ドローンジャーナル

JR西日本、ドローンが捉える映像を遠隔地で確認するシステムを導入

ブイキューブロボティクス・ジャパンは2016年12月21日、ドローンが搭載するカメラの映像を遠隔地からリアルタイムで視聴可能にするシステムを西日本旅客鉄道(JR西日本)和歌山支社に納入したと発表した。JR西日本和歌山支社はドローンから離れた複数の地点で、ドローンが捉える映像を同時に視聴するシステムを整備することで、災害や事故が起こったときにいち早く状況を把握し、復旧に向けて素早く決断を下せる体制を作ることを狙っている。

 実は、JR西日本和歌山支社はすでにドローンを利用して、災害や事故の現場の映像を記録する体制を整えている。ドローンを導入したのは2015年4月だ。しかし、2015年7月に紀勢本線沿線を台風が襲ったときに、そのドローンがあまり役に立たなかった。導入したドローンが、捉えた画像を遠隔地に送信する機能を持たず、SDメモリカードに記録するものだったからだ。7月に台風による被害を確認するときは、ドローンを現場まで運び、ドローンが捉えた映像をSDメモリカードに記録させ、そのSDメモリカードを災害対策本部に持ち帰るという具合に運用していた。特に、SDメモリカードを災害対策本部に持ち帰るのに長い時間がかかってしまい、刻々と変化する現場の映像をリアルタイムにつかむことができなかった。

 ブイキューブロボティクス・ジャパンが納入したシステムは、操縦者のプロポに届くドローンが捉えた映像を、Web会議システム「V-CUBEミーティング」で複数拠点にリアルタイムで配信する。映像を記録したメモリカードを持って移動する必要はない。災害対策本部はリアルタイムの映像を見ながら判断を下し、的確な指示を、的確なタイミングで出せるようになる。

新しいシステムを利用して災害状況を把握するまでの流れ。現場でドローンを離陸させ(左)、ドローンのカメラで災害現場を捉える(中)、ドローンのカメラが捉えた画像は災害対策本部でリアルタイムで確認できる(右)

 JR西日本和歌山支社によると、新システム導入後に、ドローンを必要とする災害はまだ起こっていないという。しかし、和歌山支社が管轄する地域には、崖のような人が立ち入りにくい場所が多くある。そのような地点での検査業務にドローンを活用しながら、ドローンの扱いに慣れて、いざという時の災害にすぐに対応できるようにしたいと考えているそうだ。