Windows 7特集


ついにWindows 7が発売された。これを機に、新しいPCを購入しようと考えている人は多いだろう。ネットブックに端を発したノートPCの低価格化のトレンドがある一方で、今年はデスクトップPCにも新たなトレンドは起きている。PCの楽しさを堪能でき、Windows 7の機能を積極的に活用できる魅力的なデスクトップ。それがGalleria HG(ガレリアHG)だ。

読者の皆さんはデスクトップPCというものに、どんなイメージをお持ちだろうか。大きくて場所を取る、音がうるさい、無骨、といったあまり良くないイメージを持っているかも知れない。実際、以前はデスクトップPCを使っていたが、最近はノートPCがメインになったという人は、筆者の身の周りだけでも多く、こうしたネガティブなイメージがつきまとっているように思う。

ドスパラの「Galleria HG」。ミドルタワー型のデスクトップPCだ

一方で、高性能、安価、拡張性が高い、という良いイメージもあるだろう。とくに以前デスクトップPCを使っていた人は、デスクトップPCならではの良さを知っているはずだ。こうしたデスクトップPCの良いイメージを具現化した、典型的な製品といえるのが、ここで紹介する「Galleria HG」だ。

デスクトップPCの良さの一つに、最新の技術やパーツが、まずはデスクトップに投入される点がある。今年のデスクトップPC界隈では、インテルのCore i7/i5の登場という一つの大きなトピックがあったが、Galleria HGはその「Core i7-860」を搭載。Hyper-Threadingにより論理的に8コアのCPUとして動作することが話題のCPUだ。メモリは4GBを搭載。メモリの価格が下がったいま、パフォーマンスを重視したPCのメモリは4GBがトレンドになっている。これらCPUとメモリのスペックは、最新PCを感じさせる部分といえる。


CPUはインテルの最新CPU「Core i7-860」を搭載。クアッドコア製品だが、Hyper-Threading技術によりWindows上では8コアのCPUとして動作する
メモリは4GB(2GB×2)が標準。いまや4GBメモリはハイエンドPCの条件

もう一つ性能を決める大きなファクターといえるビデオカードは、GeForce GTS 250搭載製品を採用している。GeForce GTS 250は最近のゲームにおいても、必要十分な性能を出せるビデオカードだ。このCore i7-860とGeForce GTS 250を組み合わせたPCは、同社が発売している、さまざまなゲーム推奨モデルにも採用されている構成。しかも、モンスターハンターフロンティア、タワー オブ アイオンといった人気ゲームの推奨PCに採用されている構成なのだ。ゲーム用途にデスクトップPCを選ぶ場合に、こうした推奨スペックに準じていることは心強い。

ビデオカードはGeForce GTS 250搭載製品。2スロット占有タイプのクーラーで冷却性能と静音性に配慮された製品を採用している
人気のタワー オブ アイオンの推奨モデルにもなっている。当然、ストレスなく動作する余裕のパフォーマンスを持つ

しかも、Windows 7ではゲーム用途だけでなく、一般的なユーセージモデルにおいても性能の良いビデオカードが意味を持つようになった。Windows 7のデスクトップエフェクトであるWindows Aeroは、Windows Vista同様にビデオカードの3Dグラフィックス描画性能が影響するが、その表現力は増している。

さらに、従来以上のコーデックをサポートするようになったWindows Media Playerでは、H.264 HD動画再生時のビデオカードアクセラレーションをサポート。例えば、AVCHD対応HDカムコーダで録画した映像をWindows Media Playerで再生するさいに、アクセラレーション対応のビデオカードを使っていればCPUへかかる負荷を最小限に抑えて再生することができる。Galleria HGに搭載されているGeForce GTS 250はPureVideo HDと呼ばれるアクセラレーションエンジンを持っており、実際にAVCHD動画を低いCPU負荷で再生できることが分かる。

Windows 7ではWindows Aeroの表現力もさらにリッチに
AVCHDなどもそのまま再生でき、HD動画もビデオカードによる再生支援をサポート。再生時のCPU負荷が非常に低いので、HD動画の「ながら視聴」も余裕だ
Windows 7のエクスペリエンスインデックスはHDDを除いて「7」越えをマーク。新世代PCにふさわしい性能を備えている

加えて、昨今はGPUを一般アプリケーション処理に使うGPGPUが注目されており、動画エンコードへの活用が始まっている。Windows 7ではポータブルメディアプレイヤーへ動画転送するさいに、そのプレイヤーで再生可能な動画形式へ自動変換する機能を持っているが、そのさいにGPUを使って高速に変換することができるようになっている。

このようにWindows 7では3Dグラフィックス(ゲーム)だけでなく、動画処理においても積極的にGPUを活用するようになっているだけに、高性能なビデオカードを搭載することが当たり前なデスクトップPCの価値は増しているのだ。Windows 7のエクスペリエンスインデックスにおいても、HDDを除いては、Windows Vistaの最大スコアであった5.9を上回るスコアをマークしており、PC全体として見ても、Windows 7時代に適した高い性能を持っていることが分かる。

さて、性能に次ぐデスクトップPCのもう一つの魅力といえるのが、拡張性の高さだ。本体が大きいことは良くないイメージがある一方で、拡張性というメリットをも生んでいる。そのことは、ケースの側面を開けただけでも感じ取ることができる。光学ドライブやHDDなどが収納される写真右方向のベイ部分に、かなりの余裕があるのが分かるだろう。

