確定申告って?
 
個人事業主が自分で収入や経費の金額を記帳し、所得金額およびその所得税額または損失金額を自分で計算し、税務署に申告する申告方法です。

サラリーマンなどの場合は、税金は月々の給与などから源泉徴収され、会社が自分に替わって税務署に納付します。しかし個人事業主の場合は、確定申告は自分で納税額を税務署に申告納付するわけです。
確定申告には青色申告と白色申告の2 種類があります。

 

 

青色申告と白色申告って?
 
青色申告は税務署に承認申請をしていないと申告できません。

確定申告を行う際に青色申告になるか白色申告になるかは、税務署に「青色申告承認申請書」を提出し、青色申告の承認を受けているかどうかによって決まります。青色申告の承認を受けていないときは自動的に白色申告になります。

 

 

青色申告と白色申告の申告作業の違いは?
 
青色申告では所得税法に定められた法定の帳簿書類を用意する必要があります。

白色申告の申告ではその年の取引のうち、総収入金額、および必要経費に関する事項を簡単な方法で記載し、それを帳簿にまとめて税務署に申告します。
青色申告では、所得税法によって法定の帳簿書類を備え付けて取引を記録し、かつ保存することが義務づけられています。青色申告の必要書類は次のとおりです。

【表1 】青色申告の必要帳簿

区分 帳簿の種類 帳簿書類と決算関係
書類の保存期間
正規の簿記で記帳するもの 年末に決算書(損益計算書と貸借対照表)を作成できるような、正規の簿記(複式簿記)に基づく帳簿 7年間
(一定のものは5年)
簡易帳簿で記帳できるもの
  • 現金出納帳
  • 売掛金
  • 買掛金
  • 経費明細書
  • 固定資産台帳

 

 

青色申告のメリットは?
 
青色申告特別控除を受けられる、専従者給与を必要経費にできる、損失額を3 年間繰越控除できるなどの税法上のメリットがあります。

青色申告は白色申告に比べて記帳作業、必要書類等、様々なものにおいて、より多くのことを要求されます。しかし青色申告には白色申告にはない税法上のメリットがあります。青色申告の主なメリットには次のようなものがあります。

●青色申告特別控除を受けられる
青色申告特別控除には10 万円と45 万円の2 種類があります。
一定の条件を満たしていれば、複式簿記で記帳を行うときは45 万円、簡易帳簿で記帳を行うときは、基本的に10 万円の控除を受けることができます。
税額は収入から経費を差し引いた利益からさらに特別控除などを差し引き、控除後の所得に税率を掛けて算出するので、控除の額が多ければ税金が安くなります。

青色申告特別控除を受けるためには、次の条件を満たしている必要があります。

原則 経過措置(平成5年~平成14年)
  • 不動産所得、または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者である(現金主義の選択者を除く)
  • 正規の簿記の原則に従い、取引を記録している
  • 損益計算書、その他計算明細書に加えて貸借対照表を添付し、所定の事項を記載した申告書を期限内に提出する
  • 不動産所得、または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者である(現金主義の選択者を除く)
  • 簡易方式により取引を記録している
  • 損益計算書、その他計算明細書、貸借対照表を添付し、所定の事項を記載した申告書を期限内に提出する

控除額は次のとおりです。

原則を満たしている場合 原則を満たしていない場合
(経過措置の対象期間を除く)
次のうちいずれか低い額
  • 45万円
  • 青色申告特別控除を差し引かないで計算した不動産所得、事業所得、または山林所得の合計額
次のうちいずれか低い額
  • 10万円
  • 青色申告特別控除を差し引かないで計算した不動産所得、事業所得、または山林所得の合計額

ただし、業務(例えば不動産の貸与など)を事業規模で行っていない場合は、45 万円(控除の最高額)の青色申告特別控除を適用することはできません。業務を事業規模で行っていない青色申告者は、10 万円の青色申告特別控除を適用することになります。

●専従者給与を必要経費にできる
一定の条件を満たした事業の専従者に給与を支払ったときは、原則として全額を必要経費に参入できます(給与が不当に高額な場合は適正額を超える部分については除かれます)。
家族で事業を行っている場合など、一定の条件を満たす専従者であれば給与を支払ってもそれを経費に参入することができるわけです。

