24型ワイドのフルHD液晶を搭載した「Lシリーズ」

 “スタイリッシュ”というイメージそのままのVAIO 「Lシリーズ」。液晶ディスプレイにPC本体が組み込まれたソニーの「ボードPC」ラインアップのひとつです。

 「Lシリーズ」自体は、インテリアにこだわったリビングなどでもなじみやすいスマートなデスクトップPCとして2006年の登場以来続くシリーズです。額縁のデザインはブラックになり、以前にも増して「液晶テレビ」に近い外観へチェンジ。よりAV機器としてのイメージが強くなりました。

 ソニーのボードPCは、そのラインナップで液晶ディスプレイの大きさが決まっている点も特長のひとつで、このVAIO 「Lシリーズ」の画面には16:9のフルHD解像度(1,920×1,080ドット)の24型ワイド液晶「VAIOディスプレイプラス」を搭載。ワイヤレスのキーボードとマウス、リモコンでの操作が可能です。
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インテリアにこだわったリビングでも浮かない、スタイリッシュなVAIO 「Lシリーズ」 ボディのカラーは基本的にブラックの額縁を持つ大型液晶テレビ風のデザイン。台座のループ部分にカラーバリエーションがあり、店頭販売モデルでは「シルバー」と「ブラウン」、さらにVAIOオーナーメードモデルには「ブラック(限定カラー)」があります 画面右上に電源ボタン「DISPLAY OFF」機能を搭載。PCモードで使用している場合は映像のみオフにすることが可能。テレビ感覚で使えます
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画面の上中央には「MOTION EYE」を搭載。MSNメッセンジャーやSkypeなどチャットソフトで活用できます 画面の右側面はブルーレイディスクドライブを搭載。 画面の左側面は手元で使いたいスロット類を装備。SDカードスロットやメモリースティックスロットも搭載し、映像や画像も扱いやすくなっています
 実際にVAIO 「Lシリーズ」の24型ワイド画面を目の前にすると、かなりの大きさに感じました。もちろん42型ワイドなどの大型液晶テレビと比べれば小さくはありますが、あまり近くに寄らない液晶テレビとは違って、ある程度近づいて作業する必要があるPCディスプレイは、逆にあまり大きすぎても使いづらくなるもの。個人的には、机の上に置くサイズとしてはこれ以上大きいと一度に視界に入らなくなる感覚もあり、なるほどよく考えられたサイズだなと感じました。

 このサイズがあればワンルームや一人部屋ならテレビとしても十分ですから、普段はフルHD液晶テレビとして使用し、必要なときにPCの機能を使うという使い方でもまったく違和感がありません。さらに、たとえばリビングに置いて普段は家族用のPCとして使い、サブのテレビとして使うという使い方も便利。HDMI/ビデオ入力端子も装備していますから、PS3などのゲーム用ディスプレイと兼ねる使い方にも向いています。

 店頭販売モデルはテレビ放送のデジタルチューナーとブルーレイディスクドライブを搭載したタイプのみですが、ソニースタイルでカスタマイズできるバージョンには、チューナーなどを除いたPCとして使えるベーススペックのモデルは119,800円から。ここにどれだけPCの快適さやAV機能を求めるかによって、CTOでお好み機能を追加していけます。
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HDMIのインプットやアンテナのケーブルなどAV機器としての接続端子は画面の背面に。この面だけなら液晶テレビにしか見えません 画面の下の部分に5.5W+5.5Wの大容量スピーカーを搭載。「Dolby Home Theater v3」も採用し音に迫力があります
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コンパクトなブラックのキーボードとマウスはワイヤレス。リモコンも付属します。マウスは本体カラーにあわせたカラーのものが付属 本体が組み込まれているのに液晶テレビ並の薄さ。本体後ろで角度を6°から30°まで調整でき、テレビとして使うときは立てて、PCとして使うときは少し倒してと使い分けられます

