【スペシャルレビュー】 VAIO 2009年夏モデル第2弾

VAIO夏の陣!
さらに強力にスペックアップした
ハイエンドモバイルの両雄
「type Z」 & 「type T」を
徹底比較!!

 ソニーは、5月26日、パーソナルコンピューター「VAIO」2009年夏モデルの第2弾を発表した。今回はその中から、モバイルモデルとして人気の2モデル「type Z」と「type T」をとりあげ、パワーアップポイントなどをチェックしていこう。(平澤寿康)

VAIOオーナーメードモデルでカスタマイズを強化

VAIO 「type Z」
VAIO 「type T」
type Z「ボルドー」
type T「コスミックブルー」
「type Z」プレミアムデザイン「ドットマトリックス」
「type Z」プレミアムデザイン「カレイドスコープ」

先日も紹介したように、VAIO 2009年夏モデルでは、搭載メモリーが大幅増量されたり、カラバリがさらに充実されるなど、スペック面はもちろん、見た目でもユーザーの満足度を高めるべく、パワーアップが実現されている。そして、今回2009年夏モデル第2弾として発表された「type Z」および「type T」のVAIOオーナーメードモデルでも、当然その施策が受け継がれている。

まず、選択可能なCPUが、「type Z」、「type T」とも、インテルから発表されたばかりの最新CPUが追加されて、CPUパワーがそれぞれ1ランク底上げされている。追加された最新CPUは、「type Z」では、インテル© Core™ 2 Duo P8800 プロセッサー(2.66GHz)とインテル© Core™ 2 Duo P9700(2.80GHz)、インテル© Core™ 2 Duo T9900 プロセッサー(3.06GHz)の3種類、「type T」ではインテル© Core™ 2 Duo SU9600 プロセッサー(1.60GHz)の1種類。もちろん、従来モデルで上位に位置付けられていたCPUは下位にスライドしているので、CTOの下位スペックにあたるCPUもパワーアップしている。

次に搭載メモリー容量。こちらは、VAIO 2009年夏モデル第1弾の各モデル同様、最大8GBの大容量メモリーが選択可能となった。当然、採用OSはWindows Vistaの64bit版なので、大容量メモリーも全領域がバッチリ利用可能で、32bit OSのような無駄は全く発生しない。当然、これまでのモバイルノートとは別次元の快適さが手に入るのは言うまでもない。

また、HDD容量が最大500GBに増量されているのに加えて、SSD容量も最大512GBへと一気に増量された。モバイルノートとはいえ、ストレージ容量は多ければ多いほど嬉しいもの。しかも、現時点で最大容量のHDD/SSDが搭載可能となったことで、ストレージ容量での不満は一切感じなくなった。

もちろん、カラバリの充実にも手抜かりがない。「type Z」では「ボルドー」、「type T」では「コスミックブルー」の新色が追加された。それぞれ名前の通り、熟成された極上の赤ワインのような深みや、宇宙を想像させる深い青を醸し出していて、とても魅力的なカラーに仕上がっている。

加えて「type Z」では、パームレストのカラーとして、従来のシルバーに加えブラックが選択可能になったほか(天板カラーが「ボルドー」の場合はブラックのみ選択可能)、天板の「プレミアムデザイン」として「ドットマトリックス」と「カレイドスコープ」の2種類の新柄も追加されている。

ドットマトリックスは、シンプルなドットパターンを並べたものだが、パターンの組み合わせによって異なるパターンが浮かび上がるという、視覚的な錯覚を生み出すデザインだ。またカレイドスコープは、見る距離によって表面の濃淡が変化して見え、まさに万華鏡のような神秘的な印象を受ける。

ここまで見て、従来モデルから思ったほどの変化がないな、と感じたあなた。そう感じるのはまだ早い。実は、「type Z」、「type T」とも、さらなる強化が実現されている。そこで、各機種ごとに、その強化点を見ていくことにしよう。