事業専従者は次の条件を満たす人を指します。

次の場合は専従者給与を全額必要経費に参入できないので注意してください。

また、納税者の配偶者またはその他の家族が青色事業専従者として給与の支払いを受ける場合は、配偶者控除、または扶養控除の対象にはなりません。

●損失額を3 年間繰越控除することができる
白色申告では赤字額は繰り越すことができませんが、青色申告では所得が赤字になったときは、損失額を3 年間繰越控除できます。
例えば1 年目に20 万円の赤字が出て、2 年目に50 万円の利益が出た場合、50 万円の利益から1 年目の20 万円の赤字を繰越控除することができるわけです。

●引当金を必要経費にできる
貸倒引当金、退職給与引当金などは、廃止・縮小傾向ではありますが一定の引当額を必要経費に参入できます。

●資産を低価法で評価できる
低価法とは、商品などの資産を原価と期末におけるその取得のために通常要する価額とで比較して、どちらか低い価額を評価額とする方法です。青色申告する事業者は、棚卸資産の評価について低価法を適用することが認められます。

●特別償却費を必要経費にできる
特定設備などの特別償却、中小企業者の機械などの特別償却を、必要経費に参入することができます。

 

 

青色申告の承認申請はどうするの?
 
青色申告を始める年の3 月15 日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出して承認を受けます

青色申告するには、納税地の税務署に「青色申告承認申請書」を提出して承認を受ける必要があります。承認方法は簡単ですが、すでに白色申告しているときと新規開業して青色申告の申請を行うときでは申請期限が異なります。次の表や図を参照して、申請を行ってください。

【図1 】青色申告の承認スケジュール例


※C さんは開業から2ヶ月以内に申告しなかったので平成11年度分は白色申告になります。もし、7/14 までに申告すれば、平成11年度から青色申告できます。

 

 

青色一般、不動産、および白色一般、不動産の違いは?
 
事業所の方は青色一般または、白色一般になります。不動産所得、山林所得の方は青色不動産または、白色不動産になります。

青色申告と白色申告では決算時に必要となる書類などが異なるのはもちろんですが、事業所得の方と不動産所得、山林所得の方では、伝票入力の際に使用する勘定科目などが大きく異なります。

 

 

青色申告の会計期間は?
 
1 月1日から12月31日までです。

青色申告の会計期間は1 月1 日から12 月31 日までです。この期間の取引を記帳し、翌年の2月16 日から3 月15 日までの間に税務署に申告します。

これから青色申告の申請を行うときでも、承認を受ける年の1 月1 日からが記帳の対象になります。ただし、新規開業したときは開業日からが記帳の対象になります。

 

 

繰越金額って?
 
1前年度の資産、負債、元入金勘定の金額です。

すでに青色申告を行っているときは、前年度の資産、負債、元入金勘定の金額を今年度に繰り越します。

 

 

特別控除って?
 
青色申告者で一定の条件を満たせば、10万円、または45万円の特別控除を受けられます。

青色申告者で一定の条件を満たせば、所得金額(その年の総収入から必要経費を差し引いた金額)から、青色申告特別控除額を差し引いた金額を所得とすることができます。
青色申告特別控除の条件などは、「Q )青色申告のメリットは?」を参照してください。

 

 

消費税等の扱いは?
 
前々年の課税売上高が3,000 万円以下のときは消費税等の納付義務はありません。3,000 万円以上のときは消費税等を納付する必要があります。

消費税等の扱いは?

前々年の課税売上高が3,000 万円以下のときは消費税等の納付義務はありません。3,000 万円以上のときは消費税等を納付する必要があります。

消費税等の課税方式には、

の3 種類があります。

 

 

取引って?
 
お金に限らず、モノが動いたり、所有している資産の価値が目減りしても、すべて取引です。

一般的な感覚では、モノを買ったり売ったりすることが取引です。

しかし簿記の取引は目に見える形で商品などが売買される場合に限りません。例えば商品を万引きされたり、泥棒が入って金庫を荒らされたり、家事などの災害にあったときも損害額を記帳します。

つまり実際に商品を売買しているかどうかは別に、事業主の財産状態を変化させるモノやカネの動きをすべて取引として捉えます。

●取引の例

 

 

仕訳って?
 
カネやモノの動きを原因と結果で捉え、借方勘定、貸方勘定のセットで記帳するのが仕訳です。

青色申告では複式簿記で記帳します。この複式簿記では、取引を常に2 つの側面から捉えます。買った、売ったなど、一方的にカネやモノが動くとは考えず、買ったらお金が出ていたというふうに、必ず原因と結果の2 つの面で取引を捉えるわけです。

この2 つの面を簿記では「借方」と「貸方」と呼び、1 つの取引を借方と貸方に分けることを「仕訳」と呼びます。

 

 

仕訳のポイントは?
 
