時代は変わる。ビデオカメラは小さくなる。
約15年前から家庭用ビデオカメラという製品を見つめ続け、使い続けてきた私。記録媒体としては、Hi-8(懐かしいでしょ)→miniDV→HDD→8インチDVDと遍歴を経てきた。デジカメ同様、ビデオカメラも「小さければ小さいほど良い」「もちろん軽いにも越したことはない」といった流れのもとに進化を遂げてきたが、私的にはちょっと前まで、「大きいビデオカメラと小さいビデオカメラなら、大きいほうが機能も画質も良いはずだ」という考えのもと、同時代の新モデルでも、より大型かつ高価なものを選んできた。
そんな私が今回手にした縦型ハンディカム「HDR-TG5V」。記録媒体は16GB内蔵メモリーとメモリースティックPro Duoで、フルHD撮影可能なビデオカメラとしては現時点での世界最小/最軽量なのだそう。結論から言えば、これまで15年間培ってきたビデオカメラに対する常識を覆されたことは間違いない。あえて「小は大を兼ねるかも!」と言わせていただこう。
まず最初に本機を手に取った瞬間の素直な感想は「デジカメか?」。正直、とてもハイビジョン動画が扱える大きさの機械には見えないのだ。何より驚いたのはボタン類がたったの2つ。今までのビデオカメラといえば、最低でも電源、録画/再生モード切り替えのダイヤル状のもの、メニューボタン、静止画撮影用のシャッターボタン等々、5〜6個以上のパーツがあったものだが。このシンプルなインターフェースならボタン操作に迷うことも少ないだろう。艶消しシルバーのチタンフレームボディはソニーらしい高級感に溢れていてグッドだし、ボディの出っ張りが少ないため、ポケットなどへの出し入れもスムーズだ。
録画/再生ともに、各種設定やメディア管理など、メニュー機能の全てはこのタッチパネル式液晶ディスプレイで行う。液晶が狭いとミスタッチが多くなりがちだったりもするが、実際に使ってみれば、メニュー画面のレイアウトやボタンの配置には余裕があり、かなり指のたくましい方でもOK(笑)、と存じる次第。
「HDR-TG5V」を持ってお花見に行ってみた
さて、本日・日曜日は家族や友人たちとでお花見。外出前に、まずは録画モードの設定を行う。撮影画質はハイビジョン(HD)モードで4段階、標準モード(SD)で3段階の計7段階。今日のところは、内蔵メモリーで約4時間35分の記録が可能なハイビジョン記録のSPモードにセット。 万が一撮りすぎて満杯になってしまった時のために、4GBのメモリースティックPROデュオも準備してある。これで約1時間の追加撮影が可能だ。
ただ、注意すべきはバッテリー駆動時間。フル充電状態からの駆動時間は1時間40分ほどなので、メモリーいっぱいに数時間分撮る場合は、予備バッテリーを準備しておくべきだったのだ。この時点ではそれに思い至らず、せっかくの大容量メモリーも宝の持ち腐れになってしまったのだった。
それはともかく、今はいざ、お花見に出発! カメラ本体とほぼ大きさの変わらない専用キャリングケースに入れて気分もご機嫌だ。
好天に恵まれ、川べりの桜は満開。人出も多く、あちこちに家族連れやグループが敷物で陣取っている。そのほとんどがビデオカメラを持っているが……やっぱり大きいなぁ、コイツと比べると。優越感に浸りつつ、こちらも場所をみつけて宴の開始といきましょう。
乾杯後、さっそく「HDR-TG5V」を取り出す。電源を入れ、まずは頭上の桜を撮影。おなじみCarl Zeiss社製のズームレンズ「バリオ・テッサー」レンズは、光学で10倍までの寄りが可能。最大限ズームしてみると…もう、花が手元にあるかのような距離感。これだけ寄ってもほとんど荒れが目立たないレベルなのには心底感動。改めて静止画モードでも撮ってみた。最大400万画素の静止画機能も、ビデオカメラとしては充分すぎるほどだ。
あまり酔っぱらわないうちにと、あたりを走り回っていた息子を呼びとめ、プチ撮影会。先ほど桜の木を撮った時にも感じたのだが、このカメラ、動画/静止画ともに、全くと言って良いほど手ブレ感がない。これはたぶん基本的な持ち方の問題で、従来のように横から支えるようにして持つカメラと違い、本体全体を握るようにして持つスタイルゆえと推測。本機に搭載された「手ブレ補正機能」もあいまって、非常に安定感のある撮影ができた。
動画を撮ったり、合間に静止画を一枚二枚と撮っていると、どうも人物ばかりで肝心の桜がフレームに入ってこない。そんなこともあろうかと用意してきたのが、オプションの専用ワイコン(広角)レンズ。小さくて可愛い専用ケースから取り出してワンタッチ装着。見る間に視界が広がり、満開の桜がばっちりフレームイン。これも常に携行の必要アリ、ですな。
更に酔いが回ったお花見一同。「俺にも触らせて」「私にも撮らせて」とたらい回しにされた挙句、あえなく電池切れ。やはりバッテリーの予備もいくつか用意しないと、と反省するのであった。
撮った後もスマートに閲覧・管理!
