VAIOシリーズのフラグシップモバイルノートである、VAIO Zシリーズの最新モデルが発表された。短い時間ではあるが、その最新モデルを試用する機会を得たので、新しい特徴を中心に紹介していきたい。

とにかく「速い」。おどろくべき速さ

  さて、この製品を一言で紹介するのなら「速いモバイルノート」と紹介するのが、もっとも適切だと筆者は考える。

 モバイルノートは、処理性能の高さとモバイル性の両立が難しい。なぜなら、CPUにしてもメモリやグラフィックス機能にしても、性能が高ければ高いほど発熱量が多いからだ。モバイルノートは内部に十分な空間がないために熱がこもりやすく、うまく排熱を行わないと正常に動作できなくなってしまう。また、できたとしてもパームレスト部分が熱くて触れなくなるなどの実用には耐えられないノートになってしまうのだ。このことは、市場に存在する多くのモバイルノートが証明している。多くの方は、重さが1.5kgを切るようなモバイルノートに対して、小型で重量は軽いが、性能は低いという印象を持っているのではないだろうか。とくに、Atomプロセッサーを搭載するネットブックが登場してからは、ネットブックをモバイルノートとして購入する人が多かったため、モバイルノートは性能が低いという印象がさらに広がってしまった。しかし、モバイルノートにそのような印象を持っている方に知ってほしい。実用に耐えるモバイルノートも多数存在しているし、なかには大型のノート並みに速いモバイルノートも存在するのだ。

 VAIO Zシリーズは、誰が使っても速いと感じられるだけの性能、そして作業効率を落とさない広い画面を搭載した、数少ないモバイルノートである。モバイルノートをサブとは考えず、メインとしてバリバリ使いたい人に最適なスペックと使い勝手を提供してくれる。

 気になるサイズと重量は、サイズが横314mm×奥行き210mm×高さ23.8mm(最厚部)。フットプリントはほぼA4コピー用紙サイズ。重さは直販モデルの場合はパーツ構成によって異なるが、もっとも軽い構成で約1.35kg、店頭販売モデルでは約1.36kgだ。バッテリー駆動時間は、標準のSバッテリーで、もっとも駆動時間が短い構成にしても約6.5時間、店頭販売モデルでは約7.5時間動作する。別売りのLバッテリーを使う場合には、もっとも駆動時間が短いパーツ構成で約9.5時間、店頭販売モデルでは約11時間となっている。この部分だけを見ると、今どきの一般的なモバイルノートと同じように感じると思うが、VAIO Zシリーズの性能を考えると、このサイズと重量、バッテリー駆動時間は驚きのスペックということがわかってくる。

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13.1型のワイド液晶を搭載し、フットプリントでほぼA4コピー用紙サイズを実現しながらも、性能面にまったく妥協がないVAIO Zシリーズ。重量も最軽量構成で約1.35kgと、紛れもなくモバイルノートだ 試用したVAIO Zシリーズは、天板に標準のブラックカラーを使用していた。天板は計6種から選択できる。天板の材質は積層カーボンで、薄くて軽いのに十分な強度を持っている キーボードには英字配列も選択できる。ほかに、日本語配列の「かな」無しや、英字配列のフォント違いなどが選択可能。キーピッチは約19mmで、キーストロークは約2mm、剛性が十分にあって使いやすい
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前面には、左からメモリースティックスロット、SDメモリーカードスロット、無線LANのON/OFFスイッチ、ヘッドホン端子、マイク端子を備える。オプションとして専用のノイズキャンセリングヘッドホンも 試用したVAIO 左側面には、左からLAN端子、HDMI端子、USB 2.0端子、ExpressCard/34スロット、USB 2.0端子を備えている。USB 2.0端子は、VAIOオーナーメードのCTOで1つをi.LINK端子に変更することも可能だ。ヒンジ部分には電源端子がある 右側面には、左からUSB 2.0端子、2倍速書き込みに対応するBlu-ray DiscドライブまたはDVDスーパーマルチドライブ、D-Sub 15ピン端子を備えている。ヒンジ部分には電源ボタンを搭載する

