元・PC録画派が使う「BDZ-RX50」 第3回: いつでも、どこでも見られる至福を実現する機能たち
(10/02)ネットワーク派垂涎のDTCP-IP対応
連載第1回の繰り返しになるが、筆者がアナログテレビ放送をPCで録画していたころによくやっていたのは、録画した番組をネットワーク越しにノートPCなどで再生することだった。
しかし、テレビ放送がデジタル放送に移行したことで、単にそれだけのことが簡単ではなくなった。デジタル放送は著作権保護のための暗号化を施されているため、ネットワーク越しに録画ファイルを直接再生することが、一筋縄ではできなくなったのだ。
そんな状況に光明をもたらすのが「DTCP-IP」規格だ。録画ファイルを保存してあるサーバー(レコーダーなど)と、それをネットワーク経由で再生するクライアント(PCやPS3)。この双方がDTCP-IPに対応していれば、念願の「デジタル放送録画のネットワーク越し再生」が可能になるのである。
というわけで、「DTCP-IP」に対応しているBDZ-RX50のDTCP-IP対応をテストしてみたい。サーバーとなるのはもちろんBDZ-RX50。クライアントは、先日のアップデートでめでたくDTCP-IPに対応したPLAYSTATION 3だ。
PS3で最初にDTCP-IPを利用する際には、このようなメッセージが表示される
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上記のメッセージが表示されると、設定内にDTCP-IPの項目が出現する。有効化してやろう
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すると、BDZ-RX50がPS3のXMB上に出現
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ファイル一覧はジャンル別に閲覧可能
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シーンサーチも普通に利用可能
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結論から言えば、BDZ-RX50とPS3は完璧な連携を見せてくれた。BDZ-RX50で録画した番組は、家庭内ネットワーク経由でPS3からやすやすと再生できた。
手順としては、まずPS3のDTCP-IP機能を有効化してやる必要がある。BDZ-RX50とPS3を同一ネットワークに接続すると、PS3からBDZ-RX50が見えるようになるが、最初にそこにアクセスしようとすると、設定からDTCP-IPを有効にするように促されるので、指示にしたがって設定しよう。
これだけで設定は完了で、あとはPS3のXMBからBDZ-RX50にアクセスするだけだ。
使ってみた感触としては、ビットレートが高めの録画ファイルは、家庭のネットワーク環境によっては帯域がたりなくなり、うまく再生できないことがあった。具体的には、DRモードをPS3本体内蔵の無線LAN(IEEE802.11g)経由で再生しようとすると再生遅延が頻繁に発生したが、PS3の有線LANコネクタと市販の無線LANコンバーター(IEE802.11n対応)を接続すると、遅延なしで再生できるようになった。もちろん、PS3を通常の有線LANで接続する場合には、なんの問題もない。
再生品質にはまったく問題なく(もちろんPS3の高画質化機能も有効)、PS3の「シーンサーチ」も機能した。ただ、BDZ-RX50で打たれたチャプター情報は利用できないようだ。
BDZ-RX50とPS3の連携はうまくいったので、つぎにBDZ-RX50とVAIOの連携を試すことにした。最近のVAIOには「VAIO Media Plus」というマルチメディア再生アプリケーションがプリインストールされており、これがDTCP-IPに対応している(はず)なのだ。
使用したVAIOは手持ちの「VAIO type P」。PS3と同様、BDZ-RX50とtype Pをネットワークに接続すると、type PのVAIO Media PlusからBDZ-RX50が見えるようになった。ファイル一覧に関してはPS3よりもVaio Media Plusが上手のようで、チャンネル別など、より細かくフォルダ分けがされており、便利だ。
ただ、実際にファイルを再生しようとすると問題が発生した。「このクライアントが対応していないファイル」と表示され、再生できないのだ。どうやら、type PのVAIO Media PlusではDTCP-IPによるDLNA再生は有効化されていないようだ。暗号化ファイルのデコードにはそれなりのCPU負荷がかかるため、ともすると非力なAtomプロセッサーでは十分な再生パフォーマンスが得られないから、ということらしい。type Zやtype Fなど、十分なCPUパフォーマンスを持ったVAIOなら再生可能なようなので、これに関しては機会を見て再チャレンジしてみたい。
