NTTデータは2017年5月31日、空域の安全を確保しながら同時飛行する複数のドローンを管理するソフトウェア「airpalette UTM」を2017年10月から提供開始すると発表した。業務に使用するドローンを同時に複数、しかもほぼおなじ空域で運航する業者に向けて提供する。

 最近はドローンの普及が急速に進み、トンネルや橋梁などの社会基盤や災害時の救助活動など、人間が担当するには危険、あるいは手間がかかる作業をドローンに代行させて、業務効率を向上させる例が増えている。このようなとき、複数のドローンをほぼ同じ空域で同時に運航して、業務効率を上げる例があるが、それぞれのドローンが接触しないように安全に運行するには手間がかかることがある。

 NTTデータは有人機航空管制向けのソフトウェアやサービスを40年以上手がけてきた経験がある。今回発表したairpalette UTMはその経験と知見を活かして開発したものだ。

 airpalette UTMは大きく2つのソフトウェアに分けることができる。1つは「FOS(Flight Operation System)」と呼ぶもので、遠隔操作の複数のドローンを同じ空域で同時に飛行させることを可能にする。そのために、さまざまな無線通信機能を利用した機体の遠隔制御に対応するほか、複数の機体を管理して同時飛行できるように制御する機能を備える。さらに、飛行プランを設計する機能や、機体情報と利用者情報を管理する機能、禁止空域や気象情報、地形情報を管理者画面に表示して管理可能とする機能などを備える。

airpalette UTMのうち、FOSは主に同時飛行する複数のドローンの制御、UTM coreはそれぞれのドローンの安全確保を担当する

 もう1つは「UTM core(UAS Traffic Management core:UASはUnmanned Aircraft Systemの略)」と呼び、同一空域内で飛行する複数のドローンの位置情報などを管理するソフトウェアだ。それぞれのドローンの飛行プランを確認する機能や、飛行中のドローンの飛行プラン、機体情報、空域情報などをFOSに通知する機能、禁止空域や地形情報などを参考に、飛行プランを検証する機能など、同時飛行中のドローンの安全を確保する機能を主に備える。

 NTTデータは今後、ドローンの安全飛行を支援するサービスを日本国内に限らず、世界に向けても提供していくとしている。