ドローンジャーナル

コロラド大学ボルダー校の研究チーム、ドローンを活用した土壌水分量計測実験を実施

 アメリカの州立コロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)は2017年7月28日、同校の研究者と学生のチームがドローンを活用して土壌の水分量を計測する実験を実施すると発表した。ドローンの機体は、同校の地元であるコロラド州ボルダーを拠点とするBlack Swift Technologies社が開発した固定翼型のものを使う。ちなみに、Black Swift Technologies社は、コロラド大学ボルダー校で航空宇宙工学の博士号を取得した研究者たちが2011年に設立した企業だ。

土壌水分量計測実験で使用する固定翼型ドローン

 実験は今後数週間のうちにコロラド市北東部のユーマ市にある灌漑試験施設「Irrigation Research Foundation」で実施する予定。土壌の水分量をドローンから測定するセンサーはコロラド大学ボルダー校の電気・計算機・エネルギー工学部教授であるAl Gaseiwski氏のチームが開発したもので、50フィート(約15m)四方単位で、地中およそ8インチ(約20cm)までの水分量を検知できる。

 土壌の水分量計測にはアメリカ航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)も取り組んでおり、2015年には土壌水分量を計測する人工衛星「Soil Moisture Active Passive(SMAP)」を打ち上げている。レーダーを使って、約1.86マイル四方単位で土壌の水分量を計測する機能を持つが、現在このレーダーは壊れてしまっている。研究者はSMAPがレーダーに加えて搭載している放射計で、土壌水分量を計測しているが、解像度が25マイル(約40km)四方と低いことが問題になっている。

 今回の実験では、ドローンで土壌水分量を精密に計測し、SMAP衛星の大まかで広範囲な計測結果と合わせて利用することを計画している。また、実験の場となるIrrigation Research Foundationの土壌には、水分量を計測するセンサーを埋め込んである。ドローンによる計測結果と、土壌埋め込みセンサーの計測結果を比較して、どれほど正確に計測できるかを検証する予定だ。

 この実験が成功して、土壌の水分量分布を示す地図ができれば、土地の有効活用につながる。土壌の水分量の多さによって、土砂崩れの可能性を検知したり、土壌からの水分流出を検出できるようになる。特に、農業では大いに役立つと考えられる。農場全体の土壌水分量を人間の目で正確に把握することは不可能だ。そこで、農場上空にドローンを飛ばして水分量分布を調べることで、農業従事者は水分が足りない部分や多すぎる部分を知ることができ、適切に対処できるようになる。

 研究を統括するBrian Argrow教授は、「この夏、我が校の研究生は、この実験に限らず世界各地でドローンを利用した研究に取り組んでいる。彼らにとって、実地で経験を積むことは何より良い訓練になるはずだ」と語っている。