鏡やタイル、冷蔵庫に何度でも貼ってはがせる「貼れるフレーム」

製品名:[写真整活]なんどでも 貼れるフレーム L判用(はがきサイズ用も有り)
メーカー名:アピカ株式会社
価格:630円(税込)
入手先:Pic-a-Pic

シート2枚でプリントをサンド。接着剤なしで何度でも貼れる吸着フレーム

 写真は、なるべくこまめにプリントしないとハードディスクの肥やしになるばかり。時間が経つとどんな写真を撮ったかすらも忘れてしまいがちです。最近はネットDPEなら1枚10円以下のところも多いので、なるべくまとめてプリントするのがおすすめです。

 こうして銀塩プリントしたものなら、紫外線や湿気にもある程度は強いので家の中で壁に直に飾っておいてもある程度は安心です。ただ、それでも水はねしやすいキッチンや洗面所、トイレなどに飾るのは“使い捨て”の覚悟が必要。いくら安いといってもせっかくプリントした写真は大切にしたい。けれど、額に入れるほどではない……というときに便利なのが今回のグッズです。

 「貼れるフレーム」は、パウチフィルムより少し厚手のシート2枚で、プリントをはさむ構造。はさむプリントのサイズ別に、「L判用」(外寸 147×109mm)と「はがきサイズ用」(外寸 162×114mm)があり、1セット3枚入で販売されています。1枚あたり200円程度しますが、使い捨てでなく繰り返し何度でも使用可能。よごれなどで裏面の粘着が弱くなったら、水拭きするとまた粘着力も戻るので、実際に使ってみると価格は高く感じませんでした。

「貼れるフレーム」は3枚で1セット。L判用とはがきサイズ用があり 2枚のフィルムの間に写真をはさんで使う

 「貼れるフレーム」の裏面は吸着しやすいよう加工されていて、ガラスや鏡、冷蔵庫の平面部分、光沢のあるドアや壁など、つるつるした面なら接着剤なしで貼り付けることができます。ただし、平面でも、壁紙やマットな加工やヘアライン加工がされたところには貼り付かず、カーブや凹凸も苦手。タイルや大理石など光沢のある面の割合が多ければ問題なく貼り付きます。ピンなどでは貼れない窓や鏡面を、手軽に写真を飾るスペースにすることができます。

 2枚のシート同士が、はさんだプリントの周囲にだけしっかり貼り付くため、シートが直接貼り付いてプリントを痛めることもなく、入れ替えもごく簡単。簡易パウチ加工のような使い方ができる便利グッズです。

 というのも、プリントしたあと、額に入れて飾るのは結構面倒なもの。その点、「貼れるフレーム」だと入れ替えが簡単なので思ったより使用率が高く、アルバムに入れる前に少し飾って楽しみたい、というときに便利なのです。

裏面の白いハクリ紙がついている部分が吸着する面 表フィルムの周囲にはチェックの模様入り。もともと入っている黄色の保護紙と写真を入れ替える
写真自体には貼り付かず、周囲だけが密着して挟み込む 裏面の吸着面も透明
冷蔵庫のドアなど光沢面ならたいてい貼り付けOK キッチンなど水や油が気になるところにも飾れる

 また、額に入れるとその場所から動かしにくくなりますが、「貼れるフレーム」だと、手にして近くでじっくり眺めやすいのもいいところ。裏面の吸着は手にしたときベタベタするほどではないので、こうしたパウチ代わりとしても結構実用的です。貼って使わない場合は、裏面の白いハクリ紙をはがさないまま使っても便利です。

家庭用インクジェットプリンターでプリントした写真の保護にもおすすめ

 銀塩プリントした写真をわざわざ保護しなくても、と思う方にも、家庭用インクジェットプリンターで印刷したプリントの保護におすすめです。知り合いにもらったいい写真が家庭用インクジェットプリンターで印刷したものだったり、届いたはがきがしばらく飾っておきたくなるものだった場合など、食卓にしばらくおいておきたいけれど、汚れたり濡れたりするのが困る場合は結構あります。うちでも最近、この貼れるフレームが活躍する機会がありました。

 少し前に、旦那が子どもを連れて、田舎に一人暮らししているお義母さんのところに遊びに行っていたのですが、そのときの写真をお義母さんがプリントして、うちに遊びに来るときに持ってきてくれたときのことです。

 持ってきてくれた写真を見てみると、色も合ってないし、用紙も純正じゃないし、位置もずれ、インクも漏れてるという、今すぐ田舎に行って設定しなおしたい気持ちになるものでした。これだと額に入れるにしても写真がズレてるし、このまま壁に貼っておくとあっという間に劣化しそうだったので、「画像データを送ってほしい」とお義母さんに正直に言うべきか、迷ってしまいました。

 が、お義母さんが写真に写っている子ども用のジャングルジムを見ながら「いつか孫が生まれて遊びに来たときのために、と思って10年も前に買ったものなんだけど、やっと使えたの」とうれしそうに語ってくれるのです。そのことを伝えようと不慣れなパソコンでがんばってプリントしてくれたんだろうなぁ、と思うと画像データをくれとはとても言い出せず、このプリント自体を大事にしようと思い直しました。

 写真は、そのままだと短期間で反りそうだったのでとりあえず「貼れるフレーム」ではさんで保護して食卓に置いて飾り、お母さんが帰ったあともしばらく夫婦で話題にしてなごんだあと、アルバムにしまいました。

 「貼れるフレーム」は、これまで写真が飾れなかった場所の吸着フレームとして、簡易パウチとして、いろいろな用途に活躍してくれるおすすめグッズです。

洗面所にももちろん貼り付け可能。鏡にはしっかり貼れます 光沢加工されていればドアなどでも大丈夫。多少の開け閉めで外れない
パウチ代わりに使うときは、裏面の台紙をはがさないで使っても便利
(2012/6/27)
西村 敦子
1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。カメラ雑誌の編集、家電製品のライターとしての活動が多く、インターネットの格安店やお得なサービスにも詳しい。2011年6月に第一子を出産し、子育て中。