AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH

 読者のみなさんは、ケータイやスマートフォンにどんなことを求めているだろうか。かつて、フィーチャーフォンが全盛期のときは、ディスプレイサイズやカメラのスペック、多彩な機能が注目を集めてきた。なかでもシャープは十八番である液晶パネルをはじめ、カメラなどで他社をリードするハイスペックを実現し、使いやすい機能と共に、ユーザーの期待に応えてきた。

 そして、フィーチャーフォンからスマートフォンが主流の時代になった今日。やはり、ユーザーはスマートフォンのスペックやハードウェアとしての仕上りに注目しているが、実はもうひとつクローズアップされてきた要素がある。それは「つながりやすさ」だ。あらためて説明するまでもないが、ケータイやスマートフォンは基地局との間で電波を使って、やり取りをする。音声通話が中心の時代は電話が掛かってくるか、掛けられるかによって、つながりやすさが判断されていたが、フィーチャーフォンが主流の時代に入ると、写メールやコンテンツ閲覧といった非音声の利用が拡大し、データ通信についてもつながりやすさが重視されるようになった。

 そして、スマートフォンが主流になり始めた現在。インターネットの利用が拡大し、フィーチャーフォン時代とは比較にならないほど、データ通信量が飛躍的に増えている。総務省が今年3月に発表した統計では、国内のモバイルデータ通信のトラフィックは1年前に比べ、約2.2倍に増えているという。これは単純に大容量のデータを送受信するという話ではなく、スマートフォンではバックグラウンドで動作するアプリが自動的に通信をするうえ、ソーシャルネットワークをはじめとしたコミュニケーションサービスは、ユーザーが継続的に端末を操作し続けることが多いため、全体的な利用時間も増え、全体的なデータ通信量の増加に結びついていることも関係している。逆に、ユーザー側から見れば、操作する時間が増えた分、当然のことながら、つながりやすさに対する要求は一段とシビアになってきている。

 このつながりやすさという点において、ソフトバンクは国内の携帯電話事業者の中で、厳しい状況に置かれていた。携帯電話のつながりやすさはいくつかの要素で構成されているが、もっとも大きなポイントになるのが周波数帯だ。ソフトバンクは他の携帯電話事業者と違い、3Gの共通バンドである2.1GHz帯の他に、1.5GHz帯を割り当てられているのみだった。周波数は一般的に高い方が直進性が強く、ビルや山間部などでは電波の陰ができやすく、低い周波数はそういった場所でも電波が回り込むことで届きやすくなるという特徴がある。もちろん、周波数帯が低すぎても通信速度や到達距離などに影響があるため、携帯電話では700~900MHz帯近辺がもっともバランスが良く、俗に『プラチナバンド』などと呼ばれてきたが、この周波数帯に割り当てを持たなかったソフトバンクは他社に比べ、より多くの基地局を設置しなければならず、十分なつながりやすさを確保することができなかったわけだ。

 こうした状況の中、ソフトバンクは今年2月、ついに総務省から900MHz帯の割り当てを受け、いよいよこの7月25日から運用を開始することになった。その名もまさに『プラチナバンド』という名称でサービスが提供されるが、この「つながりやすさ」の恩恵を受けるには、この周波数帯に対応した端末が必要になる。割り当て直後に発表された「PANTONE® 4 105SH」をはじめ、すでに数機種がプラチナバンドに対応しているが、本格的に対応となるのは今回の2012年夏モデルからということになる。

 今回、ソフトバンクから発売されたシャープ製スマートフォン「AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH」は、このプラチナバンドに対応した2012年夏モデルのフラッグシップに位置付けられるモデルだ。ソフトバンク向けのシャープ製端末は、1.5GHz帯での3Gサービス提供開始時もいち早く対応していたが、今回もプラチナバンドのサービス開始と同時に、ユーザーが利用できる環境を提供したことになる。

