ドローンに特化した単独開催の国際展示会&カンファレンス「ジャパン・ドローン2017」の展示会が3月23日から25日、千葉の幕張メッセにて開催された。国内のドローン関連ビジネスを行う企業122社が出展し、展示されたドローンの機体の総数は128機、来場者数 9,603人にのぼる。国内外のドローン関連企業が一堂に会した展示会の中から、注目のブースを紹介する。

日立システムズ

2016年9月にドローン関連サービスの販売を開始した日立システムズのブースでは、全国のサービス拠点やクラウド基盤を活用した「ドローン運用統合管理サービス」を紹介していた。同サービスは、ドローンの操縦や撮影代行、撮影した画像の加工や分析、クラウドを活用したデータの保管・管理、業務システムとのデータ連携の支援などさまざまなメニューを用意している。

「ドローン運用統合管理サービス」

リーグルジャパン

ドローンに搭載可能な軽量コンパクトのレーザーセンサー「RIEGL VUX-1」を展示するとともに、万が一の墜落時に同センサーを保護することを目的とした専用エアバッグを初公開した。エアバッグはカートリッジ式の圧縮空気によって衝突時に瞬時に開き、開いたあとも折りたためば再利用できる。

「RIEGL VUX-1」
エアバック

ジェピコ

Fruity Chutesのドローン用パラシュートや、RFD Japanのドローン用浮き輪、LiDAR USAのマッピングシステム、Swift NavigationのGPSモジュール、Quanergyの測量用途向け3D LiDARシステムなど、ジェピコが取り扱うさまざまなドローン関連製品を出展していた。

ドローン用パラシュート
ドローン用浮き輪

イメージワン

スイスのPix4Dが開発した3Dソフト「Pix4Dmapper Pro」を紹介していた。ドローンの撮影画像や地上で撮影した画像から、点群データや3Dメッシュ画像を作成したり、オルソモザイク画像を生成したりできるほか、特殊用途のカメラで撮影した画像を、指数計算機能を用いて演算処理することもできる。ドローン内蔵のカメラや汎用デジタルカメラ、350度カメラ、マルチスペクトラムカメラ、熱赤外線カメラなど幅広いカメラに対応する。

「Pix4Dmapper Pro」

情報通信研究機構(NICT)

ドローンの見通し外制御を可能とする無線制御通信システム「タフ・ワイヤレス」や、ドローン間の位置情報共有システム「ドローンマッパー」を出展していた。「タフ・ワイヤレス」は、ビル街や山間部など電波的な遮蔽が多い環境において、遅延時間の少ない制御が可能。「ドローンマッパー」は、インフラや基地局が不要な小容量ネットワークを使用し、見通し外も検知できる。

「ドローンマッパー」
「タフ・ワイヤレス」

芝浦工業大学 伊代田研究室・長谷川研究室/西武建設

構造物に補修材の吹付けを行えるドローンを出展。ドローンを使って人手の届かないコンクリート構造物に必要な水や補修材を散布することが可能で、“業界初”とアピールしていた。今後、散布の精度向上や飛行の安定性などの改良を行いながら実用化を目指している。

構造物への補修材吹付けドローン

田中電気

定点観測向け産業用ドローン「PARC」の機体を展示していた。有線からの電源供給により、長時間の安定飛行が可能で、全天候型で天候にも左右されない。GPSおよび3軸ジャイロを搭載し、122mの高さまで自由に垂直飛行できる。

「PARC」

東京カートグラフィック

ドローンによる空中写真撮影に加えて、3Dモデリングおよび3Dプリンタによる地形模型を作成し、地形模型にプロジェクションマッピングを施すワンストップサービスを紹介。説得力のあるプレゼンテーションツールとしてさまざまな分野で利用できる。

3D地形模型にプロジェクションマッピング

ドローンスクールや練習場が多数出展

「JUIDA認定のドローンスクールや、各地のドローン練習場が多数出展していた。

JUIDA認定スクール
ドローン練習場も出展
展示会場の様子