東芝デジタルソリューションズとアルパインは、2017年9月5日、関西電力の協力を得て、電力インフラ巡視・点検を目的とした、ドローンによる送電線の自動追尾飛行と自動撮影の実証実験に成功したと発表した。

 現在、電力インフラ事業における送電線や鉄塔の巡視・点検は、習熟した保全作業員による目視点検が主流となっている。山間部などアクセスしにくい場所を点検する際にドローンを活用することで、異常個所の迅速な状態把握と保全業務全体での労力の低減・効率化につなげる狙いだ。

 今回の実証実験では、関西電力の能力開発センターに設置された、電気の流れていない訓練用の送電線を用いて、自動追尾飛行および自動撮影を実施。ドローンに搭載したセンサーで送電線との距離を測定することで、送電線から一定距離を保ったまま、鉄塔間の約200メートルを自動追尾飛行・撮影することに成功した。撮影した動画は、送電線の小さな傷も判別できる鮮明さだったという。

訓練用の送電線の上空を自動飛行撮影するドローン
ドローンが上空から自動撮影した送電線

 今後は、実際に電気が流れている実用送電線での実証実験などを進め、ドローンによる巡視・点検サービスの実用化を目指していくとしている。また、東芝デジタルソリューションズは、同社のAI技術を活用し、撮影された送電線の動画から異常個所を自動検出するサービスの実現にも取り組んでいるという。