地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタルチューナーの3波にダブルチューナーで対応

 VAIO 「Lシリーズ」の大きな特長が、地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル対応の3波チューナーを2つ搭載していること。録画したい番組の時間帯が重なっても複数を同時に録画できて安心です。ソニースタイルのVAIOオーナーメードモデルではHDDに2TBを搭載するモデルも選択できますし、ファイル圧縮専用ハードウェア「VAIO AVC トランスコーダー」と合わせ、ソニーの“おまかせ・ まる録”機能でHDDレコーダーとしてフル活用できます。

 個人的にはここ数年テレビ番組の録画にHDDレコーダーを使っていますが、ハイビジョン放送された番組の保存はすっかりあきらめていました。HDDレコーダーを導入したのは比較的早かったのですが、その分ブルーレイディスクドライブへ乗り換えるタイミングをつかみ損ね、かといってハイビジョン放送の番組をDVDに分割して保存するのも面倒……。次世代に買い替えるのは規格が落ち着いてから、と先延ばしにしているうちに、不運にもそのHDDレコーダーが壊れてしまい、数年間録り貯めた番組がまるごと消失。ディスクに保存しておかなかったことを心から悔やんだのですが、もう後の祭りでした。

 そこまでして最近やっと買い換えを決心したのですが、いざブルーレイディスクドライブ搭載のAV機器を買おうと思っても、やはり高価な買い物だけに迷うもの。せっかく買うならできればYouTubeなどのネット放送も大画面で見たいし、ある程度将来的な拡張性も確保しておきたいところです。そう考えていくと、VAIO 「Lシリーズ」がなかなかお買い得なアイテムに見えてきました。

 数年前に検討したころは、PCでのテレビ録画がまだ多少ハードルが高かったのですが、今回VAIO 「Lシリーズ」を使ってみて、ほとんどAV機器と同様に使える簡単さと機能の充実ぶりにおどろきました。とくに、ソニーオリジナルのテレビ視聴・録画ソフトウェア「Giga Pocket Digital」が便利で、電子番組表をクリックしていくだけで録画設定できますし、ダイジェスト再生や、PSPへの書き出しにも対応しています。

 映像もソニーならではのこだわりで、高画質エンジン「Motion Reality HD」を搭載。動きの速いスポーツやブルーレイディスクの映像もなめらかに表現します。そして、HDD録画をはじめると、いくらあってもすぐ足りなくなるHDDへの録画を「VAIO AVC トランスコーダー」で画質劣化を抑えつつ映像を高圧縮し、ハイビジョン画質のまま長時間録画できる点がとくに魅力。この機能を使わない場合に比べて同じHDD容量でも地上デジタル放送で約3倍、BSデジタル放送なら約4倍の保存が可能で、いつも「容量オーバーで録画ができなくなるからHDDから早く消さなくては」と追い立てられている自分にとってはかなり惹かれる機能です。

 また、CPUも店頭モデルはインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー E7500(2.93GHz)を搭載し、VAIOオーナーメードモデルならインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー E7500よりさらに高性能のインテル® Core™ 2 Quad プロセッサー Q9550Sまで選択可能。写真や動画を扱うとどうしてもCPUのパワーを使いますが、これならスピードも確保でき、ストレスなく使えます。
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VAIO 「Lシリーズ」の「Giga Pocket Digital」で表示した番組表。日付別やチャンネル別の表示も可能です 普段から気になる内容を「おまかせ・まる録」機能で録画条件に設定しておけば、録り忘れも防げます 「Lシリーズ」は、実は24型ワイドの“ボードPC”として使うだけなら119,800円からと買いやすい価格。録画やCPUスピードなど条件を加えていきます

リビングPCにはWindows 7の「マルチタッチ」がむしろ実用的

 AV機器として、充実の機能を搭載しているVAIO 「Lシリーズ」ですが、実際にPCとして使ってみた場合も「なるほど」と思うことがいくつかありました。ひとつはこの新モデルに搭載されているOSの「Windows 7」との相性のよさです。