 しかし、106SHは、単にプラチナバンドに対応しただけのスマートフォンというわけではない。高品質な液晶ディスプレイをはじめ、最新の高速データ通信サービス対応、美しい撮影が可能な1210万画素カメラ、使いやすさを追求したユーザーインターフェイスなど、スペックにおいてもユーザビリティにおいても最上級のスマートフォンとして仕上げられている。モデルネームに冠された「Xx(ダブルエックス)」は「extreme excellence」の略で、卓越したすばらしさという意味が込められており、その名に相応しく、これまでに登場したすべてのAQUOS PHONEを超える新しいステージへと進化を遂げたモデルとなっている。

AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH

 プラチナバンドという強力な武器を得た106SHだが、プラチナバンド対応は2012年夏モデル以降に共通したアドバンテージであり、エリアもこれから順次、拡大していくスケジュールとなっている。

 実は、今回発売された106SHには、それ以上に魅力的な要素が数多く揃っている。なかでも重要なのがスマートフォンの快適性を大きく左右すると言われるディスプレイだ。シャープと言えば、多くの人が「液晶」と答えるように、シャープはこれまでテレビや携帯電話などで最新の高品質な液晶パネルを供給してきた。今回の106SHには、明るく鮮明な表示と省エネ性能を両立させた「S-CG Silicon液晶システム」が採用されている。

 スマートフォンはほとんどの機種がタッチパネルを採用しており、ディスプレイと一部のボタンのみが前面にレイアウトされたフルタッチスタイルの端末が主流となっている。折りたたみデザインが主流だったケータイでは、対角サイズが3.5インチクラスでも大画面という印象だったが、スマートフォンではもはや4インチ未満が小さい部類に入り、ハイエンドモデルは対角サイズで4.5インチ以上が中心となりつつある。これはスマートフォンがディスプレイに表示されたアイコンなどを指先でタップするため、ディスプレイサイズが小さいと、自ずとアイコンサイズも小さくなり、ミスタッチが増えることを考慮し、少しでもタッチしやすい大画面が求められる傾向にあるからだ。

 ただ、ディスプレイの対角サイズが大きくなると、その分のトレードオフもいくつか生まれてくる。たとえば、液晶パネルそのもので言えば、表示面積が増えた分、背面から照らしているバックライトを明るくする必要があり、その結果、消費電力が増えることになってしまう。スマートフォンでは電池の連続駆動時間が短くなることが指摘されているが、ディスプレイの大きさもその要因のひとつとなっているわけだ。

 今回の106SHに採用されている約4.7インチのS-CG Silicon液晶システムは、従来の約4.5インチのCG Silicon液晶に比べ、液晶の透過率の改善などにより、約2倍の輝度と明るく、バックライトコントロール処理などによる省電力化を実現している。これはS-CG Silicon液晶システムに内蔵されたメモリがカギを握っている。一般的に、液晶パネルに何かを表示するときは、常時、CPUが液晶パネルにデータを伝送し続ける必要があり、その分、消費電力も増える傾向にある。これに対し、S-CG Silicon液晶は画面が更新されるときはCPUからデータが伝送されているものの、メニュー画面や写真など、動きのない静止画を表示しているときは、メモリに保存されているため、CPUからのデータ伝送を止めることができ、結果的に電力消費を抑えることができるというわけだ。

 また、最近ではWebサイト側の利用環境が整ってきたこともあり、スマートフォンでオンラインショッピングをするユーザーが増えている。パソコンと比べれば画面は小さいが、必要に応じてピンチ操作で画像を拡大できるうえ、外出中や移動中でも欲しいと思ったときにすぐにショッピングができるということで、忙しいユーザーほど、オンラインショッピングを利用する傾向が強いとも言われている。

 ただ、スマートフォンでWebサイトを閲覧しているとき、ちょっと色調が不自然だなと感じたことはないだろうか。画面で見たときと実際の商品を見たときでは、若干、印象が異なるということが起きてしまう。106SHには液晶テレビAQUOSで培った画像調整技術を活かした「SVエンジン」の最新版「SVエンジン3」が採用されているが、ディスプレイの特性による色彩の違いを解消するナチュラルカラーモードを搭載しており、実物の色に近い色で表示ができる。ちなみに、この約4.7インチのS-CG Silicon液晶は、1280×720ドットのHD表示に対応し、表示色数も1677万色に対応しており、パソコンなどと比較しても遜色ないレベルで美しく映像を表示することができる。

