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みんなでMRの第1人者になろう! HoloLensを活用「Mixed Reality/スマートグラス基礎講座2017」についてアイ・エム・ジェイ「すまのべ!」に聞く

昨年2016年は「VR元年」と言われたりもしましたが、今年2017年は新年早々、MicrosoftのMRヘッドセット「HoloLens」が日本で出荷開始されたこともあり、「MR(Mixed Reality)元年」となりそうです。

そんなMR分野で実際、どのようなことができるのか。理論と実践を通じて理解を深められるのが、株式会社インプレスが3/16より開催する全5回のセミナー「Mixed Reality/スマートグラス基礎講座2017」です。

今回は、第1回から第4回までの講義を担当する、株式会社アイ・エム・ジェイのR&Dユニット「すまのべ!」のお二人に、同社のMRへの取り組みや今回の講座の見どころなどについて聞いてみました。

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HoloLensもTangoもロボホンも。社内2人組ユニット「すまのべ!」とは?

株式会社アイ・エム・ジェイの受付すぐ脇にある、ガラス張りの怪しい(?)部屋。真っ先に目に入る3機のPepperや、各社のVRヘッドセット、そして日本ではまだ手に入らないあれやこれやのデバイスが所狭しと並んでいる、オフィスというよりは実験室のようなその場所が、「すまのべ!」の執務室です。

1996年にWeb制作会社として創業し、現在ではデジタルマーケティング事業全般を手がけるアイ・エム・ジェイ。その中にあって、Web以外のテクノロジーやデバイスをデジタルマーケティングに活用するための研究開発を行なっているのが、社内2人組ユニット「すまのべ!」の加茂春菜さんと田野哲也さん。

アイ・エム・ジェイ「すまのべ!」の加茂春菜さん(右)と田野哲也さん(左)

「このガラス張りの部屋は、会社に訪問された方が気軽に入ってこれるようになっているんですよ」(田野さん)

たしかに、大抵の人は「なんだこの部屋は!?」と興味津々になること請け合い。部屋の中には、先端デバイスがズラリと並んでいます。Oculus RiftやHTC Vive、Google Tango対応スマートフォン、ロボホン、Pepper、そしてもちろん「HoloLens」。

HoloLensを使う加茂さん。HoloLens未体験だった筆者も実際に使わせてもらい、その未来感に圧倒
Google Tango対応のスマートフォンのデモで、机の上に大統領っぽい人を表示。HoloLensのようなMRをスマホで気軽に体験できます

VRに関してはOculus Riftの開発版が出た頃からやっていたというアイ・エム・ジェイ。その成果がはじめて世に出たのは2013年の「http://360-horror.com」。SHIBUYA TSUTAYA店頭で行なわれた期間限定イベントで、Oculus Riftと心拍センサーを組み合わせた秀逸なプロモーションでした。

​「Webが中心事業のアイ・エム・ジェイにあって、私たちのユニットはWeb以外の技術をどのように企業のマーケティングに役立てられるか、というアイディアの研究をしています。そもそものスタートのきっかけも、KinectがPCに対応したとき、これを活用して、いわば「画面の外」に飛び出していけないか、と考えたことだったりします。現在は、MRはもちろん、ロボットの活用やセンシングなどにも取り組んでいます」(加茂さん)

最近の事例としては、AIとロボットを連携することで「伊勢丹でPepperがソムリエになる」企画にも技術協力。また、ロボホンとMRヘッドセットを連携させる試みなども行なっています。そうした成果はすまのべ!のWebサイトでも見ることができます。VR/AR/MR、AI、センシング、ロボティクスなど、最新の技術をつないでデジタルマーケティングにおける新しい価値を創造するために活躍を続けているようです。

セミナーのみどころは? 基礎知識からコンテンツづくり、ビジネスへの応用まで

今回のセミナーのテーマは、「ビジネス方面からの注目度は、VRよりも明らかに上」という「MR」。特に、セミナーでもフィーチャーされるHoloLensに関しては、Google Glassなども実際に試していたお二人からすると、「描いていたものが再現できる待望のデバイス」。セミナーでは、そうした技術の一端に触れることができるのはもちろん、実際のビジネスへの利用も含めて総合的にな知見を得ることが可能です。

「企業のマーケティング担当者で、MRを活用したいという方には是非来てほしいですね。業種は特に問いません。むしろ、様々な業種の方々のあいだでMRを活用するための新しいアイディアを出し合いたいと考えています。セミナー4日目にはそのためのワークショップも実施します。また、実際にMRに取り組む、となった際に役立つことを紹介して行ければと考えています」(加茂さん)

セミナーの第1日目は、「VR/AR/MRの基礎」に関する講義。VR/AR/MRの違いといった基本的な所から、具体的な活用事例や将来性まで、この講義を聞けばわかる!という内容になりそうです。

2日目からは、Microsoftの「HoloLens」をフィーチャーし、MRの具体的講義に入ります。しかも、日本マイクロソフトのテクニカルエバンジェリストも登壇し、3時間でHoloLensがひととおり理解できる内容になりそうです。人数は限られますが、実際にHoloLensを体験することもできるとのこと。

3日目は、無料で使えるコンテンツ作成ツールの「Unity」を用いて、実際にンテンツを作成するハンズオンです。プログラミングの専門知識は不要とのことで、「誰でも簡単に、しかも無料でVR/MRコンテンツづくりができる」というすごさを実感できるはずです。

4日目は、それまで学んできた内容をもとに、具体的にどのようにビジネスに応用できるか、参加者全員で考えていくワークショップ形式。自由な発想で、アイディアをかたちにしていきます。そのためにも、それまでの講義でしっかり知見を吸収しておきましょう。

以上の4日間がアイ・エム・ジェイによるセミナーですが、5日目はOculus社が事例研究と講演を担当。MRメインのセミナーですが、普及が進むVR方面への理解も深まるはずです。

MRの分野で第1人者になるための第1歩

先日開催された「Tokyo HoloLens Meetup Vol.1」では、来場者がHoloLens所持者限定だったにもかかわらず、80台のHoloLensが集結し、しかもそれらの同時接続に成功。それだけの台数が同時に接続したのは世界的にも例を見なかったとのことで、海外でも話題になりました。

「そのときは、HoloLens装着者全員の頭上にアバターを表示し、それを用いてシューティングゲームができました。80人以上がおなじ仮想現実を共有したわけです。日本ではHoloLensの予約数が欧州の3倍だったともいわれていて、発売前から注目度が異常に高いんですよね。いち早く使っている人たちも、HoloLensをこんなことに使っちゃうんだ、というちょっと変態的な人が多い(笑)」(田野さん)。

「仮想現実のシェアというのは、Google Glassにもなかった、HoloLensならではのところですね。それにしても異様ですよ、1月に出荷開始された何十万円もする開発者向けデバイスを、2月初めに80人が携えて来場したんですから。テクノロジーは海外からやってくることが多いですが、それをどう使うかに関しては、やはり日本はすごいと思います。私たちも、こうした技術が最終的にどのように企業のビジネスに役立つのか模索中です。実のところ、セミナー参加者の皆さんとアイディアを共有して、場合によってはその後もいっしょに何かやっていけたらと考えています。皆さん、是非いっしょにMRの分野で第一人者になりましょう」(加茂さん)。

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