 Windows 7の大きな特長に、Aeroの機能強化があります。たとえば複数のウィンドウを開いていても一気に透明にしてデスクトップ上にアクセスしやすくする「Aeroプレビュー」や、指定した画面以外を一気に最小化する「Aeroシェイク」、画面にフィットさせる「スナップ」などがありますが、大画面で使用しているとウィンドウが多くなりがちで、この新機能は現実的に便利。

 また、Windows 7の注目機能としてよく紹介されている「マルチタッチ」も画像や映像に強く、大画面のVAIO 「Lシリーズ」にぴったりです。このレビューのために自宅のリビングに機材を設置していた際、ちょうど知り合いのお子さんが遊びに来ていたのですが、3歳の女の子が自然にマルチタッチを使って操作しているのにおどろかされました。

 最初、正直言うと「これだけ画面が大きくても、小さい部分はやはりマウスでカーソル操作しないと使いにくいな」と感じていたのですが、知り合いのお子さんが画面をスクロールさせたり、指2本を使って拡大・縮小などの作業にすぐ慣れていっている様子に感心してしまいました。

 個人的にはマルチタッチができると言われて、全部をマルチタッチで操作しようとしてしまっていましたが、子どもがやっていたように大きな画面の移動や簡単なソフトの起動、ブラウザーや画像の閲覧など、マルチタッチに向いているものだけ指で操作すればいいんだと思い直し、普段はマウスやキーボードと併用するという使い方に落ち着きました。
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リビングPCとしてマルチタッチを多用すると画面の汚れが気になりますが、専用のクリーニングクロスも付属しています 解像度はFull HD。1,920×1,080ドット、24型ワイドのデスクトップ。光学式タッチパネルを搭載したモデルなら、上部のランチャー「VAIO Gate」はソフトを指でも起動しやすいしくみです 3歳児が迷わずマルチタッチ。先入観がない分、自然に操作していておどろきました
 そして、このWindows 7搭載のVAIO 「Lシリーズ」をリビングに置いて使っていると、だんだんと液晶テレビとして使う時間が長くなり、画面の前にキーボードがあることに多少違和感を感じるようになりました。そのため、普段はほとんどマウスだけで操作し、キーボードは机の中や画面の後ろにしまうことも多い状態に。そして、そのマウスよりもさらに簡単な作業で済むことは、マルチタッチでさらにラクして作業します。ばりばり仕事で使っていたときにはあまり感じなかったのですが、テーブルの上でマルチタッチを使っていると、リビングPCには本当に向いている機能だなと感じました。

 家族で複数のマシンを所有している場合、Windows 7の「ホームグループ」機能で共有しやすくなりましたし、テレビやコンポなどのDLNAに対応した機器(Windows 7ロゴを取得したもの)では「リモート再生」機能も使えますので、VAIO 「Lシリーズ」に録画した映像を離れた場所から視聴できます。家庭内のより大画面の液晶で映画を見たり、より音響にこだわるといった使い方も可能です。さらに、Windows Live IDを使用して、外出先からパソコン内のデータにアクセスして音楽再生や写真の表示が行えます。

 VAIO 「Lシリーズ」は、得意としている機能が一般的なPCとは多少異なるため、どう便利なのかがなかなかイメージしづらいところがあります。個人的にもPCとしては初心者向けなのかと勝手にイメージしていたのですが、実際に使ってみるとむしろPCに詳しい人がかなり活用できるモデル。ダブルチューナー付きの液晶テレビ、高性能PC、そしてHDD&ブルーレイディスクドライブと、機能を考えていくとむしろ価格的にはお得に感じました。複数の機材購入を検討している方なら、ぜひ一度、ソニースタイルで使いたい機能をシュミレーションして価格をチェックしてみてはどうでしょう。 後編では、さらに写真やムービーなどの使いこなしに注目してご紹介します。 (Reported by 西村敦子)
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