画面サイズは約4.7インチ。約2倍の輝度の明るく鮮明な表示を実現しながら省電力化を実現している

画質モードの切り替えが可能で、sRGBに対応した「ナチュラルカラーモード」を搭載

 また、従来のAQUOS PHONEでも搭載され、好評を得てきた機能も継承されている。たとえば前面パネルと液晶面を直接貼り付け、間の空気層をなくすことで、太陽光の乱反射やバックライトのロスを減らすことができる「リフレクトバリアパネル」を採用し、環境に応じて最適なコントラストで表示し、屋外でも動画やWebサイトを見やすく表示できる「アウトドアビュー」に対応する。交通機関の中など、周囲に見えてしまうことが心配なときは、ステータスバーを下方向にドラッグし、ステータスパネルで「カラーベールビュー」を有効にすれば、のぞき見を防ぐことができる。

 高画質の大画面ディスプレイが搭載された106SHだが、約4.7インチというサイズの割に、ボディ幅は約67mmと抑えられており、手になじむ美しいボディデザインに仕上げられている。前面からも見てもわかるように、ディスプレイの左右が狭額縁で仕上げられており、手に持ったとき、ボディを持つというより、ディスプレイを持つような印象があるほど、画面が大きく感じられる。前面パネルにはエッジカットとマルチコーティング処理を施すことにより、見る角度によって、光の反射が変化するなど、今までのスマートフォンにはないテイストのデザインが印象的だ。ちなみに、強度アップを図るため、ガラスは丹念に研磨する匠の技術が取り入れられているという。ディスプレイ下にはアクティブチェーンイルミと名付けられたイルミネーションがあしらわれているが、着信時などに単純にLEDが光るのではなく、流れるようにイルミネーションが光るなど、どちらかと言えば、フィーチャーフォンのような凝った光り方が楽しめる。

ディスプレイの左右が狭額縁で仕上げられている

前面パネルに、エッジカットとマルチコーティング処理が施されている

着信時などに流れるようにイルミネーションが光る「アクティブチェーンイルミ」

ボディサイズは、幅約67mm、高さ約130mm、厚み約10.8mm。約4.7インチという大画面ディスプレイが搭載されている割に手になじむ仕上がり

 ところで、スマートフォンの普及が拡大期に入ってきたこともあり、最近はビデオ配信サービスが各社から提供され、ソフトバンクでも月額490円で年間約1000本の映画や海外ドラマが見放題になる「ムービーLIFE」が提供されているが、こうしたサービスを視聴するときには106SHの液晶ディスプレイが一段と威力を発揮する。約4.7インチという大画面だからこそ、迫力ある映像が楽しめるうえ、省エネの特性を活かし、長時間再生も可能になるからだ。

 こうした映像コンテンツを楽しむとき、ぜひ試して欲しいのが新たに搭載された「Dolby Mobile V3」だ。Dolby Mobileは他事業者向けのシャープ製フィーチャーフォンなどにも採用された実績があるが、ドルビー・ラボラトリーズの技術社がそれぞれの機種に合わせ、スピーカーや音響効果をチューニングしたもので、実際に聞いてみると、音の厚みや臨場感が大きく異なる。イヤホンを接続すれば、ホームシアターに相当するバーチャル5.1chのサラウンドを楽しむこともできるので、ぜひ映画の予告などを手始めに、106SHの映像&音響を体験して欲しいところだ。

【動画】本体デザイン

 高画質ながら省電力を実現した約4.7インチのS-CG Silicon液晶を搭載した106SHだが、サクサクと使えるハイパフォーマンスを実現するためのスペックも充実している。

