Lesson 15 ドルチェをスタイリングして撮る!

 今回はドルチェの撮影に挑戦です! ただドルチェ単体を撮るだけではなく、コーヒーカップやグラスなども画面に入れて、ムードのある写真に仕上げましょう。

 

Best Shot ! photo by nana
■絞り優先AE(F5)/ISO200/WBオート/+1.5EV/焦点距離35mm/ナッツとドライフルーツのタルト
タルトの手前の断面にピントが来るようにし、斜め奥にコーヒーカップを配置してタテ位置で撮ることで奥行き感を出しました。

 

 ドルチェの撮影も他の料理と同じようにお皿の白色が綺麗に出る明るさまで露出を上げて撮りましょう。今回は状況カットではなくムードを大切にしたいので、画面全体がはっきりしている必要はありません。絞りは開放か1〜2段絞るくらいがいいでしょう。

 あとは、自分の好きなようにスタイリングをして撮るだけです。さて、マリコちゃんはどのように撮ったでしょうか?

 

NG Shot ! photo by mariko
■絞り優先AE(F5.6)/ISO400/WBオート/+1.3EV/焦点距離55mm/イタリア風クリームブリュレ
マリコちゃんコメント
テーブルにあるもの全部撮りたくて撮っちゃった。 やっぱり一番はクレームブリュレを主役にしたかったんだけど、 これじゃ何が主役かわからないなぁ。 コーヒーカップもかわいいし、トータルで見た雰囲気も伝えたいし。。。 って、なった結果がこれ・・・ ナナさん!!! どうしたら主役のブリュレもコーヒーカップもうまく撮ることができるんですか?? おしゃれに、美味しそうに撮りたいんです。 欲張りオーダーだけど、どうかアドバイスおねがいしまーす!!!

 

 テーブルにある水の入ったコップ以外の物をすべて配置して撮ったみたいですね。これでは何がテーブル上にあるかはわかりますが、ムードはちょっと……。明るさはちょうどいいのでスタイリングに手を加えてみましょう!

テーブルフォトの楽しさはスタイリングからです。出されたそのままではなく、自分のイメージを写し取れるように配置を変えてみましょう。

 まず問題なのがこのスタイリングでは主役がどれだかわかりにくいこと。でも、普通に考えれば主役はドルチェのクリームブリュレですよね。これをわかり難くしている原因はその上に配置された準主役ともいえるコーヒーカップにあります。

 このように、主役と準主役がタテの直線状に並んでしまうと見る人の目を拡散させてしまい、どこを見ればいいのかがわかり難くなってしまいます。これを解消させるためには主役と準主役の立ち位置を考えることと、もっと主役に寄って撮って目立たせてあげましょう。

 

GOOD! photo by mariko
■絞り優先AE(F5.6)/ISO400/WBオート/+1.3EV/焦点距離55mm
マリコちゃんコメント
えー!!! 配置を変えるだけでここまで変わっちゃうんだ!!!! ちゃんと主役のクレームブリュレが存在感を出してるし、さらにとっても食欲をそそる美味しそうな写真になってる。 コーヒーカップもちゃんと存在感があるのにクレームブリュレの邪魔してない。 というより良い意味でスパイスを利かせる存在に! 目からウロコ!!!! 料理やデザートの撮り方を学んだことによって、これからまたカメラを持ち運んで撮る楽しみが倍増しましたー!!!!!

 

 お手本写真を元にスタイリングをしなおしたマリコちゃん。ドルチェのお皿は角が斜めになるようにし、準主役のコーヒーカップはドルチェの対角線上の斜め上に配置しました。これで、主役のドルチェの存在感が増し、ボケたコーヒーカップの絵柄がムードを醸し出してくれます。

 今回のような主役と準主役を対角線上に配置するスタイリング方法を知っておくと色々な撮影に応用できますので、ぜひ、覚えて置いてください!

今回の撮影機材
NIKON D5100
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
撮影協力=Bottega Lira
ホームページ(http://www.bottega-lira.com/
Facebookページ(https://www.facebook.com/BottegaLira

(状況撮影=編集部)

(2012/3/28)
(みさき なな) フォトライター 東京都生まれ。B型。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、その作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWEBでのカメラレビュー、写真講座のライターとして活動中。
Twitter:@cosaruru ブログ:http://misakinana.com