ドローンジャーナル

巡回監視にドローンを活用、セコムが山口県の刑務所で実証実験へ

 セコムは2017年4月27日、自律飛行型ドローンを利用した新サービス「巡回監視サービス」の実証実験を山口県の刑務所で実施すると発表した。実証実験の場は山口県美祢市(みねし)の「美祢社会復帰促進センター」。日本で始めての、民間企業の資金や技術力を活用するPrivate Finance Initiative(PFI)刑務所だ。セコムは2007年4月の開所当初から代表企業として参画している。

実証実験の場となる「美祢社会復帰促進センター」

 今回の実証対象となる「巡回監視サービス」は、人の力による巡回警備体制を敷いている比較的大きな施設を想定したもの。事前に経路(速度、高度、向き)を設定しておけば、遠隔操作でドローンが離陸し、設定した通りの経路を飛行する。離陸時間も事前に設定して、定時巡回をさせることも可能だ。

 ドローンはカメラを搭載しており、そのカメラが映す映像は、リアルタイムで警備拠点にいる担当者が確認できる。撮影した映像は保存して、見返して再確認したり、万が一の場合の証拠として利用することも可能だ。美祢社会復帰促進センターの敷地総面積はおよそ28万平方メートル。東京ドームおよそ6個分の広大な施設であり、セコムが想定する規模の施設と言える。

セコムが提供するドローンを活用した「巡回監視サービス」の概要

 巡回監視サービスを利用するメリットとしてセコムは3点挙げている。1つ目は人の力による監視では多大な労力がかかり、監視員を危険にさらす可能性がある場所の監視も可能になるという点。屋上など、普通は人間が踏み入ることがない場所の監視も、ドローンが上空から監視すれば、簡単に様子が分かる。

ドローンのカメラが捉える画像はリアルタイムで警備拠点にいる担当者が確認できる。屋根など、人間による巡回監視が難しいところの様子も簡単につかめるようになる

 2つ目は、建物に固定するように設置した監視カメラに対して、ドローンはより広い範囲を移動しながら、映像を映すことができるという点。固定監視カメラの力のみでは、映せない「死角」ができてしまう。ドローンが上空から移動しながら撮影することで、死角を減らし、監視体制を強化できる。

 3つ目は、監視に当たっている人間の負担を軽減できるという点。高齢化が進み、労働人口が減少する一方の日本では、人間の労働力は貴重な資産と言える。機械で自動化できるところどんどん自動化していき、人間は人間にしかできない業務に集中することで、労働人口が減少する環境でも高い成果を上げることが可能になる。

 セコムは美祢社会復帰促進センターの開所当初から、代表企業として監視システムを提供したり、安全管理業務を担当するなどの形で貢献してきた。セコムは今回監視した実証実験を重ねていき、巡回監視サービスの正式導入を目指すとしている。また、画像処理技術や機械学習などの技術を導入して、ドローンが撮影した画像を自動解析し、異常を自動的に検知可能にしていくことも、今後予定しているという。