 CPUは米QUALCOMM製デュアルコアプロセッサ「Snapdragon MSM8260A」1.5GHzを採用する。スマートフォンに搭載されるCPUとしては、昨年後半から複数の命令を並列して処理ができるデュアルコアプロセッサを採用するものが増えてきているが、2つのコアが非同期で動作するQUALCOMMのSnapdragonのデュアルコアは、必要に応じて、動作するコアの数が切り替わるため、消費電力の面でメリットがあると言われてきた。今回の106SHに搭載されたMSM8260Aは、Snapdragonとして4つめの世代に相当し、昨年末の各社のモデルに搭載されていたSnapdragonが45nmプロセスで製造されていたのに対し、MSM8260Aは28nmプロセスで製造されている。パソコンのCPUの進化からもわかるように、当然、より微細なプロセスで製造されたものの方が消費電力などの面からも有利であり、今回のSnapdragon S4が搭載されたモデルは、より新しい世代のための製品に位置付けられる。

 次に、スマートフォンとユーザーの接点となるタッチパネルだが、今年2月に発売されたAQUOS PHONE SoftBank 104SHで採用された「ダイレクトトラッキング技術」が継承されている。この技術はシャープ独自のタッチ操作のチューニング技術で、タッチ操作に対する反応と画面の追従性能を高い次元で両立させている。実際に触ってみるとよくわかるが、画面をスクロールさせるときなどは指先に画面が吸い付くように追従しつつ、画面のスクロールも非常になめらかだ。

 そして今回のプラチナバンド対応により、つながりやすさの向上が期待できるモバイルデータ通信は、ソフトバンクが従来から提供しているULTRA SPEEDに対応する。現在、W-CDMAの流れをくむモバイルデータ通信の方式としては、ソフトバンクが3Gハイスピードで採用するHSDPA方式が受信時最大14Mbpsを実現しているが、ULTRA SPEEDについては受信時最大21MbpsのHSPA+、受信時最大42MbpsのDC-HSDPAを採用しており、理論値ながらも約1.5~3倍の高速化を実現している。

 一方、自宅などでの利用ではWi-Fi(無線LAN)が一般的だが、106SHはIEEE802.11b/g/nに対応しており、最大54Mbpsの高速通信を可能にする。無線LANアクセスポイントに接続するときの簡易設定は、業界標準のWPS、バッファローなどが採用するAOSSに対応しており、ソフトバンクWi-Fiスポットの接続も簡単に設定することが可能だ。

ON速起動やHDR撮影に対応した、裏面照射型CMOSセンサーによる1210万画素カメラを搭載

 カメラについては、裏面照射型CMOSセンサーによる1210万画素カメラが搭載されており、シャープ製端末ではおなじみの画像処理エンジン「ProPix」との組み合わせにより、ノイズの少ない美しい写真を撮影することができる。カメラの起動も「ON速起動」と銘打たれ、わずか約0.4秒での起動を可能にしている。撮影機能として、これからのシーズンにぜひ活用したいのが「HDR撮影」だ。HDRは「ハイダイナミックレンジ」の略で、1つのシーンに対し、異なる露出で自動的に撮影し、それぞれの画像のもっとも良い部分を合成することで、明暗の差をハッキリと表現した美しい写真を撮ることができる。特に、夜景などを撮影すると、これまでは暗すぎたり、明るすぎたりするようなことが多かったが、HDR撮影を活用すれば、美しい夜景を撮影することが可能なので、ぜひ試して欲しい。ちなみに、撮影した画像は大容量32GBの本体メモリー、もしくは別売のmicroSDカードに保存することができるが、microSDメモリーカードは最大64GBのmicroSDXCメモリーカードにも対応しているので、存分に写真や動画を撮影することができる。

 こうしてカメラで撮影した写真は、microUSB外部接続端子に別売のMHLケーブルを接続することにより、家庭用テレビのHDMI端子につないで、大画面で楽しむことができる。また、おなじみのスマートファミリンク機能を使い、Wi-Fi経由で写真や動画、Webサイトなどを液晶テレビ「AQUOS」に映し出すことも可能だ。さらには、AQUOSブルーレイで録画した番組をDTCP-IP対応DLNAでワイヤレスで楽しんだり、放送中の番組を106SHで視聴するといったこともできる。このAudio&Visualの連携は、今後も期待ができる機能だ。