4つのパーツが生み出すVAIO Zシリーズの速さ

 VAIO Zシリーズには、速さと、使い勝手の良さを実現する特徴的なパーツが4つ搭載されている。順番に紹介していこう。なお、VAIO Zシリーズが搭載するパーツは、VAIOオーナーメードモデルなら購入時に自分で選ぶことができる。VAIOオーナーメードモデルは、直販Webサイトと一部店舗で購入可能だ。店頭販売モデルの場合にはパーツを選ぶことができないので覚えておこう。

1.ターボ・ブーストとハイパースレッディングに対応する高速CPU

 VAIO Zシリーズが搭載するCPUは、3種類から選択できる。性能が高い順に、インテル® Core™ i7-620M プロセッサー、インテル® Core™ i5-540M プロセッサー、インテル® Core™ i5 520M プロセッサーの3種類だ。これらのCPUは、いずれもインテル® ターボ・ブースト・テクノロジーに対応しており、さらにインテル® ハイパースレッディング・テクノロジーにも対応している。各CPUの違いを表に示したので、そちらも参考にしてほしい。

CPU名称
インテル®
Core™ i7-620M
インテル®
Core™ i5-540M
インテル®
Core™ i5-520M
CPUコア数
2
2
2
HT
対応
対応
対応
スレッド数
4
4
4
動作クロック(定格)
2.66GHz
2.53GHz
2.40GHz
動作クロック(TB時)
3.33GHz
3.06GHz
2.93GHz
スマート・キャッシュ
4MB
3MB
3MB

 ターボ・ブーストとは、CPUの温度が上限温度まで余裕がある状態で、かつ負荷が高いときに、定格の動作クロックを超えてオーバークロック状態で動作する機能だ。ターボ・ブースト時の動作クロックはかなり高いので、この機能があるのとないのとでは、重い処理を行うときの処理性能がまったく違う。

 一方、ハイパースレッディングは、1つのCPUコアで、擬似的に2つのコアが動作しているかのように処理を行う機能だ。VAIO Zシリーズで選択できるCPUは3つともデュアルコアCPUなので、どのCPUでもハイパースレッディングによって計4つのCPUコアがあるかのように動作する。同時に複数の処理を行うことが当たり前になってきた現在のパソコン環境において、擬似的ではあってもクアッドコアCPUのように動作するハイパースレッディングの効果は大きい。

 試用したVAIO Zシリーズには、一番上位のインテル® Core™ i7 620M プロセッサーが載っていたのだが、何をやっても常にCPUに余裕があり、大変快適だった。ビジネスソフト程度ではCPU使用率があまり上がらず、あり余るCPUパワーを実感できる。これなら、一番下のCPUでもかなり余裕があるのではないだろうか。約1.35kgのモバイルノートとは思えない、驚きの処理性能だ。

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CPUの情報を見ることができるCPU-Zで、CPU情報を表示した。動作クロックが高いCore™ i7-620Mだが、負荷がない状態では省電力モードになり、ベースクロック133MHzの9倍の約1.2GHzで動作していることが分かる ターボ・ブーストの状態を表示するソフトで、ターボ・ブーストの動きを見てみた。この画面は、負荷はかかっているがターボ・ブーストが働いていない状態で、定格の最高クロックである2.67GHzで動作している CPU負荷が100%になるような高負荷のベンチマークソフトを使用して高負荷環境を作ったところ、ターボ・ブーストの最高クロックである3.33GHzで動作した。無負荷時との差は2.13GHzにもなる

2.2つのGPUが自動で切り替わるダイナミック・ハイブリッドグラフィックス

 VAIO Zシリーズは、ノートとしては大変めずらしく、異なる2つのGPU(Graphics Processing Unit)を搭載しているノートだ。GPUは、1つがCPUが内蔵しているIntel HD Graphicsで、もう1つがNVIDIA GeForce GT 330Mである。なぜ2つも搭載しているのかと言うと、省電力性能とグラフィックス性能を両立するためだ。Intel HD Graphicsは、CPUに内蔵されているので搭載のための追加コストがかからず、消費電力も小さい。そのかわり、性能はあまり高くない。NVIDIA GeForce GT 330Mは、性能は高いのだが消費電力が大きい。この、異なる性質を持った2つのGPUを切り換えて使えるようにすれば、モバイルノートにとって最適なグラフィックス性能を得られるというわけだ。

