【スペシャルレビュー】 VAIO 2009年夏モデル第4弾

ついに、と言うべきか。ソニーからVAIOの名を冠したネットブック「Wシリーズ」が発表された。今回、早速実機を借りることができたので、ソニー流ネットブックの仕上がりを見ていきたい。

なお、発売前のテスト機での検証であることをあらかじめお断りしておく。

高解像度 WXGA(1366×768ドット)ディスプレイ採用で作業性を確保

VAIO Wシリーズ
1366×768ドットの解像度
今回発表された「VAIO Wシリーズ」(※本モデルからVAIOの機種名は「type ~」から「~シリーズ」へと変更・統一されることになった)は、プラットホームにインテル(R) Atom(TM) プロセッサーとインテル(R) 945GSE Expressチップセットの組み合わせを採用し、OSとしてWindows XP Home Edition with Service Pack 3 32ビット正規版を搭載した、いわゆる「ネットブック」である。

この「Wシリーズ」、ネットブックとして特筆すべき点は液晶ディスプレイで、WXGA(1366×768ドット)の10.1型ワイド液晶(16:9)を採用している。

これまでのネットブックは価格を低く維持するため、スペックに種々の制限がかけられていた。その最たる例がディスプレイであり、各社で主に採用されてきた1024×600ドットもしくは1024×576ドットという解像度のディスプレイが、ユーザーエクスペリエンスを阻害する要因になってきたことは間違いない。「Wシリーズ」は、比較的解像度の高いディスプレイを採用することで、「これだからネットブックは使いにくい」と言われる原因のひとつをクリアできたといえる。

実際に使ってみるとわかるが、なによりも縦解像度の768ドットがありがたい。近年のOSやアプリケーション、Webサイトなどの各種インターフェースは、縦解像度768ドットをおおまかな基準(というより、必須環境)として作成してあることが多く、ネットブックで標準的な縦解像度600ドットでは、アプリケーションを扱うにも、あるいはWebサイトを閲覧するにも、あきらかに不便な場面が多かった。しかし768ドットあれば、たいていの場面で支障を感じなくなる。また、横解像度1366ドットは、Webブラウザーを標準的なWebサイトの横幅(約900~1000px)にあわせて開いても、300ドット以上の余裕ができる。この部分にサブ的なウィンドウ(今だったらTwitterクライアントなどだろうか)を立ち上げておくことが可能で、使い勝手の向上に一役買っていると言えるだろう。

丸みを帯びた親しみやすいデザイン

全体に丸みをおびており、親しみがわくフォルム。家族や知人への贈り物、あるいは入学祝いなどとしても喜ばれそうだ
「Wシリーズ」のボディは、天板をはじめ全体的にラウンド型にシェイプされている。尖った箇所はほとんどなく、手で持ったときにはしっくりと優しい感触で、持ちやすい。ディスプレイを閉じてちょこんと置くと、なかなかかわいらしい。

天板カラーはホワイト・ピンク・ブラウンの3色が用意されている(ブラウンはVAIOオーナーメードモデルのCTOのみで選択可能)。塗装仕上げとなっており、今回借りたブラウンに関していえば、非常に落ち着いた色合いで、高級感がある。

キーボードはアイソレーション型で、キーピッチは十分に確保されており、打鍵感も適度で打ちやすい。タッチパッドも十分なサイズが確保されているため、ポインタのオペレーションに不都合はない。パームレストはシボ感のある独特の加工が施されており、手の皮脂でベタつくことがないのが好印象だ。

キーピッチ約16.5mm、キーストロークは約1.2mmのキーボード。タッチパッドも十分なサイズ 細かいシボのような表面加工がほどこされており、サラサラと手触りがよい 「type P」と並べてみたところ。キーボードはほぼ同一サイズだが、パームレストがあるぶん、「Wシリーズ」のほうが打ちやすい印象

インテル(R) Atom(TM) N280 1.66GHz、2.5インチ160GB HDDを搭載。メモリーは1GB固定、だが…

CrystalDiskMarkで内蔵HDDのベンチマークをとってみた。2.5インチだけあり、速度はなかなか
標準のSバッテリーで約3.5時間駆動が可能
スペック面では、CPUに1.66GHz駆動のAtom N280を搭載。ストレージは容量160GBの2.5インチHDDを採用しており、容量面での不安感は少ない。メモリーは、店頭販売モデル、VAIOオーナーメードともに1GB固定となっているが、オンボードではなくスロット式で装着されているようだ。

本体重量は、本体付属のSバッテリー装着時で約1.19kg。10.1インチのネットブックとしてはやや軽い部類に入るだろうか。バッテリー駆動時間は、同じくSバッテリー装着でメーカー公称約3.5時間となっている。ちなみに、より大容量の別売Lバッテリーも発売予定だ。

無線LANはIEEE 802.11b/g/n(ドラフト)に対応。メモリーカードスロットはメモリースティック Duo用とSD/MMCカード用の2スロットを装備。そのほか、USBポート×2、10BASE-T/100BASE-TX対応有線LAN、内蔵Bluetooth(2.1+EDR準拠)、Webカメラなど、押さえるべきところを押さえている印象だ。

前面にはワイヤレスON/OFFスイッチと、2種類のメモリーカードスロットを装備 左側面には電源コネクター、ミニD-sub 15ピン、ヘッドホン出力とマイク入力。冷却ファンもこちら側 右側面にはUSBポート×2と、有線LANコネクター

「ネットブックだから」の妥協を着実に取り去った「Wシリーズ」

「Wシリーズ」の登場により、「Wシリーズ」と「type P」というふたつのラインがソニーの低価格ミニノートラインアップに並んだわけだが、「type P」が尖った仕様を追求したがゆえの「ピーキーさ」を内包しているのにくらべ、「Wシリーズ」は徹頭徹尾、「誰にでも買いやすい、使いやすい」ミニノートを目指していることがうかがえる。

オプションとして発売予定のケースに収納してみたところ。こちらもやわらかく、かわいらしいデザイン
上でも述べたように、「Wシリーズ」は1366×768ドットのディスプレイを採用したことにより、これまでのネットブックにみられた不便さを取り除いている。そのほかにも、万人に使いやすいユーザーインターフェースや、親しみやすいボディデザインなど、普段使いミニノートとしての魅力を大いに備えている。もちろん、CPUなどの性能はあくまで「それなり」なので、マルチメディア処理など重い作業はキツいが、インターネットの閲覧程度の作業であれば、ほとんど困ることはない。

「Wシリーズ」の存在は、ソニーがネットブックに参入したという事実も含め、ネットブックというジャンルが次のステップに進みつつあることを示している。ネットブックの最先端を感じられる「Wシリーズ」、機会があれば是非さわってみてほしい。

[sonyfan編集部]

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