さて翌日。撮ってきた素材を鑑賞だ。これはごく簡単。本体をハンディカムステーションに乗せ、ステーションとTVをHDMIケーブルで接続。カメラを再生モードにすればOK。動画も静止画も自宅の大画面TVで鑑賞することができる。HDMIに非対応のTVの場合でも、ステーションには通常のA/V出力端子もあるので大丈夫だろう。
本機撮影機能の目玉である「顔キメビデオ」こと顔検出機能は、撮影中に人間の顔部分を自動的に検出し、肌色や明るさを調整してくれるという超便利機能。再生してみると…むむむ、確かに。明らかに逆光と思えるアングルでも、顔の部分を中心に明るさくっきりなのだ。これには家族一同思わず「スゴイ!」と感嘆の声。
続いてメモリー内の静止画をチェックすると、撮った覚えのない写真が何点か。これが更なる撮影機能である「スマイルシャッター(笑顔検出)機能」で、動画撮影中に笑顔のシーンを自動的に静止画保存してくれているというもの。「あ、その笑顔いいねぇ」という瞬間に、静止画も…と思うことは多いが、ムービーを止めて静止画モードに切り替えるのはちょっとためらわれるものだが、そんなストレスを解消してくれる嬉しい機能だ。
一通り鑑賞を終えると、今度はデータの整理をしなければならない。鑑賞は楽しいのだが整理は正直面倒くさい。DVテープやDVDなら、とりあえずカメラから出して保管でいいのだが、内蔵メモリーの場合、他媒体に保存をしないことにはやがて満杯になってしまう。これが本機を使う上で当初から考えていた最大の難点だったのだが、付属の動画/画像管理閲覧ソフト「Picture Motion Browser(PMB)」の機能に期待、ということで早速インストールと取り込みを試みる。
PMBをインストールしたPCとカメラ本体をUSBケーブルで接続。カメラ側液晶で「USB接続」をタッチすれば取り込み準備完了。ソフト側で保存場所を指定して、取り込みボタンをクリックすれば、あとは自動で全て取り込んでくれる。ここまでは思いのほか簡単だ。取り込みが終わったかな…? という次の瞬間、新しいダイアログが出現し、なにやら各映像・画像を解析している模様。やがて終了の表示が現れると、メインウィンドウには保存された動画・静止画のサムネイルが並ぶ。
そのサムネイル上には、何やら方位磁石のようなマークが。これはカメラに内蔵されているGPS機能が画像に埋め込んだもので、画像を指定し、ブラウザの「マップビュー」ボタンをクリックすると…なんと、別ウインドウでGoogleマップが現れ、その画像を撮影した地点はココ、と表示してくれるのだ!
溜まった撮影画像を後日まとめて鑑賞する際に「これ、どこだっけ??」ということは多いが、そんなところまでフォローしてくれる撮影機 with GPS。…参りました!
データはPCに保存せず、ダイレクトにDVDに焼くことも可能(ワンタッチディスク機能)だし、一旦PCに保存したデータをブルーレイやDVDの再生機器と接続して保存するのもよし。
小型軽量にしてこの使用感レベルの高さ。撮影時はもちろんのこと、再生・保存時にもかゆい所に手が届く機能満載で文句ナシ。ビデオカメラとして、この先これ以上の進歩があるのか? とすら思える名機の登場だ。
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