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SXSWで話題を呼んだ「8K:VR RIDE」が10月に日本で一般公開決定

半球プロジェクションと体感シートで臨場感がスゴい!

今年3月に米国テキサスで行われたトレードショー「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2017」で初出展され、その見た目のインパクトもあり注目を浴びた「8K:VR RIDE」が、今年10月27日~29日に開催される「DIGITAL CONTENT EXPO 2017」で一般公開されることが決定。それに先駆けてメディア向けの先行体験会が行われました。

8K:VR RIDE

NHKの8K VR第2弾

今回の「8K:VR RIDE」を制作したのは、NHKエンタープライズ、NHKメディアテクノロジー、レコチョクラボ、WONDER VISION TECHNO LABORATORYの4社。2016年に公開された「8K:VR Theater」に続き、8Kを推進するNHKによる8K:VRシリーズの第2弾という位置付けです。両作ともにHMDなどを用いるタイプのVRと違い、HMDなしで楽しめるため、複数人で楽しみをシェアできるVRとなっています。

その名の通りシアター型の8Kプロジェクションだった前作と違い、今回は体感型のライド筐体に最大2名で搭乗し、視界いっぱいを埋める半球型のスクリーンや立体音響を用いる、臨場感の高いものとなっています。

実際の体験の様子

実際に体験してみると、8Kならではの精彩感あふれる映像が視界いっぱいに広がり、かなりの臨場感。前回の「8K:VR Theater」を体験したときも感じましたが、映像というのは画質が一定以上になると「立体視じゃないのに立体みたいに見える」というのがよくわかります。「8K:VR Theater」は前方にあるスクリーンを視聴するシアター型だったため、スクリーン上の高精細映像がまるでホログラフィックのように見えましたが、今回の「8K:VR RIDE」は視界が覆われているため、正しく没入型VRのような視聴感覚です。加えて、映像に合わせて上方から送風されたり、座席がぐわんぐんわん揺れたりするため(本当に思った以上に揺れます)、疾走感抜群の体験となります。

映像中の楽曲としては、サザンオールスターズの「東京VICTORY」を使用。映像中で移り変わる東京の風景と歌詞が合わさり、過去への郷愁と、それ以上に強い未来への希望が喚起されるコンテンツとなっています。

WV Sphere 5.2を採用

今回の「8K:VR RIDE」のある意味根幹となるのが、WONDER VISION TECHNO LABORATORY製の「WV Sphere 5.2」です。WV Sphere 5.2は半球型スクリーン、プロジェクター、モーションベースなどがパッケージングされた映像システム。基本はオールインワンでの提供となりますがカスタム構成にも対応します。4K映像を用いた採用事例はこれまでに何件かありましたが、8Kの事例としてはこの「8K:VR RIDE」が最初とのことです。

半球型スクリーン、プロジェクター、サラウンドスピーカー、モーションベースなどがセットになったオールインワンシステムとなっている

映し出されていた映像は実は16:9のもの。四隅が幾分カットアウトされるものの、16:9で撮影した映像がそのまま使用できるため、コンテンツ編集の手間なく手軽に没入感あふれる映像体験を実現できます。すでに存在する16:9映像を再利用し、新たにVR体験として落とし込むこともできそうです。

また、大掛かりなシステムではありますが、電動昇降フレームによって短時間での設置・調整が可能。収納時は4t車1台で輸送が可能なほどにコンパクトになるとのことです。

今年10月に一般公開!

「8K:VR RIDE」ですが、冒頭でも書いた通り、今年10月27日~29日に開催される「DIGITAL CONTENT EXPO 2017」で一般公開される予定です。と言っても今年はまだ開催場所も決まっておらず、実際の体験方式については後日の発表となるようです。