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監督: 市川準
製作: パグポイント
ざわざわ下北沢製作委員会

2000年7月7日より
シネマ・下北沢にて公開

下北沢という街にはなにか不思議な存在感がある。
古いものと新しいものが入り混じって、老若男女、色んな人々が狭い街で肩を触れ合いながら過ごしている。

「ざわざわ下北沢」は
下北沢で生きている人々の息づかいが聞こえる映画であり、下北沢の街をライブ感覚あふれる映像で、生きている人々を真ん中に据えて描いている映画である。

序 章
『下北沢に呼び出されてはみたものの』の巻


第2章
『映画監督の真の演出する姿とは?』の巻

第3章
『ビリヤードと小田急線とワッフルと私』の巻


第4章
日曜日、下北沢の夜空の下で
』の巻

第5章
編集作業は根気がいるなり』の巻



 


文:佐藤ろまん
写真:YOKOX

序章 『下北沢に呼び出されてはみたものの』 の巻
 2000年1月21日、午後2時半。快晴。
「よーい……スタート!」
 カチンコの音が鳴り響くと、いやがうえにも緊張感が高まる。
 街行く買い物客も足を止め、いよいよ映画の撮影現場特有の緊迫感で、一瞬時間が止まったかのような錯覚を起こす。
 しかしだ、ボクはこの状況を理解しかねていた。なぜ目の前で映画の撮影をしていて、なぜボクがその現場に居合わせているのかを。
「あの、私、YOKOX(ヨーコックス)で〜す。これから会いませんか?」
 1時間前、ボクは若い女性に電話で呼び出された。彼女は目印を「カメラを持ってます」と告げていたが、今の時代、カメラを持っている女性は少なくない。
 まわりをキョロキョロしていると、後ろから肩を叩かれた。
「はい?」
「仕事、いくわよ」
「え? 仕事??」
「下北沢、低予算、市川準監督、リヤカー、手弁当、ヒロスエ……」
「??????」
 ボクの頭の中に『なぜ?の嵐』が吹き荒れる。とにかく冷静を装い、このYOKOXという女性の言うことを理解しようと試みた。

[仕事]  これは、ボクがライターの仕事をしているので、おそらく取材に出掛けることなのだろう。

[下北沢] 呼び出された場所は下北沢。つまり取材先は下北沢のどこかってことと予想される。

[低予算] ん? この取材の仕事が低予算ってことなのか? つまりギャラが安いってことなのか? まあそれは仕方ないか。

[市川準監督] 著名な映画監督の名前ではないか。監督のインタビューってことか?

[リヤカー] 低予算の上にリヤカーと来たら、タクシーを利用せず、何か取材に必要な機材をリヤカーで運ぶのだろうか。いや、リヤカーをレンタルする方が高くつかないか? まさか市川監督をボクがリヤカーで運ぶんじゃないだろうな。

[手弁当] ヤバイ、そんなに長丁場になるのか、用意してないよー。その辺のオリジンで買っちゃおうかなあ。それともYOKOXがボクのため作ってきてるとか……。いや、それはないだろ。

[ヒロスエ] 広末? ひょっとして第1回クレアラシルぴかぴかフェイスグランプリ受賞の広末涼子ちゃんのこと? 会えるのか? 会えちゃうの?

 いくつかのことが想像されるが、やはりひとつにまとまらない。ただ、行き先には映画がらみの仕事が待っているのは確かだ。そして広末と……いや、期待してはいけない。うまい話にはトゲがあるというし。何はともあれ、今はこのYOKOXと名乗る女性の後について、その仕事先へと向かうしかない。
 次の瞬間、我々が目にしたモノは!

<つづく>
※次週からは、もっとちゃんとした『ざわざわ下北沢』現場レポートを書きますので、今回はカンベンして下さい。

CAST老若 シネマ下北沢の想い スタッフ撮影日誌



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