Lesson 3 ハイキーで青空を爽やかに撮りましょう!

 連載第3回目の今回は、カメラ初心者のマリコちゃんが生徒さんとして登場です。

 今までコンデジしか使ったことがないというマリコちゃんですが、レッスン前から「自分の作品を展示してみんなに見てもらえるくらいに上達したい!」と、気合が入りまくっています。

 そんなマリコちゃんがまず撮ってみたかったのは、明るくて爽やかなムードのハイキーの写真ということなので、今回のレッスンのテーマは‘青空’と‘ハイキー’にしましょう!

 

Best Shot ! photo by nana
■絞り優先AE(F5)/ISO200/WBオート/+2.3EV/ピクチャーコントロール:Soft(@v@)/*(カスタム設定・本文参照)
橋の下から見上げるようにして撮影。太陽が木の上の方にある状況なので、露出補正をしないと逆光で真っ暗な写真になってしまいます。
■絞り優先AE(F5.6)/ISO400/WBオート/+2EV/ピクチャーコントロール:ニュートラル(輪郭強調0/コントラスト-3/明るさ+1/彩度-3/色相-3のカスタム設定)
広角レンズで遠近感を強調しながら、雲と奥の建物が白トビしないギリギリの明るさまでプラス補正しました。彩度と色相はマイナスに設定してドリーミーに!

 

 

 まずは上のお手本写真を参考に、マリコちゃんに自由に撮ってもらいましょう!

 …マリコちゃん、それじゃオージー・ビーフのCMだよ(笑)。左手はレンズの下に添えて、シャッターを押す衝撃でカメラがガクンと下がらないようにしましょう。

 そう、右手の親指はカメラボディの後ろに専用の置き場所があるからそこに置きましょう。カメラボディの構造って、写真が撮りやすいようにちゃんと考えられているんですよね。

 

NG Shot ! photo by mariko
■絞り優先AE(F5.6)/ISO200/WBオート
ススキを入れたい気持ちはわかるんだけど、濃い緑が多く画面に入っちゃってるから‘爽やか’ってイメージではなくなっちゃいました。
■絞り優先AE(F5.6)/ISO200/WBオート/+2.3EV
プラスの露出補正で爽やかさが表現できました、でも青空が主役といっても、手前のススキにもピントを合わせないと単なるピンボケ写真になっちゃう!
マリコちゃんコメント
二つともイメージしてた「白日夢」のイメージが全然出てない。。。
左の写真は、空の大きく一面に広がってるのびのびした感じが無いし、現実的な写真になっちゃった気がする…。
右の写真は、空とススキの奥行きも感じず、ただぼやけた写真でときめかないな〜。想像したものを写真に撮るのって難しいー!!!!
ナナさんっ! どうしたらステキな景色が撮れるんですかー?? どうしても白日夢を表現したーいっ!!

 

 

ハイキー設定を自分で作りましょう

 簡単にハイキーの写真を撮るにはカメラに搭載されているフィルター機能を使えばいいのですが、ここはレッスンらしく、自分でカメラの設定をしてみましょう。

 今回はニコンのD5100を使用しましたので、一例としてその設定画面でお話をします。

 メニューから「ピクチャーコントロール」の「ニュートラル」を選択して、「輪郭強調」を‘0’に、「コントラスト」を‘−3’に、「明るさ」を‘+1’に設定します。これで、コントラストの低いほんわかした写真を撮る下地の設定が完了です。

 この設定は好きな名前をつけて保存することができるので、「Soft(@v@)/*」と顔文字なんかも交えてかわいくネーミングしてみてください。

 それでは早速、「Soft(@v@)/*」の設定を使って青空とススキのハイキー写真を撮ってみましょう。

 青空とススキの両方を入れるためには立ったままではなく、しゃがんで撮影しましょう。そうすると逆光になってススキが暗くなってしまうので、そのススキを好きな明るさまで明るくする気持ちでプラスの露出補正をしていきましょう。

GOOD! photo by mariko
■絞り優先AE(F5.6)/ISO200/WBオート/+2EV
マリコちゃんコメント
うわっ!!!
ナナさんが教えてくれた通りにしたら、自分のイメージしていた「白日夢」が表現できたー!!!
空もススキも今にも穏やかに動き出しそうな感じにっ!
大大大満足の写真が撮れましたー! 写真って楽しい!!! もっともっといろんな写真を撮りたくなっちゃいました!!!

 

 

明暗差のある被写体を狙いましょう

 ここまでピクチャーコントロールと露出補正というカメラ側の設定のお話をしてきましたが、被写体も重要で、ハイキーに向いているもの、向いていないものがあります。

 基本的には明暗差のある被写体で主役にしたい部分がシャドウ部にある、つまり、見せたいメインの被写体が暗いから明るく露出補正をしよう! という考え方で被写体を探すとわかりやすいでしょう。

 もともと明るい被写体をハイキーで撮ると、肝心の見せたい部分が白トビしすぎちゃって何を撮ったのかわからない…という悲しい写真ができあがってしまいます(涙)。

 さて、今回ハイキーを勉強したマリコちゃんには、これからも生徒さんとしてこのコーナーに出演してもらいます。カメラ初心者のマリコちゃんに負けないように、みなさんも一緒に勉強していきましょう!

(状況撮影=編集部)

 

今回の撮影機材
NIKON D5100
AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR

 

 

(2011/10/18)
(みさき なな) フォトライター 東京都生まれ。B型。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、その作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWEBでのカメラレビュー、写真講座のライターとして活動中。
Twitter:@cosaruru ブログ:http://misakinana.com