 VAIO Zシリーズは、従来から「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」という名前で、スイッチによるGPUの切り替え機能を搭載していた。今度のVAIO Zシリーズでは、その機能をまた一歩進めて、従来の手動切り替え機能に加えて自動切り換え機能を搭載した。具体的には、キーボードの左上にある切り替えスイッチを使うのだが、スイッチの位置を「STAMINA」にするとIntel HD Graphicsが動作する。そして、「SPEED」にすればNVIDIA GeForce GT 330Mが動作する。「AUTO」にしておけば、2つのGPUが自動で切り替わる。自動切り換えの条件は、バッテリー駆動時にはIntel HD Graphicsが使われ、ACアダプター接続時またはHDMI/DVI出力時にはNVIDIA GeForce GT 330Mが動作するようになっている。切り替えは、切り替えスイッチを操作してから5秒ほどすると、一瞬画面が消えて切り替わる。スイッチを操作してから切り替わるまでの5秒間は、通常通り画面内の操作を行えるので、実際には一瞬画面が消えるだけで切り替わっているように感じて、とくに待たされることもなく違和感はない。

 さて、2つのGPUの性能差だが、Windows 7に標準で付属するソフトやビジネスソフト程度では差が出ないため、最新のラリーカーレースゲームである、Codemastersの「Colin McRae: DiRT 2」の体験版をインストールしてみた。結果は、Intel HD Graphics使用時には、そもそも正常にゲーム画面を表示することができなかった。CPU内蔵のGPUは、そもそも最新の3Dゲームを遊べるほどの性能は持っていないので、これは仕方がない。一方、NVIDIA GeForce GT 330Mを使用した場合には、ヌルヌル動くとまでは言えないが、なんと1,920×1,080ドット表示でもとくに問題なくゲームを楽しむことができた。さすがに、ここまで動くとは思っていなかったので、正直なところかなり驚いた。VAIO Zシリーズはモバイルノートなので、これはなかなか凄いことだ。

 そのほか、この2つのGPUは、どちらも動画のハードウェア再生支援機能を搭載している。そこで、Blu-ray Discを使用して1080Pの動画を再生してみた。結果は、CPUの使用率がIntel HD Graphics使用時には20%前後、NVIDIA GeForce GT 330M使用時には15%前後であった。また、YouTubeの720Pの動画を再生した場合には、Intel HD Graphics使用時には25%前後、NVIDIA GeForce GT 330M使用時にはBlu-ray Discのときと変わらず15%前後という結果となった。この結果だけ見ると大した差ではないわけだが、実際には1080Pの動画を再生しているときに、再生画面を動かしたり大きさを変更したりしたときに、NVIDIA GeForce GT 330Mを使用しているときのほうが、スムーズに動作することを確認できた。ゲームだけでなく動画再生においてもNVIDIA GeForce GT 330Mを使用する意味はあるということだ。

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GPUを切り換えるスイッチは「AUTO」と「SPEED」と「STAMINA」をワンタッチで切り替えられるように三角形のスイッチになっている。通常は、GPUが自動で切り替わるAUTOで使っていれば良いだろう GPUを切り換える際には、このような警告ウィンドウが表示される。これは、NVIDIA GeForce GT 330Mから、Intel HD Graphicsに切り替えたときに表示された内容。表示は切ることもできる こちらは、Intel HD Graphicsから、NVIDIA GeForce GT 330Mに切り替えたときに表示された内容。GPUの切り替えはOSの省電力モードの状態とも連動しており、同時に電源設定の内容も切り替わる
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GPUの情報を表示できる、TechPowerUp GPU-Zを使用してGPUの情報を表示した。あまり情報は表示されなかったが、これがIntel HD Graphicsの内容だ こちらは、NVIDIA GeForce GT 330Mの情報。このGPUは、NVIDIAのノート向けGPUの中ではミドルレンジに位置するGPUで、DirectX 10.1に対応する。モバイルノートにとっては十分な性能のGPUである CPUとGPUがかなりの熱を出すのでVAIO Zシリーズは放熱性能も強化されている。左が旧VAIO Zシリーズの放熱ファンで、右が今回のVAIO Zシリーズのもの。新型ではファンの羽が上下に2重になっていて風量が増えている