ソニー製ブルーレイディスクレコーダーで録画したデジタル放送をVAIOで楽しむ
http://vcl.vaio.sony.co.jp/support/info/2008/020.html
おでかけ転送を試す
モバイルでの動画視聴は、ワンセグの普及でずいぶん一般的になってきたし、実際、電車の中でもモバイル機器で動画を見ている人をよく見かける。ただ、ワンセグは画質・音質が悪く、なにより15fpsというフレームレートによる動きのカクつきは、通常の放送と比べると大きく見劣りする部分だ。必然、家で録画した通常の放送をモバイルで持ち出したいという欲求が出てくる。
筆者がアナログ放送時代にPCでテレビ録画をしていたときには、番組の録画→編集ソフトでCMをカット→モバイル用ファイル形式(主にPSP用のAVC形式)にエンコードという、やっかいな手順を踏んでいた。手順自体の煩雑さもさることながら、エンコードに要する時間が、番組実時間の1.2~2倍ほどかかっていたため、とても現実的ではなかった。事実、この方法をとってモバイル用動画を作成することは、滅多になかったように思う。しかもデジタル放送では、著作権保護の暗号化のため、上記の方法自体がとれなくなった。
そうした問題に対する現実的な回答が、ソニーのBDレコーダーに搭載された「おでかけ転送」機能だ。言うまでもなく、レコーダーで録画した番組を手軽にPSPなどのモバイル機器で持ち出すための機能である。
今回使用したBDZ-RX50は、PSP、ウォークマン、ケータイ、nav-u、myroなどを接続しての転送に対応しているほか、ソニー製カードリーダー経由でメモリースティックに転送し、それを各機器で再生することもできるようだ。もちろん、古いウォークマンやnav-uなど動画再生に対応していないものでは再生できないし、デジタル放送を転送する場合は、機器自体が著作権保護機能に対応していない場合、同様に対応しない(アナログ放送録画の転送は可能)。詳細はソニーのサポートページにてチェックしてほしい。
Q:
「 おでかけ転送 」 対応の機器と、転送できる映像の種類を教えてください。
http://www.faq.sonydrive.jp/faq/1040/app/servlet/qadoc?028668
さて、実際の使用手順としては単純で、最初にあらかじめ設定でおでかけ転送を有効化しておく。筆者は主にPSPで動画を見るので、転送先機器として「PSP」を設定しておくと、PSPに最適化された解像度でエンコードしてくれる。あとは、PSPをレコーダーのUSB端子に接続した後、XMBから「おでかけ転送」を選択し、番組一覧から持ち出したい番組を選ぶだけだ。これだけで、自動的にPSPへの転送が開始される。
「おでかけ転送」の最大の利点は、モバイル用形式へのエンコードが番組の録画と同時に行われることだ。つまり、筆者がかつてやっていたように、録画後にわざわざ時間を割いてエンコードをおこなう必要がないのである。持ち出したいと思ったときに、スグに転送可能というわけだ。
もうひとつの利点は、転送されたファイルがきっちりチャプターを打たれていることだ。チャプターは番組とCMの切れ目などに入れられている。つまり、PSPなどで録画番組を視聴している際、ワンタッチで「CMとばし」が行えるのだ。これで実質的に、「CMカット」という七面倒くさい編集作業の必要がなくなる。わざわざモバイルに持ち出してまで見ようと思う番組は、30分程度の番組よりもむしろ1~2時間のドラマや映画が多いように思うが、チャプターはまさにそのような(CMが頻繁に入りまくる)動画に威力を発揮するはずだ。
おでかけ転送における注意すべき点は、当然のことながら、モバイル機器に転送する際にダビング10の回数を1回、消費することだ。また、ビットレートを自由に設定することはできず、プリセットの選択肢も少ない。
それ以外は、モバイルでの番組視聴という用途にはほぼ完璧にかなう、非常に実用性の高い機能だと思われた。日頃、いそがしくてなかなか録画番組を消化する時間がない、そんな人におすすめだ。
テレビ録画の柔軟さと楽しさを取り戻そう
以上、3回にわたって「BDZ-RX50」の使用感をお届けしてきた。機能をつまみ食い的に紹介してきたので、この機種の全容をつまびらかにできたとは口が裂けても言えないが、ソニーならではのPS3やモバイル機器との連動という部分で、大きな魅力を持っていることは最後に強調しておきたい。
デジタル放送が開始されて以来、テレビの「録画」の楽しみは、かなりの部分で制限され、スポイルされてしまったように思う。しかし今回試した「BDZ-RX50」は、そんな制限の中で、可能な限り柔軟に、便利に「録画」「視聴」を楽しめるようにつくられているように思える。
最近、テレビ番組録画の楽しみ方の選択肢が減って残念、そう考えている人に、是非とも試してもらいたい機種である。


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