Vol.8 ガジェット女子の考える写真 静香さん

カメラが自然と入り込んでいる暮らし。カメラを持ち歩く楽しみ。日々キラキラしていることを切り取る喜び。カメラのある生活を楽しんでいる女子に密着します。第8回目は「静香のメイク日記」を運営する人気ブロガーの静香さん。

可憐な外見とは裏腹に、自他ともに認める「ガジェット女子」な静香さん。カメラも大好きで、最近使い始めた「Nikon 1 J2」はなんと9台目。ブロガーとして活躍していることからも、写真の仕上がりにはとても敏感。読者の心を動かすキレイな写真を届けたい——その思いでいっぱいだ。ブログにはコスメ、女の子、花の美しい写真が毎日並ぶ。静香さんとカメラとの関係について、じっくりお話を伺ってきた。

撮りたいのは「美しいもの」

アラサー世代の女子にとって、インスタントカメラは懐かしいアイテムのひとつなのでは。静香さんも高校時代にインスタントカメラで友人の写真を撮っていたそう。「動いているものを撮るのが大好き」というスタンスは今でも変わらない。当時は人物のほか、愛犬を撮ることもあったという。大学に入ってから初めてデジカメを購入したが、カメラに関する転機が訪れたのは大学2年のとき。

現在運営中の人気ブログ「静香のメイク日記」を始めてから、大好きなメークのことについて書くようになった。自らのメークや他の人のメーク、コスメなどを撮影する毎日。自分が楽しんで撮るだけではなく、見る人を楽しませる写真を撮りたい、というきもちに変わっていった。「美しいものを撮るのが好き。女の子もよく撮ります」と話す。「別に気にしないでね」と言いながらカメラの方を向かせない、友達のナチュラルな姿を撮ることが多い。「撮るよ」と言わないことがコツだ。

色を忠実に表現したい

メークで大事なのは「色」。たとえば似たような茶色のアイシャドウでも色合いは微妙に異なる。ちょっとした風合いの違いを伝えることが重要だ。だからこそ選ぶカメラにはこだわりがある、と話す静香さん。被写体の色を忠実に再現できるか、接写しやすいか、肌がキレイに写るか、露出やホワイトバランスの設定が簡単か、画面が大きくて見やすいか、軽いかなど、重要視しているポイントはいくつもある。

キュートなテーブルマットの上で真剣に撮影中

実は「Nikon 1 J2」が初めての一眼カメラだ。「肌の写りがとてもキレイで、オートでも満足できる写真に仕上がる」と静香さん。特定の色を強調して写せる「セレクトカラー」機能で遊ぶのにもハマっている。説明書はあまり読まず、使い込みながら実践で覚えていくタイプだ。「ブログには必ず写真を使います。PCに取り込んで加工すると時間がかかるので、細かく設定したカメラで撮影し、加工なしでもOKな写真を撮ることが多いです」と話す。

愛用中のカメラは「Nikon 1 J2」

「朝Photo」習慣、始めました

最近ブログで始めた「朝Photo」というエントリーが好評らしい。どうして始めたんですか? 「好きな映画を朝20分でもいいので観て、気持ちを盛り上げてから1日をスタートするようにしていたのですが、最近バタバタしてそれができなくなったんです」と静香さん。代わりに、毎朝メールチェックする“習慣”のように、ブログにインスピレーションを刺激される写真をアップするようになった。海外のブログを引用したハイセンスな写真が多い。写真を撮る人にとって、美的感覚を鍛えるレッスンになりそう。

何気ない日常の中でも、キレイなものを見て撮るようにしている。苦手なランニングを楽しむため、途中で立ち止まって、道に咲いている花をiPhoneで撮影するという。ありのままでも十分キレイな花を、あえてアプリでコントラストを強くして、写りを際立たせることもある。花を撮るのも女子を撮るのも、すべて「美しいものを撮りたい」というキモチにリンクしている。

カメラはいつも持ち歩く

いつもカメラベースで考えている

ブログとともにカメラと長年歩んできた静香さんだが、カメラを持つようになって変わったことは「被写体を探すようになったこと」だと話す。目に映ったものを見て、どんなふうに撮れば美しいか、ということに考えを巡らせる。撮った写真をブログに使うこともあるので、ブログをどう魅せるかという課題にもつながっていく。「常にカメラベースでものを見ています」とやわらかく微笑む姿がステキだ。

最後に「魅せるブログ写真の撮り方」についても聞いてみた。特に静香さんの得意分野であるコスメなどは、どう撮影するとかわいくなるのか。「布を効果的に使います」と静香さん。コスメの下にレースを敷いたり、ベッドカバーの上に置いたり、カーテンの前に置いて光を集めたり、ふわふわしたものの近くに置いたりするなど、「使いたい」と思われるキュートな写真を目指している。厳選した写真だけが掲載される。

「写真を撮るのにインプットは大事」と話す静香さんが最近よく使っているのは、洗練された画像や写真をチェックできるSNS「Pinterset」だ。ピンときた写真を目にすると、自分が撮影するときに活かす。海外の写真が多いので、旅したい願望が高まる。今後は「ギリシャを旅したい」と話していた静香さん。空の青と建物の白を大胆に、かつ静香さんらしく、かわいらしさを残した写真を撮ってきてほしいと思った。

アクアリウムで撮影した金魚(撮影:静香)
ピンクだけ目立たせて撮影(撮影:静香)
女の子をやわらかく撮るとよりかわいく見える(撮影:静香)
(2012/12/14)
池田園子

1986年生まれ。岡山県出身。2005年に上京。楽天でポータルサイト運営、某ITベンチャーでメディア運営を経てフリーのライターに。Web、ガジェット、新しいモノ、会社、働き方、恋愛、イケメン系のネタを主に書く。コミュニケーション全般が好きで、人が好き。愛用カメラはPENTAX K-rとRICOHのCX4。取材で人を撮り、散歩しながらも撮っています。(ホームページ)(Twitter)