(3)システム全体の速度を向上するクアッドSSDとデュアルSSD

 VAIO Zシリーズの最大の特徴と言えるのが、複数SSDの搭載によるストレージ機能の高速化だ。店頭販売モデルでさえ、64GBのSSDを2台搭載しており、RAID 0によって高速化が図られている。さらにVAIOオーナーメードモデルでは、SSDを4つ搭載したクアッドSSD構成にすることも可能だ。試用したVAIO Zシリーズは、64GBのSSDを4台搭載するクアッドSSD構成になっており、その速度は普通に使っているだけで「これは速い」と体感できるほど速かった。実際、どれくらいの速さなのか、ストレージの転送速度を計測できるCrystalDiskMark 2.2.0でSSDの転送速度を計測してみた。

 結果は、連続読み出しが503.5MB/秒、連続書き込みが373.1MB/秒、512KBのランダム読み出しが410.6MB/秒、同ランダム書き込みが357.1MB/秒であった。現在、デスクトップパソコン用のもっとも高速なHDDでも、連続読み出しの速度はせいぜい150MB/秒程度である。ランダム読み出しなら速くても60MB/秒程度だ。VAIO Zシリーズはそれらと比べると、連続読み出しで約3.3倍、ランダム読み出しで約6.8倍も高速ということになる。実際に使用してみて、その速さをとくに体感できたのがzipファイルの展開速度だ。20MB程度のzipファイルなら、一瞬で展開が完了する。10MB程度のファイルなら、処理の経過を示す処理バーが表示されないほど速い。

 現在のパソコンを構成するパーツの中では、HDDなどのストレージの転送速度だけが桁違いに遅い。もちろん、その部分がパソコン全体の速度のボトルネックになっているわけで、ストレージの速度を高速化することは、パソコン全体の速度の高速化につながる。VAIO Zシリーズでは、SSDをRAIO 0構成にすることで、システム全体の高速化を行っているわけだ。このことは、VAIO Zシリーズのあらゆる部分に表れている。たとえば、エクスプローラーの表示やInternet Explorerの動作が大変キビキビしており、アプリケーションの起動や操作でほとんど待たされることはない。ただ高速なCPUを搭載しただけでは、これほど全体的に速くなることはない。

 また、VAIO Zシリーズはモバイルノートなので、SSDを使うことで軽量化や低消費電力を実現でき、さらに衝撃に強くなるということも大きなメリットとなっている。

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VAIO Zシリーズが搭載しているSSD。これ1枚で、2台のSSDとして動作する。クアッドSSDの場合は、このモジュールを2枚搭載している。なお、RAID機能はチップセットのIntel HM57の機能を利用している 試用したVAIO Zシリーズでは、64GB(認識容量は61GB)のSSDが4台搭載されており、チップセットのRAID機能でRAID 0が構成されていた。総容量は256GB(認識容量は244GB)と、十分な容量だ ストレージの転送速度を計測できるCrystalDiskMark 2.2.0で、SSDの速度を計測した。結果は、HDDはもちろん、一般的なSSDをも大きく上回る速度を記録した。さすがクアッドSSDだ

4.1,920×1,080ドットの広い画面解像度

 VAIO Zシリーズが搭載する13.1型のワイド液晶は、店頭販売モデルでも1,600×900ドットの広い解像度が特徴となっており、VAIOオーナーメードモデルなら1,920×1,080ドットもの解像度を選択できる。さすがにこれだけの解像度があると、画面が狭いということはまったくなく快適に利用できる。仕事はもちろん、Blu-ray Discで動画を見たい場合にも、ドット・バイ・ドットでの高精細な表示が可能だ。

 また、液晶パネルには、ノートとしては珍しいNTSC比100%の高い色再現性を持つものを搭載しており、さらに写真を扱う場合などに重要になるAdobe RGBカバー率も96%を実現している。カメラマンや、デザイナーの仕事用ノートとして使えるだけの高い表示性能を持っているわけだ。

 繰り返しになるが、VAIO Zシリーズはモバイルノートである。デスクトップパソコンと変わらない画面作業領域に、高色再現液晶を搭載し、今までモバイルノートではできないと思われていたことを、すんなり実現してくれている。今まで、仕方なく大型のノートを持ち歩いていた人は多いと思う。そんな人には、とくにうれしい製品だ。