入ってきたものを左の「借方」に、出ていったものを右の「貸方」に記帳するのがポイントです。

現金取引の場合などに限られますが、複式簿記では入ってきたものを左の「借方」に、出ていったものを右の「貸方」に記帳するのが仕訳のポイントです。

例えば商品を買った場合、入ってきたものは商品で出ていったものは現金です。給与を当座口座から支払った場合、入ってきたものは給与(労働力)で、出ていったものは当座口座の現金です。これらを仕訳すると次のようになります。

ただし、簿記では借方、貸方に記入する取引の内容を、勝手に決めることはできません。「勘定科目」と呼ばれる統一された用語で記入する必要があります。

●仕訳のポイント

 

 

勘定科目って?
 
統一されたルールが決められています。とにかく勘定科目を覚えてください。

借方、貸方に記帳する勘定科目は統一されたルールが決められてます。仕訳や記帳をスムーズに行うためには、勘定科目を覚えるのが一番の早道です。

また、勘定科目は「資産」「負債」「元入金」「収益」「費用」勘定に大きく分類されます。なぜ勘定科目を分類するのかと言えば、「損益計算書」や「貸借対照表」でこれらの分類を違う方法で組み合わせ、必要な会計情報を算出するためです。損益計算書では「費用」と「収益」を算出しますが、「貸借対照表」では「資産」「負債」「元入金」を算出します。一つの情報ソース(勘定元帳が元になります)を別の組み合わせで計算することで、記帳ミスや転記漏れなどを防ぐという目的もあります。

【図2 】損益計算書の概念

 

【図3 】貸借対照表の概念

 

【表2 】勘定科目の例

■「資産」勘定

勘定科目 概要
現金 通貨(現金)、小切手、送金小切手、郵便為替証書など、いつでも現金化できるもの
当座預金 当座口座にある無利息の預金
定期預金 一定の期間預け入れる貯金
その他の貯金 普通預金、郵便貯金、定期預金など。勘定科目では、それぞれの名称の項目を売る。
受取手形 取引で受け取った手形(手形債権)
売掛金 後払いで商品券を販売した取引上の債権
有価証券 株券、国債、社債など
棚卸資産 商品、製品、原材料など、棚卸を行って有高を確定させる試算。勘定科目では、それぞれの名称の科目を使う
前払金(前渡金) 商品を受け取る前に前払いした金額
貸付金 取引先や従業員に対する貸付金
未収金 固定資産などの売却で得た本来の取引以外で生じた債権
仮払金 現金を支出したが相手勘定科目や金額が未定のもの
立替金 取引先や従業員に対する金銭の一時的な立替金
建物 店舗、事務所、倉庫など
建物付属設備 給排水設備、冷暖房設備、エレベーターなど。建物勘定に含めることもできる
機械装置 製造設備などの機械や装置
車両運搬具 乗用車、オートバイ、トラックなど
工具器具備品 工具、エアコン、パソコン、コピー機、ファックスなど
土地 店舗や事務所用の敷地、資材置場、駐車場など

■「負債」勘定

勘定科目 概要
支払手形 取引で振り出した約束手形や引き受けた為替手形などの手形債券
買掛金 後払いで商品等を購入した取引上の債務
借入金 銀行や取引先などからの借入金
未払金 固定資産の購入など、本来の取引以外の取引で発生した債務
前受金 商品の注文などを受けた際に前受けした金額
仮受金 現金は受け入れたが相手方勘定や金額が確定いていないもの
預り金 源泉所得税や営業保証金など、従業員や取引先から一時的に預かっている金額

■「元入金」勘定

勘定科目 概要
元入金(資本金) 年初の資産総額から負債総額を控除した純資産額
事業主借 事業上の経費を家庭用の現金で支払ったときや、事業用の現金を家庭用の現金で補充したときなど、年初の元入金の増加があったときに、その増加分をあらわす勘定
事業主貸 家庭用経費を事業用の現金で支払ったときや、商品を家庭用に使ってしまったときなど、年初の元入金の減少があったときに、その減少分をあらわす勘定

■損益計算書勘定(「収益」「費用」)

