VR Watch

攻撃手段一切なしのホラーVRゲーム「ChainMan」がSteamで本日発売

マウスコンピューター・秋葉原ダイレクトショップで体験可能

株式会社桜花一門は、探索型VRホラーゲーム「Chainman」を8月16日に発売しました。

Chainmanは、ゾンビが徘徊する孤島からの脱出を目指してマップの仕掛けを解きながら進むホラータイトル。相手を攻撃する手段がなく、見つからないように隠れながらギミックを解いていくのが基本的な進め方です。HTC Vive用のタイトルとして、ゲーミングプラットフォーム「Steam」上で購入可能。価格は2,980円。8月23日までは3割引の2,086円で購入できます。近日中にはPlayStation VR版もリリース予定です。

プロモムービー

8月15日にマウスコンピューター・秋葉原ダイレクトショップで開催されたメディア向け体験会では、本タイトルの体験用ステージの試遊と、開発会社の代表者、桜花一門氏による作品説明が行なわれました。

Chainmanの体験用ステージは、閉鎖された坑道のような場所で、ゲートを開くためのキーを2つ見つけて、ロックされた扉を開くのが目的。周囲を見回しながら、敵が見えたら距離をとって隠れてやりすごし、キーを探します。ステージ内には身を隠せる木箱やドラム缶などが用意されており、敵の気を引くための発煙筒なども配置されています。体験用ステージはVR関連イベントや展示会などで試遊できるものと同じ内容で、回転率を上げるために、少し難しくしてあるとのことで、怪物に見つかると一瞬でゲームオーバーになるため、遮蔽物を上手く使って敵の視線を切る、慎重な操作が求められました。

体験プレイ中の様子
暗闇の中を探索していく
主人公は孤島の施設で正体不明の怪物に遭遇する
Viveコントローラの操作チュートリアル
マウスコンピューターの秋葉原ダイレクトショップで当面のあいだ試遊も可能。
試遊用のゲーミングPC「G-Tune」。Core i7 i7-7700K、GeForce GTX1080搭載のハイエンドマシン「NEXTGEAR NG-i660PA3-EX3」が採用されている
桜花一門氏

桜花一門氏によれば、本作を制作するにあたっては「リアリティレベル」の設定に気を遣ったといいます。

「本作の開発期間は1年半ほどですが、最初の1年間は、ものすごく難航しました。ビジュアルもそうですが、操作性の面でも、中途半端なリアリティは却って現実感を損なうので、この部分の調整には気を遣っています。例えば、本編の基本カラーをモノクロームにして、あえて情報量を減らすなどの工夫をしました。最終的には、VR空間の中で自分が感じる『リアル』の中でも『面白い』と思えるようなレベルを落としどころとしています」

「エンターテイメントの真髄は、感情をいかに動かすかだと考えています。個人的に深夜の街を歩くのが好きなので、その時感じる『そこに何があるのかわからない、誰に遭うのかわからない恐怖』をヒントにしながら、手軽に恐怖を体験できるような作りにしました」

本作のストーリーは、携帯端末に表示されたグループチャットの会話を通して進みます。桜花一門氏は、ストーリーを表現する方法としてグループチャットを採用した経緯について、ゲーム制作の「師匠」にあたる広井王子氏とのエピソードも披露しました。

「以前、広井王子さんがとあるアイドルと仕事をしたときに、連絡手段が『LINE』だったらしく、まるで現実に『アイドルマスター』をしているような感覚になった、という話をしていたんですね。そこから、LINEのようなグループチャットで、物語を表現するという着想を得ました」

ストーリーはグループチャットの会話を通して進行する

VRタイトルとしてのChainmanの特徴のひとつとして「敵に対して攻撃ができないこと」が挙げられます。桜花一門氏によると、ホラーを謳う既存VRタイトルの中でも、敵キャラを攻撃できないタイプのゲームは珍しいといいます。

敵に捕まると強制的にゲームオーバーになってしまう、なかなかシビアな難易度

「本作では『怖い』という感情を大切にしたいと考えているので、敵を攻撃して撃退するというアクションは入れていません。敵を攻撃できてしまうと怖さがなくなってしまうし、長くプレイしていると、敵がただの的にしか見えなくなってきてしまうんですよね。また、武器を持っていないときなど、攻撃できない状況では強いストレスを感じたり、色々と問題が出てきたのもあります」

通しクリアまでのプレイ時間はおよそ3時間程度を想定しており、慣れれば1時間程度でクリア可能としています。ちなみにストーリーも分岐して、バッドエンドとトゥルーエンドが存在するといいます。

今後のアップデート予定としては、2人で遊べるマルチプレイモードを搭載予定。マルチプレイのコンセプトは「友達を家に誘いやすいVR」としており、VR HMDをかぶって遊ぶプレイヤーと、モニターに出力された別視点の画面を見て遊ぶプレイヤーで役割分担をしながら進めていくような形になる予定です。ステージはマルチプレイ専用になるとのこと。

関根慎一