モバイルノートとして異次元のパワーを手に入れた「type Z」

特徴であるVGAの切り替え機能は健在。モバイルPCとしての使い勝手を維持しつつ、いざとなれば性能を極限まで高められる
PCMark Vantage 64bit スコア
PCMark Results 5588
Memories Suite 3108
TV and Movies Suite 3150
Gaming Suite 5991
Music Suite 4886
Communication Suite 5761
Productivity Suite 7468
HDD Test Suite 16939
ベンチマークのスコアも圧倒的だ
新型のSSDは特にシーケンシャルリードにおいて大きくスピードアップを果たしている

「type Z」の強化点として、特に注目したいのが、CPUとSSDだ。

まずCPUだが、最上位のCTOとして追加された、インテル© Core™ 2 Duo T9900 プロセッサー。このCPUは、動作クロックがなんと3.06GHz。モバイルノートとしては驚異的な、3GHzオーバーをついに実現してしまったのである。ここまで来ると、ライバルとなるモバイルノートはもちろんのこと、持ち運びをあまり考慮していない大型ノートパソコンやデスクトップパソコンと比較しても、パフォーマンス的な見劣りは全く感じない。

また、従来モデル同様、チップセット内蔵グラフィック機能に加えて、外部GPUとしてNVIDIA GeForce 9300M GS(専用ビデオメモリー256MBまたは128MB)も搭載されるため、3D描画能力にも優れる。

優れたCPUパワーに3D描画能力、加えて最大8GBの大容量搭載メモリーで、ビジネス系アプリケーションはもちろんのこと、処理の重いグラフィック系アプリケーションや、3D描画のゲームなども、モバイルノートとは思えないほどサクサク動作する。

次にSSD。さきほども紹介したように、SSD容量は最大512GBに増量となった。これは、従来モデルと同様に、2台のSSDをRAID 0構成で動作させることで実現している。つまり、容量256GBのSSDを2台搭載しているというわけだ。

しかも、単なる容量増ではない。実は、SSD単体の速度も向上しているのだ。当然、RAID 0構成時では、より顕著な速度向上が実現されることになる。

従来モデルでの128GB SSD2台のRAID 0構成時の速度は、こちらのレビューにもあるように、シーケンシャルリード177.7MB/秒、シーケンシャルライト161.4MB/秒だった(CrystalDiskMark 2.1の結果)。それに対し、2009年夏モデルの256MB SSD2台のRAID 0構成時ではシーケンシャルリード297MB/秒、シーケンシャルライト166.4MB/秒と、シーケンシャルライト速度こそほぼ同等の速度だが、シーケンシャルリードは大幅な速度向上を確認(CrystalDiskMark 2.2.0の結果)。従来モデルの、SSD RAID 0構成でのSSDアクセス速度も驚異的だったが、単体でより高速なSSDをRAID 0構成で動作させているのだから、もはやSSDの速度では敵なしだ。

3GHzオーバーのCPUパワー、最大8GBの搭載メモリー、他を圧倒する超高速なSSD速度と、はっきり言ってスペック面はモバイルノートの範疇外。異次元のパフォーマンスを実現した、文字通りプレミアムモバイルへと進化しているのだ。

フルセグ地デジチューナーを搭載した「type T」

リモコンが付属。受光部をUSBに接続して使用する
コネクターにアダプターを装着し、そこからF型接線につなげる
本体の右側面部に地デジ用のコネクターを装備
本来ドライブが存在する場所には、B-CASカードスロット。カバーを外すことで露出する

「type T」の強化点も、「type Z」同様、CPUのパワーアップ、搭載メモリー容量の増量、HDD/SSD容量の増量を実現。CPUは、超低電圧版インテル© Core™ 2 Duoのため、「type Z」に比べると動作クロックは劣っているが、それでも、インテル© Core™ 2 Duo SU9600 プロセッサー採用で動作クロックが1.60GHzに向上したことで、パフォーマンスアップ。SSDは、「type Z」と同様に、256GBの高速SSDを2台搭載したRAID 0構成が選択できるようになり、従来モデルよりも容量だけでなく速度も向上している。

