全日本空輸(ANA)とエアロセンスは2017年2月2日、航空機の整備点検にドローンを活用するための検証を始めると発表した。ANAは、ドローンを活用することで点検時間の短縮や運航便の遅延最小化などの効果を期待しているという。

 はるか高い上空を飛行する航空機は、飛行中に雷の直撃を受けることがある。ANAによると機体が雷撃を受けたときは、整備士が目視で機体を点検し、傷やへこみがないか確認している。

 この作業にドローンを応用することで、整備時間を短縮できるとANAは期待している。ドローンのカメラが捉えた映像を確認するだけでなく、映像を画像解析することで、人間の目視作業よりも短い時間で確実に損傷を発見できると見ている。

 2月14日には、伊丹空港に隣接する航空機整備基地で初めての検証を実施する。航空機を周回するコースをあらかじめドローンに設定してからドローンを離陸させ、ドローンの高解像度カメラで航空機の外観を撮影させて、ドローンを安全に運行できることを検証する。また、画像解析データを収集し、実用化に向けた課題の洗い出しなどを予定している。その後は、山形県の庄内空港にある空港ランプエリアでの検証などを予定している。

伊丹空港に隣接する航空機整備施設。(出典:MRO Japan)