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VAIO 液晶は、13.1型のワイド。解像度は1,920×1,080ドットで、アスペクト比は液晶テレビなどと同じ16:9だ。液晶の表面には、従来のVAIO Zシリーズよりも傷に強いコーティングを施してある 1,920×1,080ドットの画面は、モバイルノートとは思えない広大な作業領域を提供してくれる。ちなみに、画面の上に出ているのは、VAIO Gateというランチャーソフトで、マウスを画面の上に持っていくと出てくる 画面サイズに対して解像度がかなり高いので、文字が小さくて見にくくなるのではないかと思っていたが、標準で文字サイズを大きくしてあるため、視認性にとくに問題はなかった

やっぱりカッコイイVAIO Zシリーズ

 VAIOシリーズは、シリーズ全体で統一されたデザイン性の高さを維持しており、それが特徴にもなっている。この新型VAIO Zシリーズも、どこから見てもVAIOらしいデザインのモバイルノートである。そんなVAIO Zシリーズのデザインを一言で言うなら、上質なスマートさを感じることができる大人のモバイルノートといったところか。大変所有欲を満足させてくれるデザインに仕上がっている。

 VAIOシリーズの、とくに上位モデルでは、最先端の素材を活用したユニークな本体構造も特徴の1つとなっている。素材や構造というのは、モバイルノートの堅牢性と軽さなどを実現するための、縁の下の力持ちのような部分なので、多くの人はあまり気にしない部分だと思う。しかし、ちょっとマニアックな部分ではあるが、筆者はVAIOシリーズの新製品が出るたびに、今度はどんな新しいことをやっているのかということを、ひそかに楽しみにしている。そんな人も、実は多いのではないだろうか。

 さて、今回のVAIO Zシリーズシリーズだが、まったく新しい構造として「シリンダー一体型パームレスト」というものを採用している。また、他モデルで実績のある技術をVAIO Zシリーズに転用している部分もある。構造やデザインなどについて、まとめて紹介していこう。

1.アルミニウムの1枚板を押し出し成型したシリンダー一体型パームレスト

 最近のVAIOシリーズは、液晶のヒンジ部分が丸い「シリンダーデザイン」を採用している。そのシリンダーデザインだが、通常は丸いシリンダー部分が、キーボード面とは別パーツとなっている。ところが、新型のVAIO Zシリーズでは、シリンダー部分とキーボード面を一体にしてきた。これを、「シリンダー一体型パームレスト」と呼ぶ。だから何だ?と思われるかもしれないが、2つだったパーツが1つになった結果、より堅牢性が増し、より軽量化が可能になったのだ。

 シリンダー一体型パームレストは、まずアルミニウムの板を押し出し成型し、その後にヒンジ部分やキーボードの穴などを削って作成している。こちらも、だから何だ?と思われてしまいそうだが、少しの堅牢性向上や軽量化のために、こんなことをやっているノートパソコンは見たことがないわけで、それはやっぱり純粋に凄いと思ってしまうわけである。VAIO Zシリーズの薄さや軽さは、こういった少しずつの積み重ねで実現されているのだ。

 また、このシリンダー一体型パームレストでは、せっかくヒンジ部分とキーボード面を一体にしたのに、パームレスト部分だけは別パーツとなっている。具体的には、パームレストの盛り上がっている部分なのだが、この中には無線LANのアンテナとFeliCaユニットが入っている。FeliCaの電波は金属を通りにくいので、その部分だけは樹脂製にしなければならないのだ。そこで、FeliCa部分をただ樹脂にするのではなく、そこにデザイン性を持たせた。横から見たときに薄く見えるように、また手が触れる部分の触り心地を向上するといった工夫を施したのが、この盛り上がっているパームレストというわけだ。

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上に見えるのが削りだし前のアルミ。下が、加工後のアルミニウム板。パームレスト部分には無線LANのアンテナや、FeliCaユニットが入り、その上に樹脂製のパームレストが乗る。一体部分を多くすることで堅牢性と軽量化を図っている 完成後の本体を横から見てみると、ヒンジ部分とキーボード面が1つのパーツで構成されていることを確認できる。このような構造を採用するノートはめずらしい パームレストは別パーツになっており、キーボード面から少し盛り上がっている。この裏には無線LANのアンテナと、右のほうにはFeliCaユニットが入っている。手触りも絶妙で気持ちいい

