デジカメは複数台を、手の届く場所へ

産まれて一週間ほどのの頃の写真です。赤ちゃんと言えば笑顔!ですが、最初の数カ月は寝てるか泣いてるかで、笑うことはありません。最初は目を開けることも少なかったので、我が家的にはこれはシャッターチャンス!でした
うちの子は当初呼吸が安定せずNICUに10日ほどいました。NICUはケータイは持ち込み不可でもカメラは持ち込み可でした。いまとなっては貴重な写真になり、病院の配慮に感謝です
お風呂でお気に入りの首浮き輪「スイマーバ」中のカット。お風呂カットは、あられもない姿でお見せできないものがほとんどで残念です
リビングに置いていると、カメラが子どもの餌食になることも多々あるので、机の上に置くのをお忘れなく……

 昨年6月、第一子を出産しました。あっという間に成長する子どもの写真をなんとか残そうと、子育ての合間に四苦八苦しながら撮影する毎日です。撮影の腕自体はたいしたことないのですが、カメラ雑誌の編集を10年以上やってきたこともあって、周りのママ友さん達にカメラについてよく相談されます。また、自分で子どもを撮りながら、あらためて気がついたことも多々ありました。この連載では、これまでに気がついた子ども撮影の便利グッズやコツなどをご紹介できたらと思います。

 初回の今回は、我が家の場合、デジカメは家中、手の届くところに置いている、という話です。カメラは常に手元に置いておかないとシャッターチャンスを逃す、というのはよく聞く話ですが、子どもの撮影はまさにコレ。カメラの持ち込みが許されている所ならどこでも持って行き、家の中にはそこら中に置いておく、というのがなによりのコツだと感じています。よく、ママ友さんに「どんなカメラを買ったらいいかなぁ」と相談されますが、高額な1台を買うよりも、ミラーレスでもコンパクトデジカメでも、とにかく使いやすいカメラをそこら中に、複数台置いておくことのほうが、よっぽどシャッターチャンスを増やすと思います。

 うちの場合は、カメラを置きっぱなしの場所が4カ所。授乳に使うリビングのソファの横、ベビーベッドの横、風呂場、ベビーカーです。

リビングに置いているのは小型のミラーレスですが、レンズキャップは常に外しっぱなし。授乳中にとてもかわいい顔を見せてくれるので、手を伸ばせば届く位置に置いています。ちなみに授乳中は片手しか使えませんから、重い一眼レフは向かないと思います。リビングでお遊びしているときにも使っているので、我が家ではこれがメインカメラです。

 次にベビーベッド。これは寝顔用です。子どもの寝顔は本当にかわいいですよね。薄暗い状況でも撮れるように、できるだけ高ISO感度のものが使いたいのですが、一眼レフだとシャッター音で起きてしまいそうになったので、結局コンパクトデジカメに小型三脚を付けっぱなしで使っています。至近距離から撮るので、もちろんフラッシュはオフで。AF補助光という、ピントを合わせるときに光る赤や緑のライトは、ごく弱い光なので、あの色味の毒々しさとは違って赤ちゃんには影響はないようですが、撮るとき「起きちゃうかも」と心配になるときは、たいていメニューからオフにできます。

 風呂場に置いているのはネットオークションで安く買った中古の防水コンパクトデジカメ。中古なら5,000円ぐらいで十分買えます。個人的にお風呂タイムは手間も時間もかかって苦手なのですが、最後に写真を撮ろう!と思うと目的ができてちょっとモチベーションが上がります。

 ベビーカーにはカメラは入れっぱなしです。これも以前買った古いデジカメです。最初は普段使いのカメラを持ち歩いていたのですが、肝心なときに持って行き忘れたり、戻し忘れてシャッターチャンスを逃すことが何度もあったので、もう面倒になって別のカメラを入れっぱなしにすることにしました。

 中古デジカメや古い機種を使うときに気になるのが画素数ですが、個人的には800万画素程度あれば困ることはまずないと思います。子どもの写真はよくプリントしたりフォトブックにしたりしますが、どんなに高品質の商業印刷でも解像度(印刷のきめ細かさ)に350dpiまでしか使いませんから、そこから逆算すると必要な画素数はL版なら215万画素、フォトブックでよく使うA5サイズでも592万画素。トリミングしたりレタッチすることを考えても普段使いなら700〜800万画素あれば支障ないと思います。画素数よりも、手ぶれ補正機能や顔認識機能が付いていたり、レンズが明るかったり、ISO感度が高かったりするほうが撮れる写真には影響が大きいと思います。ちなみにA4サイズだと1,184万画素になりますから、お宮参りやお食い初めなど「ここぞ!」という1枚はやはりミラーレスや一眼レフがオススメです。

 我が家の場合、夫婦共々それほど写真がうまくないので、こんな風にシャッターチャンスを強制的に増やしてなんとか子どもの笑顔を撮ろうとしています。ときどき、知り合いのプロカメラマンに撮ってもらった写真を見ては「こんな風には撮れないなぁ」と落ち込みつつ、いや、いつも撮っている親にしか撮れない写真もあるはず、と自分を励まして日々記録しています。せっかくの被写体が目の前にある日々ですから、写真を撮るのがうまくないから……とあきらめずに、とりあえず記録、ぐらいの気持ちで一緒に撮り始めてみませんか。

(2012/1/26)
西村 敦子
1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。カメラ雑誌の編集、家電製品のライターとしての活動が多く、インターネットの格安店やお得なサービスにも詳しい。2011年6月に第一子を出産し、子育て中。