得た。ちなみに、充電についてはNTTドコモのSH-02Jは「ACアダプタ05」、auのSHV37は「共通ACアダプタ05」で、それぞれ充電した場合、約140分で充電が完了するという。このクラスの製品としては、十分すぎる性能と言えるだろう。

LEDヒカリエモーションが楽しい

IGZOフルインセル液晶を搭載し、優れた省電力性能を実現したNTTドコモのSH-02JとauのSHV37だが、節約するばかりではスマートフォンの楽しさはなかなか拡がってこない。もちろん、アプリなどでも楽しさは拡げられるが、スマートフォンAQUOSならではの楽しさもしっかりと実現している。

スマートフォンAQUOSでは最近の機種において、本体にLEDを内蔵し、通知などに応じて、これを光らせることで、ユーザーに光でさまざまな情報を伝える「ヒカリエモーション」という機能を搭載してきた。他機種でも充電時に反応する小さなLEDをひとつだけ備えているような機種もあるが、ヒカリエモーションはスマートフォンが机の上などに置いた状態でも通知があると光らせることで、ユーザーに状況の変化を明確に伝えられるという特徴を持つ。かつてのケータイの着信LEDをさらに発展させたものと考えれば、わかりやすいだろう。

今回のNTTドコモのSH-02JとauのSHV37では、ディスプレイの下側の浮かび上がるように光るイルミネーションが内蔵されているのだが、単純にLEDが点灯したり、点滅するだけでなく、ディスプレイの表示と連動させることにより、本体前面の全体が生命感のある光り方で知らせてくれるという演出を実現している。しかも着信時は相手との関係によって、光り方が変化したり、着信時だけでなく、終話時や充電中、画面ロック解除時、起動時、さらにはエモパーの発話時にも光るなど、さまざまなシチュエーションにおいて、ヒカリエモーションを楽しむことができる。スマートフォンというと、ディスプレイ内に表現されることばかりが注目され、やや寡黙なデバイスという印象も持ってしまいそうだが、ヒカリエモーションはスマートフォンAQUOSをより楽しく演出してくれる機能と言えそうだ。

ヒカリエモーション

そして、スマートフォンの数ある機能の中で、もっともユーザーがこだわる機能のひとつと言えば、やはり、カメラだろう。シャープ製端末に到底されるAQUOSのカメラは、世界初のカメラ付きケータイを開発したときから常に国内外の市場の最先端をリードしてきたが、そのノウハウは現在のモデルにもしっかりと受け継がれており、各方面で高い評価を得ている。今回のSH-02JとauのSHV37には、メインに1310万画素、インカメラに500万画素のイメージセンサーを採用したカメラが搭載されているが、カメラ機能は夏モデルのAQUOSのハイエンドモデルで採用された最新機能が搭載されている。

1310万画素、F2.2のメインカメラ

たとえば、メインカメラには「おすすめプラス」という機能が用意されており、カメラにあまり詳しくないユーザーでも「ふんわり」「くっきり」「逆光でも」「近付いて」といった項目を選ぶだけで、思い通りの写真を撮ることができる。凝った撮影を楽しみたいユーザーにはフルマニュアルの撮影も利用できるため、昔、銀塩カメラで慣れ親しんだノウハウを活かした撮影を試すこともできる。

おすすめプラス

これに対し、インカメラはやはり自分撮りのニーズが高いことから、今回のモデルで画角85度(35mm換算値24mm相当)のワイド撮影を可能にしており、自分だけでなく、背後に名所などの風景も入れ込んで、撮影することができる。長い棒にスマートフォンを固定しなくても周囲や背景に楽しい様子を入れ込んだ撮影ができるわけだ。

そして、女性ユーザーを中心にニーズが高い「美肌補正」もサポートされる。人の顔の肌を認識し、自動的に肌をなめらかに仕上げ、鼻筋に自然なシャドウを入れるなどのエフェクトも加え、自然な美しい顔立ちに仕上げて撮影することができる。

また、動画撮影にもぜひ活用したい機能が用意されている。「あとからキャプチャー」と呼ばれる機能で、被写体が動くようなシチュエーションやいい表情の写真を撮りたいとき、まずは動画で撮影しておき、撮影した動画から静止画を切り出して、ベストショットを選び出すというものだ。特に、子どもがもっともいい表情の写真を撮りたいときなどに、ぜひ活用して欲しい機能だ。パーティなどで、決定的なシーンを撮りたいときにも役立つはずだ。

あとからキャプチャー

IGZO液晶と優れた省電力性能こそ、スマートフォンAQUOSの強み

スマートフォンが国内市場の半数を超えるところまで普及し、より幅広いユーザー層へと拡大していく中、スマートフォンに求められる要素にも少しずつ変化が見え始めている。かつては何が何でも最新のハイスペックという指向が強かったが、スマートフォンそのものの完成度が熟成されてきたことで、必ずしもスペックだけではなく、実際にユーザーが使ううえでのユーザビリティなどを重要視する声が増えてきていることも変化の表われのひとつだろう。スマートフォンAQUOSの冬モデルは、今回紹介したNTTドコモの「AQUOS EVER SH-02J」、au向けの「AQUOS U SHV37」のミッドレンジモデルの他に、ソフトバンク向けには、今年夏に発売した「AQUOS Xx3」の新色(ピンク)がこの冬発売され、女性にも受け入れられやすいピンク色が増えた。このように幅広いユーザー層へアプローチすると共に、ユーザーとスマートフォンが接するインターフェイスであるディスプレイ性能、ユーザーがスマートフォンを使い続けるために必要な省電力性能という、従来からユーザーが常に気にしている2つの要素を考えて作られた最新スマートフォンAQUOSをぜひ体験していただきたい。

執筆: 法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話やスマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるゼロからはじめる Windows タブレット超入門 ウィンドウズ 10 対応」「できるゼロからはじめるパソコン超入門 ウィンドウズ 10 対応」「できるゼロからはじめるタブレット超入門 Android 4対応」「できる Windows 10」など、数多く執筆。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。ホームページはこちら