区分 勘定科目 概要
収益 売上高(売上金額) 商品やサービスを提供して得た収益
雑収入 主な取引以外で発生した収益
費用 仕入高(仕入金額) 商品などの仕入金額(運賃を含む)
租税公課(公租公課) 事業税、固定資産税、自動車税、印紙税など(所得税や住民税、罰金などは含まれない。これらは事業主貸とする)
荷造運賃(発送費) 商品などの荷造り費用や運送費用
水道光熱費 水道、電気、ガス代など
旅費交通費 電車代、タクシー代、出張旅費など
通信費 電話代、郵便切手代など
広告宣伝費 商品や店舗の広告費用
接待交際費 接待や贈答品などの費用
損害保険料 火災保険や自動車保険などの損害保険料
修繕費 建物や機械などの修繕費用
消耗品費 筆記用具やノートなどの消耗品購入費用
福利厚生費 従業員の福利厚生のための費用
給料賃金 従業員への給料や賞与など
利子割引率 借入金の利子や手形の割引料
地代家賃 土地や建物の賃貸料
支払手数料 税理士、弁護士などに支払う手数料など
貸倒金(貸倒損失) 売掛金の貸倒による損失
雑費 重要性の低い少額の費用

 

 

仕訳帳って?
 
日々の取引の内容をまとめて転記したものです。

仕訳帳は、「伝票入力」で記帳した日々の取引を日付順にまとめた取引の台帳です。手で記帳するときは、仕訳帳を作成することで、借方、貸方の金額を比較して転記ミスや金額の記載ミスがないかをチェックすることができます。

 

 

勘定元帳って?
 
仕訳帳の取引内容を勘定科目ごとにまとめたものです。

仕訳帳では取引の内容を日付順に記帳します。勘定元帳では、仕訳帳の取引の内容を、勘定科目の欄(口座と呼びます)にまとめて転記します。勘定科目ごとに金の流れをまとめるわけです。

「Q)勘定科目って?」でまとめたように、勘定科目は「資産」「負債」「元入金」「収益」「費用」勘定のいずれかに分類されます。勘定元帳で勘定科目ごとにまとめた内容をさらに「資産」「負債」「元入金」「収益」「費用」勘定ごとにまとめ、決算用に損益計算書と貸借対照表を作成するわけです。

仕訳帳の内容例

仕訳帳の取引の内容が勘定科目ごとにまとめられている。
※出力サンプルは「やるぞ!青色申告2000 インターネット製品版」で出力されたものを使っています。

 

 

決算整理って?
 
決算前に毎日の伝票入力では記帳できない在庫商品や減価償却費などを算出して記帳します。

決算整理では、日常の取引では記帳できない帳簿上の取引を確認して記帳します。主なものに、

があります。

これらの決算整理は、事業者の業態や規模によって行う作業が大きく異なります。例えば「棚卸による在庫商品の確認と売上原価の算定、計算、およびその仕訳」は商品などの取引を行わない事業者には不要です。

ここでは各決算整理の内容を説明します。各決算整理の具体的な方法については、市販の参考書などを参照してください。

■棚卸による在庫商品の確認と売上原価の算定、計算、およびその仕訳

商品の取引は「売上」と「仕入」の勘定科目で記帳し、「売上」「仕入」は記帳された金額が決算のための金額になります。通常は「期首商品」(前期分の売れ残り商品)と「当期仕入」(当期に仕入れた商品)、および「期末商品」(当期売れ残り商品)があるからです。

売上原価は、・「期首商品」+「当期仕入」-「期末商品」

の計算式によって算出できます。棚卸は「期末商品」(当期繰越商品)を確認するわけです。
棚卸が終わったら「期首商品」「期末商品」を記帳します。

■売上原価の記帳例

●前提条件

●売上原価の計算

●仕訳例

当期仕入は各月の記帳ですでに仕訳が行われているため、期首商品と期末商品を仕訳で記帳します。

■減価償却費の算出とその仕訳

減価償却とは、事業で使用する車や備品などは年々その価値がなくなってゆくと考え、その減価分を収入から控除できる税法上の制度です。減価償却の方法には「定額法」と「定率法」があります。

「定額法」と「定率法」の計算式は次のようになります。なお、個人の場合は、法定償却方法は定額法で、減価償却方法の変更届書を税務署に提出することにより、定率法を選択することができます。

■減価償却費の算出例

●前提条件
営業用車両(セダン・小型車以外)を平成11 年10 月に\ 1,800,000 で取得
耐用年数:6 年
償却率:①定額法0.166
     ② 定率法0.319

●定額法での減価償却費の算出方法
定額法は毎年の償却費が同額になるように計算する方法です。
(取得価格-残存価格)×定額法による償却率=その年の償却費の額


前提条件では次のような償却費になります。
・初年度(平成11 年度分)
[1,800,000 -1,800,000 ×0.1 ]×0.166 ×3/12=67,230
取得価格 残存価格 償却率 月数あん分 償却率