ところで、従来モデルでは、ワンセグチューナーが搭載でき、外出先でのテレビ視聴や録画が楽しめた。しかし、ワンセグは画質がイマイチだから、ちょっと悲しい。そう思っていたあなたに朗報だ。2009年夏モデルでは、ワンセグチューナーに加えて、ついにフルセグ地デジチューナーも選択できるようになった。これが、「type T」 2009年夏モデルの最大の特徴となる。

フルセグ地デジチューナーの搭載で、高画質な地デジ放送を、画質を損なうことなく思う存分楽しめる。もちろん、録画も可能だし、HDMI出力が用意されているので、大画面テレビに接続して地デジ放送を大画面で楽しむことも可能。フルセグの地デジ放送を録画する場合には、ワンセグと違い録画ファイルがかなり大容量となってしまうが、その点も500GBのHDDが搭載可能なので、録画時のHDD容量にも不安がない。

ちなみに、「type T」のフルセグ地デジチューナーは、光学式ドライブ(ブルーレイディスクドライブまたはDVDスーパーマルチドライブ)との排他搭載となる。加えて、内蔵ストレージもHDDのみとなってSSDは選択できなくなる。それでも、フルセグ地デジチューナーを内蔵するモバイルノートは他になく、魅力は大きい。

当然、常に持ち歩いてもほとんど苦にならない、コンパクトかつ軽量ボディに変更はない。従来モデルは、世界最小・最軽量のブルーレイディスクドライブ内蔵モバイルノートという新たな価値を実現したが、2009年夏モデルでは、基本性能のパワーアップだけでなく、フルセグ地デジチューナー搭載による新たな魅力が加わり、モバイルノートとしての完成度や魅力が、また一歩向上したと言っていいだろう。

パワー重視の「type Z」、モバイル性とマルチメディア重視の「type T」

今回の夏モデルで、よりそれぞれの特徴がはっきりした「Z」と「T」。しいて言うなら「力のZ、技のT」といったところか →詳細な製品情報を見る

2009年夏モデルの「type Z」および「type T」は、基本的にはスペック面のパワーアップが中心の進化ではあるが、細かな部分を見てみると、単純なスペックアップにとどまらず、新たな価値を実現する、魅力的なパワーアップや機能強化が実現されていることがわかるはずだ。

では、購入時にどちらを選択すればいいのだろう。双方ともモバイル性重視で、異なる魅力が満載されており、はっきり言って、どちらを買うべきかかなり悩んでしまうのも事実だ。とはいえ、基本的な性格は、従来モデルとほぼ同じと考えていい。つまり、ハイスペックノートやデスクトップパソコンに匹敵する優れたパワーを持ち歩いて利用したいなら「type Z」、軽快な操作性を保ちつつ、本体サイズや重量を極限までそぎ落とした、常に持ち歩いて利用する究極のモバイルノートを探している人には「type T」がおすすめとなる。いずれにしても、成熟の度合いを増したハードウェアに、ノートPCとしては間違いなく最速クラスのインテル©製プロセッサーをはじめ、充実のスペックを盛り込んだ両ノートは、まさに今が買い時と言えそうだ。

ちなみに、おすすめは、当然最強CPUに搭載メモリーは最大の8GB、HDD/SSDも最大容量の500GB/512GBで、「type Z」はブルーレイディスクドライブの搭載、「type T」はフルセグ地デジチューナー搭載の構成となるが、当然コスト重視の構成でも魅力が失われることはない。目的に応じてスペックやコストを選択できるのが、VAIOオーナーメードモデルの魅力なので、欲しい機能や予算に合わせ、自分にピッタリの仕様を見つけてもらいたい。

[Reported by 平澤寿康]

製品ラインアップ