「エコ技」機能も強化された

 これだけハイパフォーマンスで利用できるとなると、電池の持ちが気になるところだが、シャープ製スマートフォンは昨年から「エコ技」機能と呼ばれる独自の省電力機能を搭載し、ユーザーからもしっかりと高い評価を受けてきており、106SHにはさらに強化されたエコ技機能が搭載されている。エコ技機能には標準モード、技ありモード、お助けモードの3つのモードが用意されており、普段は標準モードで利用し、省エネをしながら快適に操作できるようにするには技ありモードに切り替えて利用する。いよいよ電池残量が厳しくなったときは、お助けモードに切り替え、できるだけ電池の消耗を抑え、少しでも長く利用できるように設定できる。これらの設定は自分で切り替えることもできるが、電池残量や時刻によって切り替えることもできるうえ、標準モードで利用しているときもバックグラウンドでのアプリの動作が多いときは、技ありモードへの切り替えが勧められるなど、インテリジェントに省電力化を図ることができる。ちなみに、本体に搭載されるバッテリーも1900mAhと大容量のものが搭載されているため、ユーザーの利用スタイルによって差があるものの、従来モデルに比べれば、一段と長時間、利用できるようになった印象だ。筆者は仕事柄、いくつかの機種をいっしょに持ち歩くことが多いが、他社製品といっしょに持ち歩いたとき、その日はどちらもまったく使わなかったのに、他社製品はほぼ電池残量がなくなっているのに対し、106SHの電池残量はまだ50%以上だったということもあり、エコ技機能の効果を実感することができた。

【動画】「ON速起動」カメラ

【動画】エコ技機能

 106SHに搭載されたさまざまなハイスペックを活かすため、スマートフォンを快適に活用できる機能も充実している。

 まず、ユーザーインターフェイスについては、シャープ製スマートフォンの2012年夏モデルから革新的なユーザーインターフェイス「Feel UX」が搭載されているが、106SHにも搭載されている。Feel UXの詳細については、別コラムを参照していただきたいが、既存のAndroid™プラットフォーム標準のユーザーインターフェイスに比べ、ケータイから移行し、はじめてスマートフォンに触れるようなユーザーでもスムーズに操作できるようになるわかりやすさは評価できるポイントだろう。特に、触りながら、「なるほど、そうなのか」と気づかせるようなしくみもあり、今後も進化も非常に期待されるところだ。

 しかし、すでにAndroidスマートフォンを利用していて、シャープがこれまで採用してきた「SHホーム」などに慣れ親しんでいるユーザーがいるのも事実だ。そこで106SHでは、ユーザーの好みに応じて、「設定」アイコンから「ホーム切替」で「SHホーム」に切り替えて利用することができる。このあたりの配慮もユーザーとしてはうれしいところだ。