■現金過不足の確認とその仕訳

帳簿の現金残高と実際の現金残高が一致しないときは、「現金過不足」として処理します。帳簿の残高よりも実際の有り高の方が多いときは「雑益」勘定で処理します。少ないときは「雑損」勘定で処理します。

■費用と収益の修正とその仕訳

実際に入金があったり支払を行った場合でも、その中に来期分の収入や支出が含まれているときは、来期分を取り除いておく必要があります。当期分の支払をまだ行っていないときや、当期分の収入がまだ受領されていないときも同様です。これらは債務、債権として記帳します。

 

 

損益計算書って?
 
勘定元帳を元に事業の営業成績をまとめます。

勘定元帳では仕訳帳の取引内容が「資産」「負債」「元入金」「収益」「費用」の各勘定にまとめられますが、このうち「費用」「収益」を転記したものが損益計算書であり、差額が「利益」になります。なお、「利益」は貸借対照表の「利益」と一致している必要があります。

●損益計算書の概念

損益計算書の内容例

勘定元帳から「費用」「収益」勘定を転記して作成されている。
※出力サンプルは「やるぞ!青色申告2000 インターネット製品版」で出力されたものを使っています。

 

 

貸借対照表って?
 
勘定元帳を元に事業の年度末の財政状態をまとめます。

勘定元帳では仕訳帳の取引内容が「資産」「負債」「元入金」「収益」「費用」の各勘定にまとめられますが、このうち「資産」「負債」「元入金」を転記したものが貸借対照表であり、差額が「利益」になります。なお、「利益」は損益計算書の「利益」と一致している必要があります。

●貸借対照表の概念

貸借対照表の内容例

勘定元帳から「資産」「負債」「元入金」勘定を転記して作成されている。
※出力サンプルは「やるぞ!青色申告2000 インターネット製品版」で出力されたものを使っています。

 

 

消費税等計算書って?
 
消費税額等を原則課税、簡易課税区分に従って算出します。

消費税等の納付義務は事業者の収入によって異なります(→P.12 )。

ここでは消費税等の算出方法例を説明します。

■消費税等の算出方法例 -税込で処理する場合-

●前提条件

●原則課税の場合

  1. 売上高(税込)に対する消費税額
    5,250 万円×100/105 ×4%=200 万円
     
  2. 仕入高(税込)に対する消費税額
    4,200 万円×100/105 ×4%=100 万円
     
  3. 納付する消費税額
    200 万円-160 万円=40 万円
     
  4. ④納付する地方消費税額
    40 万円×25%=10 万円
     
  5. 納付消費税額等
    40 万円+10 万円=50 万円

●簡易課税の場合

  1. 売上高(税込)に対する消費税額
    5,250 万円×100/105 ×4%=200 万円
     
  2. 仕入高(税抜)に対する消費税額(みなし仕入率による仕入税額控除)
    200 万円×80%=160 万円
     
  3. 納付する消費税額
    200 万円-160 万円=40 万円
     
  4. 納付する地方消費税額
    40 万円×25%=10 万円
     
  5. 納付消費税額等
    40 万円+10 万円=50 万円

 

 

収支内訳書って?
 
その年の取引のうち、総収入金額、および必要経費に関する事項を簡単にまとめたものです。

白色申告では、その年の取引のうち、総収入金額、および必要経費に関する事項を「収支内訳書」に作成し、それを元に税務署に申告します。

 

 

税務署への申告方法は?
 
「損益計算書」「貸借対照表」の内容を税務署の申告用紙に転記します。

税務署に申告するときは、「損益計算書」「貸借対照表」の内容を税務署の申告用紙に転記します。

ただし、税法上の所得は10 種類に分かれており、事業以外の収入もまとめて申告する必要があります。例えば事業所得の他に不動産所得、利子所得、給与所得などがあれば、これらもまとめて申告します。

申告内容は事業者によってまちまちです。ここではおおまかな納税額(所得税額)の計算の仕組みを図で説明します。

●所得税の計算の仕組み

『やるぞ!青色申告2000 』は決算書の作成までを行うソフトウェアです。税額の計算までは行いません。なお、弊社「青色・白色『手書き/OCR 申告書』完全印刷」(2000 年1 月発売予定)をご利用になれば、『やるぞ!青色申告2000 』で作成したデータを元に、税務署の申告用紙の形式で申告書を作成することができます。

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