とくにHDDは、動画データなどを扱い始めると、あっという間に容量不足に陥ることがある。Galleria HGは標準で1TBの容量を持っているとはいえ、不足したさいにケース内へ拡張していけるのは、デスクトップならでは魅力だ。しかも本製品のケースはHDDベイが取り出せるようになっており、メンテナンス性にも優れている。

ケース側面カバーを開けた状態。5インチベイやHDDベイに余裕があり、拡張性の高さを感じ取ることができる
HDDベイは脱着が可能。HDD増設時にケース外に取り出して作業できるのが便利
Windows 7の新機能「ホームグループ」。メディア共有を活用するなら、HDDの大容量化が可能なデスクトップPCをメディアハブとして利用したい

Windows 7では、ホームグループという便利な機能が搭載された。これは個人のプライベートなネットワークを簡単に構築できるもので、ファイアウォールを越えて自分のネットワークへアクセスできるようにも配慮された作りになっている。このホームグループは単なる家庭内LANというだけでなく、メディアストリーミングの機能も用意されている。例えば、デスクトップPCに大容量のHDDを搭載して”メディアハブ”として機能させる、といったことも簡単にできるのだ。そうしたWindows 7の機能を活用するうえで、HDDの拡張性の高さとメンテナンス性の良さは強力な武器となるだろう。

ケース外の拡張性も抜群だ。ケース外拡張インタフェースの定番といえるUSBは、本体前面、背面併せて12ポート。これもIOスペースに余裕があるデスクトップPCならでは数といえる。


本体前面。USB×2やマルチカードリーダー、DVDスーパーマルチドライブを搭載
本体背面。USBポートを背面だけで10ポート装備。ケース外に接続するデバイスの拡張性も極めて高い
マルチカードリーダはCFやSDはもちろん、MicroSDもそのまま利用できるもの。携帯電話などとのデータやり取りに便利

さらに魅力なのが前面に設けられたカードリーダーだ。デスクトップPCでは珍しくないマルチカードリーダーだが、本製品に搭載されているものは、Micro SDも直接利用できるタイプになっている。携帯電話とのデータやり取りに便利だ。

 さて、こうしたデスクトップPCを導入するさいに、当然”自作”という選択肢も浮かぶと思う。そのうえで、あえて完成品のデスクトップPCを導入する意味はどこにあるのだろうか。その理由はいくつかある。

一つは信頼感だ。自作PCではパーツ単位でバラバラに組み合わせて製品を導入していくため、最終的に相性問題が発生する可能性があるという問題がつきまとう。そうしたトラブルも含めて楽しい作業であることは否定しないが、買って確実に動くというデスクトップPCの価値は小さくない。もちろん、PCの製品として保証が受けられることも大きい。

CPU冷却はダクトを使うことでケース外からダイレクトに吸気する。トップフロータイプのクーラーなのでCPU周辺の部品の冷却にも効果がある仕組みだ

とくにドスパラのデスクトップPCはゲームの大会でも使用されるという実績がある。ゲーム大会というのは、人が多く集まる会場内で、3Dゲームという負荷の高いアプリケーションを長時間回し続けるという、非常に過酷な環境だ。そうした環境で使用され、トラブルなく動作し続けたという実績は購入を考えている人にとって心強いのではないだろうか。

この安定性を支える一助となっているのが、冷却面などの細やかな配慮だ。CPUを安定して冷却できるダクトや、前面から背面へスムースに風が流れるファンの配置。さらには、ケーブル管理もきっちりなされているところは、オーダーメイド感もあふれて嬉しくなる。大型ファンを積極的に使うことで、騒音を最小限に抑えているのも好印象だ。






ケースファンは前面・背面ともに120mm角のものを装備。風量と静音性のバランスに優れた仕様
ケーブルタイやテープを使って、ケーブル類がきれいに束ねられている。空気の流れを遮らないし、何よりケーブルがまとまっている様は見た目が良い
Galleriaシリーズの販売Webサイト。PCトータルとしてのバランスを考えたスペックが提示されているので、PCパーツに詳しくない人も選びやすい。一方でBTOも可能なので、PCリテラシーが高い人も自分が望むスペックのPCを購入することができる

このほか、自作ではイチからパーツを選んでいく必要があり、マメにパーツを追いかけている人はともかく、いざ組もうと思った際の情報収集が意外に大変なものだ。ドスパラのデスクトップPCは、BTOが可能であるとはいえ、あらかじめパーツ間のバランスを考えた固定スペックが多数提示されている。ちょうどBTOと大手メーカーの間のスイートスポットにあるような姿勢であり、販売Webサイトを訪れた人のPCリテラシーを問わない柔軟なスタイルといえる。

このように、Windows 7登場に併せてPCを購入するうえで、デスクトップPCの持つ性能面は大きな意味を持つし、大容量HDDを搭載できるなどの拡張性の高さは、将来的に長く使えるPCとしてのメリットがある。

デスクトップPCのケースを開けて拡張する作業は、プラモデルのようでもあり楽しい作業だ。さらにホームグループのようなPCを使ってメディアを共有するような楽しい使い方が実用的に行えることは、PCが持つ楽しさを再確認させてくれる。Galleria HGは、そうしたデスクトップPCの良いところを具現化した製品であり、PCで楽しめ、PCを楽しめる、贅沢なハードウェアだ。

<ライター:多和田 新也>
1976年岐阜県生まれ。PCサポート、雑誌編集を経てフリーのライターに。PCパーツの性能評価記事などを中心に執筆している。空を飛ぶものは何でも好きな人と勘違いされがちなので、鳥と民間旅客機にしか興味がないことを必死にアピールしている。