2.ハイブリッドカーボンで堅牢性と軽量化を両立

 VAIO Zシリーズの天板には、VAIO Xシリーズで実績がある「ハイブリッドカーボン」を採用している。さらに、天板内部には特殊素材のシートが入っており、堅牢性と軽量化という相反する性質を両立している。

 なお、VAIO Zシリーズの天板の色・デザインは、店頭販売モデルではシルバーのみだが、VAIOオーナーメードモデルでは6種類から選ぶことができる。カーボン柄を活かしたプレミアムカーボンや、華やかなメタルシールドなど、かなり多彩なので、より個性的なVAIO Zシリーズにすることが可能だ。こういう部分も、やっぱりVAIOらしい。

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オーソドックスなブラック カーボン柄がスタイリッシュなプレミアムカーボン 光沢のあるカーボン柄であるグロッシープレミアムカーボン
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VAIO 頭販売モデルの標準カラーであるシルバー 小さな三角形と六角形の模様が入ったメタルシールド 個性的な模様が特徴のメタルモザイク

3.極限まで軽量化を行った軽量光学ドライブ

 今回のVAIO Zシリーズは、従来のVAIO Zシリーズよりも、さらに軽量化を行った軽量光学ドライブを採用している。VAIO Zシリーズでは、店頭販売モデルではDVDスーパーマルチドライブ、VAIOオーナーメードモデルでは書き込みも可能なBlu-ray Discドライブを選択できる。そのどちらの場合でも、1つ1つの部品にまで軽量化を施した、軽量光学ドライブが採用されている。従来からそうなのだが、いくらでも汎用品がある光学ドライブにまで汎用品を使わないところが、さすがVAIO Zシリーズである。

4.照度センサーとバックライト付きキーボード

 VAIO Zシリーズを試用し始めてすぐに気付いたのだが、今度のVAIO Zシリーズは、VAIOオーナーメードのCTOでバックライト付きキーボードを選択することができる。筆者は暗い所でノートを使うことが多いので、この機能はうれしい。明る過ぎて眩しいということはなく、落ち着いた光り方をするので目にもやさしい。キーボードのバックライトの制御は、キーボードの上部にある照度センサーによって自動で行われる。この照度センサーは、液晶の輝度を調整するためにも使われており、明るいところでVAIO Zシリーズを使うと、自動で画面が明るくなり、逆に暗い所で使うと画面も暗くなる。

 照度センサーの反応はおだやかで、たとえば手を動かしたときの影に反応するということはない。そのため、画面の輝度が頻繁に変わるようなことはなく、周囲の明るさに合わせてかなり的確に反応してくれる。

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Num LockやCapsLockのLEDインジケーターの左に見える丸いものが、照度センサーだ。周囲の明るさ検知して、自動で液晶の輝度を調整したり、キーボードのバックライトをONにしたりする 周囲の明るさがキートップの文字が見えない程度まで暗くなると、自動でキートップが光る。上品な光り方をするので、直視しても目に残ることはなく、使いやすい

モバイルノートの一番を狙えるとてつもなく速いモバイルノート

 VAIO Zシリーズについて、その特徴を中心に紹介してきたが、いかがだっただろうか。特徴だけで、これだけの量があるということが、VAIO Zシリーズがほかのモバイルノートとはまったく違う製品であるということを良く表わしている。

 VAIO Zシリーズは、とにかく速い。CPUも、ストレージも、GPUも速く、処理性能で不足を感じることは、まずないだろう。そして、1,920×1,080ドットの広い画面や、バックライト付きキーボード、NTTドコモのFOMA HIGH-SPEEDへの対応や、WiMAXへの対応など、とくに仕事での使いやすさは特筆に値するものだ。

 これだけの性能と機能を、ほぼA4コピー用紙サイズで実現し、さらに最軽量の構成なら約1.35kgの軽さに収めているのは、本当に凄い。店頭販売モデルで、約7.5時間、どのような構成にしても約6.5時間以上動作するバッテリー駆動時間も、この性能なら十分に長いと言える。

 VAIO Zシリーズは、遅いモバイルノートでは我慢できない、モバイルノートに速さを求める人に最適な、とてつもなく速いモバイルノートである。

(Reported by 小林輪)
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