Lesson 18 女子のための三脚レッスン part3 〜雲台の選び方&正しい使い方編〜

雲台の特性を知りましょう!

 今よりもっとステキな写真を撮りたい女子のための三脚講座、最終回は雲台の選び方と正しい使い方についてお話したいと思います。

 前回までは三脚の大部分を占める脚からエレベーターについて勉強しましたが、その頭の部分といえる雲台もとっても大事な三脚の要素です。ぜひ、自分にピッタリの雲台を見つけて使いこなせるようになってください!

 

同じ雲台だけど使い勝手は全然違う! 〜3WAY雲台と自由雲台のメリットとデメリット〜

 雲台には3WAY雲台と自由雲台の2種類があります。このふたつの雲台は使い方も違うのですが、それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分がどんな被写体を多く撮るか、主にどのような操作をするかを考えて選ぶようにしましょう。

 まず、3WAY雲台のメリットですが、上下左右、縦横の操作を個別に行えることと、それぞれの微調整がしやすいことがあります。テーブルフォトなどのミリ単位の構図の操作が必要な撮影に向いています。

 逆に3WAY雲台のデメリットは、ファインダーを覗きながら操作する場合は手元を見ずに複数のハンドルを使って調節をしなければならないので、慣れが必要になります。また、ハンドルが飛び出す構造上、持ち運びが不便という点があります。

 自由雲台のメリットは、ひとつのつまみですべての方向に動かすことができるので手持ちのような自由さで操作することができます。形状的にもデコボコが少ないのでコンパクトに持ち運ぶことができます。

 そんな自由雲台のデメリットは、上下だけなどの一方向の動きができないので、細かい角度の調節が苦手です。超望遠などの画角の狭いレンズでの撮影には慣れが必要です。

 私の場合は、室内でテーブルフォトの撮影をするときはライブビューを見ながら被写体のスタイリングをするので微調節をしやすい3WAY雲台を使用し、ロケのときは被写体に関わらずコンパクトに持ち運べる自由雲台を使用しています。

 まったくの三脚初心者で何を買っていいかわからないという方には、初めてでも使いやすい3WAY雲台をオススメしたいのですが、自分が撮りたいものが決まっている場合は上記のメリット・デメリットを考慮しながら選んでみてください。

 

自由自在に操りましょう 〜雲台の正しい使い方〜

 それでは、2種類の雲台の使い方をそれぞれ見ていきましょう。ハンドル(つまみ)がどの方向を向いているのが正しいセッティングなのかも確認しながら見てみてください。

【3WAY雲台の使い方】
縦位置にする
雲台の横に出ているハンドルを上下に操作するとカメラを縦位置にすることができます。
上下に動かす
後ろ方向に伸びているハンドルで上下の傾きを操作することができます。 縦位置にするときに操作したハンドルよりも少し長い物が多いです。
左右に動かす
雲台の台座にあるネジを右手で緩めて、左手でハンドルかカメラボディを持って操作しましょう。
【自由雲台の使い方】
基本姿勢
右手でカメラボディを、左手でつまみを操作できるようにカメラを三脚にセッティングしましょう。
縦位置にする
つまみの反対側に切れ込みが入っているので、そこに向けて傾けます。
上下左右に動かす
自由雲台は左手のつまみひとつで上下左右に動かすことができます。 長いレンズを付けているときは勢いよく動かすとレンズを傷付けてしまう可能性もあるので気を付けましょう。

 いかがですか? 同じ雲台でも操作方法はかなり違いますよね。間違った使い方をすると雲台の利便性がグッと下がってしまいますので、ぜひ、正しい使い方をマスターしてください!

 

おまけ 〜シチュエーション別・三脚の使い方講座〜

 では最後におまけとして、普通ではないシチュエーションでの三脚の使い方をお教えしましょう。これらは一例になりますので、ここからさらに使いやすいセッティングを編み出してもOKですよ!

斜面の場合
基本の立て方とは逆に前脚を二本、後ろ脚を一本にすると安定感が出ます。
柵がある場合
柵があるけどできるだけ被写体に近付きたいときは、前脚だけ柵をまたがせてしまいましょう。
階段や段差のある場合
開脚ストッパーを使って脚の開きを大きくして段差に対応させましょう。段差が大きい場合は脚を前に二本、後ろに一本にするともっと安定します。

 ひとつ注意点ですが、どんな場合でもエレベーターの棒がまっすぐになるように設置しましょう。また、脚を大きく開くときは前後左右にぶつかる人や物がないかの確認はしっかり行ってくださいね。

 さて、3回に渡ってお話をしてきました三脚レッスンですが、みなさん、三脚の基本は抑えられたでしょうか? 一緒に勉強してきたマリコちゃん、どうでしたか?

マリコちゃんコメント

三脚って気にはなってたけどすごく難しそうで、なかなか手にできなかったけれど、
3回のレッスンのお陰で今、すごく欲しくなってるんです(笑)
使い方さえマスターすれば簡単に使えるし、何より写真のクオリティーが上がる!!!
私の写真っていつもブレたり、撮る度に位置が変わってしまったりして困ってるんだけど
三脚があればもうその心配もなくなる?
三脚ってあまり角度や傾きを変えられないイメージがあっただけに、本当に優秀なことが良くわかりました!!!
一回使えばもう手放せません。

 正しく使えば撮りたい写真を撮るために絶大な威力を発揮してくれる、頼りがいのある機材が三脚です。無骨な外観を嫌わずに、これからはぜひ撮影のお供に連れて行ってくださいね!

(モデル:安井真理子)

(2012/5/18)
(みさき なな) フォトライター 東京都生まれ。B型。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、その作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWEBでのカメラレビュー、写真講座のライターとして活動中。
Twitter:@cosaruru ブログ:http://misakinana.com