テラドローンは2017年2月22日、写真測量時の「目印」として使用する対空標識「AeroPoint」を発売し、これを利用した測量サービスの提供も始めた。対空標識とは、空中写真に写るように設置するもので、空中写真に写っている地点と、実際の地上の地点を対応付ける役目を果たす。空中からの写真測量では、撮影開始前に対空標識を地上に並べる必要があるが、従来は対空標識を設置するために高価な機材を使って設置点の座標を測定する必要があった。また、この作業には長い時間がかかっていた。

手前にある板が「AeroPoint」

 AeroPointはオーストラリアPropeller Aerobotics社が開発、販売しているもので、テラドローンは業務提携を結んで、日本での販売を始めた。対空標識としてAeroPointを利用すると、置いてボタンを押すだけで内蔵のGPSモジュールが緯度、経度、高度を自動的に検知し、データを無線LAN経由でアップロードする。あとはドローンを飛ばして写真を撮れば良い。対空標識設置のための計測作業が不要になるので、測量完了までの時間を大幅に短縮できる。また、計測精度も高く、相対精度は1cm以下で、絶対精度は2cm以下だ

 データはPropeller Aerobotics社が運営するポータルサイトにアップロードするので、撮影後にポータルサイトにログインすればダウンロードできる。また、ポータルサイトでなく、利用者の手持ちの機器にデータを送信することも可能。

 AeroPointは太陽光発電モジュールを内蔵しており、太陽光さえあれば動作する。発電した電力は内蔵のリン酸鉄リチウムイオン蓄電池に充電するので、日当たりが悪いときも稼働する。本体は防水設計で、衝撃にも強い作りになっている。

「AeroPoint」を上から見たところ。本体左下に太陽光発電モジュールが見える。また、上空からの撮影時に目立ちやすい模様になっている