Feel UXのロック画面にあたる「ウェルカムシート」

Feel UXの「3ラインホーム」

SHホームの「ホーム画面」

SHホームの「ランチャー画面」

ソフトウェアキーボードの端から端までを指先でスライドすることで入力切り替えができる

 また、スマートフォンに移行したユーザーにとって、最初に戸惑うのがタッチパネルでの日本語入力だが、106SHは約4.7インチの大画面ディスプレイを採用しているため、他のコンパクトなスマートフォンに比べると、格段に操作がしやすい。これに加え、今回は新たに「文辞技」と呼ばれるシャープ独自の日本語入力や辞書活用のための機能が搭載されており、多彩な機能を簡単かつスムーズに活用しやすくしている。たとえば、Androidスマートフォンの日本語入力では、ケータイのダイヤルキーを模した「12キー」、パソコンのキーボードを模した「QWERTYキー」という2つのソフトウェアキーボードが利用されている。それぞれに、ケータイに慣れた人、パソコンに慣れた人という位置付けなのだが、実際に使ってみると、日本語入力はフリック入力に慣れたから12キーがいいが、アルファベットはQWERTYキーが使いやすいといった考えも出てくる。そんなとき、多くの機種では12キーとQWERTYキーを切り替えるために、いずれかのキーを長押しして、表示されたメニューから選ぶといった操作をするが、文辞技ではソフトウェアキーボードの左右の端から端までを指先でスライドさせることにより、ページをめくるように12キーとQWERTYキーを切り替えることができる。さらに、同じように上下の端から端までスライドさせると、手書き入力や音声入力に切り替えることができる。ちなみに、手書き入力については、漢字かな混じりでの手書き入力が可能なため、「会ぎ」と手書きで入力して、「会議」と変換することもできる。予測変換もメール作成画面を表示したときに、いきなり「こんにちは」「お疲れさま」といった予測候補が表示される「いきなり予測変換」が搭載されるなど、より利用できる範囲が拡がっているのもうれしい点だ。

 実用的な機能も増えている。たとえば、Webページを閲覧しているとき、ブックマークの表示や再読込といったブラウザの操作は、基本的に画面最上段のツールバーなどを表示する必要があるが、106SHでは、画面の端から指先でフリックすると、クイックツールボックスが表示され、よく使う機能を簡単に操作することができる。また、Webページに表示されている内容の一部をコピーして、メールやメモに貼り付けるなど、他のアプリで利用したいことがあるが、Androidプラットフォームではコピー&ペーストの機能が搭載されているものの、範囲がうまく指定できなかったり、コピーしたい文字列はグラフィックで書かれていて、コピーできないといったことが起きるが、106SHに搭載されている「どこでもコピー/コピー履歴」を使えば、コピーしたい部分を拡大し、指先でクルッと円を描いて、範囲を指定するだけで、その部分の文字列を認識し、コピーすることができる。グラフィックで描かれている文字列も認識できるうえ、コピーした文字列は10件までさかのぼってペーストできる。

 この他にもIPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防じんに対応し、家庭内の水仕事をするところだけでなく、これからのレジャーシーズンでも安心して使うことができる。

【動画】Feel UX

【動画】文辞技

 この数年間で急速に拡大したスマートフォン。各社からさまざまなモデルが登場し、街中を見ていても誰もが「本当にスマートフォンが主流の時代になったな」という印象を持つようになってきたはずだ。しかし、実状ではまだまだスマートフォンは発展途上中であり、スペックや機能、対応サービスなどの面で、大きくジャンプアップするタイミングが訪れることになる。これがソフトバンクにおいては、今回の900MHz帯を利用したプラチナバンドがひとつのタイミングであり、端末として見た場合も新しい世代のデュアルコアプロセッサはひとつの節目であり、高画質&省電力を実現した高性能S-CG Silicon液晶もひとつのジャンプアップのタイミングということになる。つまり、今回の106SHは、まさに新しい時代、新しいステージに進んだモデルであり、これからプラチナバンドのエリアが拡大していくことを考えれば、やはり、「買い!」のスマートフォンということになる。ぜひ、店頭のデモ機などを試していただき、快適なサクサク感と美しいディスプレイ、ハイパフォーマンスを体験してみて欲しい。

 

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。主な著書は「できるWindows 7」をはじめ、「できるポケット docomo AQUOS PHONE SH-01D スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2012年1月19日発売)、「できるポケット au AQUOS PHONE IS13SH スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」(2011年12月9日発売)などのスマートフォン関連も数多く執筆。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。

 

■関連情報
□AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH 製品情報(ソフトバンク)
 http://mb.softbank.jp/mb/smartphone/product/106sh/
□AQUOS PHONE Xx SoftBank 106SH 製品情報(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/products/sb106sh/
□シャープ 携帯電話 ソフトバンクラインアップ
 http://k-tai.sharp.co.jp/lineup/softbank/

■関連記事
□夏のフラッグシップモデル「AQUOS PHONE Xx 106SH」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120529_536095.html
□ソフトバンク、「AQUOS PHONE Xx」など3モデル発売
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20120704_544774.html

 

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