アイネット、Dアカデミー、トライポッドワークス、ドローン・ジャパンの4社は、日本におけるさまざまなドローンビジネスの実用化を目指してアライアンス「Drone Business Realizing Initiative Japan(DBRIJ)」を設立したと発表した。

現在日本では、ドローンを各種ビジネスに応用する実証実験を数多くの企業が実施している。これらの実験が終了すれば、日本においてドローンを活用した本格的なサービスの提供が始まると予想できる。

 その動きに対して今回DBRIJを設立した4社は、各社が持つ独自の技術やノウハウ、サービスを持ち寄って、ドローンビジネスの早期の実用化を狙う。また、まだどの企業も見付けていない市場の創出にも取り組むとしている。4社の技術やノウハウを持ち寄って、企業1社からの依頼に共同で対応することも予定している。

 アイネットは、データセンター事業を展開する傍らで、ドローンの試験飛行場「Dream Drone Flying Field」を千葉県君津市内のドローン飛行禁止区域外に開設している。飛行エリアの面積はおよそ14万平方メートルで、主にドローンを活用した事業展開を検討する企業に向けて実証実験の場として提供する。

 また、このドローン飛行場を利用する企業はアイネットが運営するGPU(Graphics Processing Unit)搭載のクラウドサービスを優先的に利用できる。このサービスを利用すれば、ドローンのカメラが捉えた4K映像や、3D画像の高速処理などが可能になる。

 Dアカデミーは一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)認定のドローンスクールを運営している。国土交通省が推奨する「i-construction」や空撮などについて教えるカリキュラムも用意しており、企業の要望に応じて人材育成を引き受ける。

 トライポッドワークスは、土木/農業/介護などの分野での活用を目指した映像解析サービスを提供しており、その延長としてドローンが搭載するカメラの画像を解析するサービスも提供している。さらに、ドローンの自動飛行技術の研究にも取り組んでいる。

 ドローン・ジャパンは、ドローンを活用した次世代農業技術の開発に取り組んでおり、「ドローン米」プロジェクトを推進している。また、ドローン向けのオープンソースソフトウェア開発者の養成、支援なども手がけている。

 DBRIJは以上4社が提供している技術、サービスをまとめてメニュー化し、一括で提供する予定。また、実証実験を希望する企業にはアイネットのDream Drone Flying Fieldを実験の場として提供する。

 また、共同で技術開発にも挑む。具体的には強風や妨害電波の影響で飛行が困難な状況でも情報を蓄積し、活用するための技術の開発や、ドローン航行中の事故を防止する技術の開発、さらに技適マーク取得前の海外製ドローンの試験飛行を実施する予定。海外製ドローンの試験飛行で得られた各種データは公開する。

 加えて、ドローンを活用した独自ビジネスの展開を考える個人や少人数のグループに対して、「インキュベーションセンター」の役割を果たす予定。対象者にドローンビジネスについてのコンサルティングを実施したり、操縦のトレーニング、操縦士の派遣、アイネットの試験飛行場と、付随するGPUクラウドを提供し、ドローンビジネスの事業化を各方面から支援するとしている。