NETGEAR Space

Review

ネットワークマップ作成やトラフィックチェックも可能
ホームネットワーク管理ツール「デスクトップ NETGEAR Genie」

 

監視・管理・修復が可能

ネットギアから提供が開始されたルーター向け管理ツール「デスクトップ NETGEAR Genie」。日本サイトからダウンロードして利用できる(日本語版)

ネットギアから、ホームネットワーク管理ツール「デスクトップ NETGEAR Genie」が新たに公開された(Windows/OSX用)。

すでに日本のサイトから無償でダウンロード可能となっており、しっかりと日本語にも対応している(一部対応機種や対応機能に制限あり)。

インターネット接続やPC同士のファイル共有などのためにホームネットワークを構築することはもはや当たり前になりつつあるが、今回、リリースされた「デスクトップ NETGEAR Genie」を利用することで、このようなネットワークの状態を監視したり、接続されている機器を管理したり、さらには接続トラブルなどの際に原因を切り分けることが可能となっている。どのような活用ができるのか、実際に試してみた。

6つの機能を利用可能

それでは、実際の使い方を見ていこう。なお、今回はWindows 7で試している。

まずは、インストールだが、これは何の苦労もない。前述したサイトからデスクトップ NETGEAR Genieをダウンロードし、ウィザードの指示に従ってインストールするだけでいい。インストール時の選択肢は、インストール先の選択程度なので、迷うことはないだろう。

インストール完了後、初回起動時はWindowsファイアウォールの設定が必要になる。ルーターの状態を取得する際に通信が必要になるので、Windowsファイアウォールの画面がポップアップ表示されたら「デスクトップ NETGEAR Genie.exe」であることを確認して、アクセスを許可しておこう。

初回起動時にWindowsファイアウォールの警告が表示される。プログラムを確認して許可しておこう
デスクトップ NETGEAR Genieのホーム画面。大きく6つの機能を利用できる

起動すると、ダッシュボード上に、「インターネット」、「WiFi接続」、「ルータ設定」、「ネットワークマップ」、「ペアレンタルコントロール」、「ReadySHARE」という6つのアイコンが表示される。これらが、デスクトップ NETGEAR Genieで管理できる項目だ。

まずは、「インターネット」だが、これは現在のインターネット接続状況を監視するための機能だ。起動すると、PC-ルータ-インターネット間の接続状況と、ダウンロード、およびアップロードの現在の転送速度(Mbps)がリアルタイムなグラフ形式で表示される。

速度テストも実行可能となっており、ボタンをクリックするだけでダウンロード速度を計測することができる。

これらの状況は通知領域に常駐したアプリによってリアルタイムに監視されており、たとえばインターネット接続が切断されたり、転送速度が設定したしきい値(標準10Mbps)を超えて高負荷が検知されると、メッセージがポップアップ表示される。何らかのトラブルでインターネットに接続できない場合でも、きちんと通知されるので、障害の切り分けに便利だ。

インターネットの接続状況や転送速度をリアルタイムにチェック可能
インターネット接続が切れた場合などは警告を表示してくれる

続いて、「WiFi接続」は、無線LANの接続を管理するための機能だ。無線LANの接続(手動接続)はもちろんのこと、近隣の電波状況をチェックできる機能が搭載されているため、干渉を避けてチャネルを設定することができる。

このほか、ユニークな機能として、ゲストアクセスと呼ばれる機能を有効化することができる。ゲストアクセスは、来客などにアクセスポイントを解放するための機能で、1時間、5時間、1日などといったように接続時間を限定してアクセスを許可できる機能だ。対応ルーターが必要だが、ユーティリティから手軽に設定できるのは便利だ。

無線LAN接続もツールから可能
周辺のチャネルをチェックして干渉を避けることもできる
ゲストアクセスを有効にすると時間制限での無線LAN接続を許可できる

もちろん、ルーターの設定も管理することができる。「ルータ設定」を利用すると、ワイヤレス設定でSSIDやネットワークキーを確認することができるうえ、前述したゲストアクセスなどの機能の設定もできる。設定できる機能は最低限のものに限られているので、すべての設定を変更するにはブラウザからアクセスする必要があるが、デスクトップ NETGEAR Genieを使えば、よく使う機能に迷わず、素早くたどり着くことができる。

次の「ネットワークマップ」は、文字通り、ネットワーク上の機器をグラフィカルなマップ形式で表示できる機能だ。ネットワーク上に存在するルーターやPCをひと目で確認できるので、ネットワーク構成のチェックが簡単にできる。もちろん、各端末のIPアドレスやホスト名なども表示できるうえ、ルーターに関しては、ここから設定画面にアクセスすることもできるので、設定変更の際にも役立つだろう。

ルータ設定からは無線LANの情報確認、ゲストアクセスなどの設定、ファームウェアのアップデートができる
ネットワークマップを利用することで、ネットワーク上のPCなどを一覧。各端末のIPアドレスなどが確認できる
ネットギア製NASは実際の筐体がアイコンで表示されている
Windows PC、Macなども機種を自動判別してアイコンに反映される
アイコンをクリックすると詳細を閲覧可能。OS等の表示が間違っている場合はここから訂正することもできる

最後の2つ、「ペアレンタルコントロール」と「ReadySHARE」も、対応機種のみで利用可能な機能だ。ペアレンタルコントロールはいわゆるウェブフィルタリング機能で、これを有効にすることで特定のPCから悪質なサイトにアクセスすることを禁止できる。一方、「ReadySHARE」はUSBポートを搭載したルーター向けの機能で、USBストレージのデータを共有したり、USBプリンターを利用することなどができる。ウィザード形式で設定できるので、これも初めて利用する人にはありがたい機能だ。

対応機種ではペアレンタルコントロールを有効にすることもできる
USBポートを搭載した機種では、この設定をデスクトップ NETGEAR Genieから実行できる

ネットワークトラブルに対応可能

FAQの参照やPing、Tracertの実行などもできるため、トラブル対処にも役立つ

以上、デスクトップ NETGEAR Genieの主な機能を6つ紹介したが、このほかネットワークトラブルを解決するために搭載されているツールもなかなか便利だ。

左側のメニューから「ネットワークサポート」をクリックすると、「ルータには接続できますが、インターネットに接続できません」などのFAQを参照することができるようになっており、ここからトラブルを解決できる。そもそも、ルーターのトラブルの場合、インターネット上のFAQを参照すること自体が難しいので、ローカルから参照できるのは便利だ。

また、「ツール」タブをクリックすることで、PingやTracert、DNS検索などのツールを利用することもできる。結果を判断するためには、それなりの知識が必要になるものの、コマンドベースのツールをGUI画面から手軽に使えることで、トラブル切り分けの敷居を下げることができるだろう。

このほか、オンラインのサポート情報へのリンクやサポート情報を検索するための検索ボックスなども用意されているので、どこから情報を探していいのかがわからないときにも役に立つ。これさえあれば、ある程度のトラブルは自分で解決することができるだろう。

このように、デスクトップ NETGEAR Genieは、ネットギア製のルーターを使っているユーザーにとって非常に利便性の高いツールと言える。前述したように、機種によって使える機能が制限される場合もあるが、管理用のPCにインストールしておくと、何かと便利そうだ。

(Reported by 清水 理史)
製品情報
■デスクトップ NETGEAR Genie
http://www.netgear.jp/solutions/homesolutions/netgear-genie/index.html