MSD、アルフレッサ、エアロセンスの3社は2016年11月1日、ドローンを利用した医薬品の配送試験を開始した。3社は2016年4月に、ドローンを使った医薬品配送事業の実現に向けて連携することを発表している。今回の試験開始で、事業化に向けて大きな一歩を踏み出したと言える。

 試験飛行は福岡県西区小戸(おど)の海岸から海を越えて、同区の能古島(のこのしま)に到着するルートで実施した。飛行距離は約2.3km。ドローンには事前に航路を設定し、自律的に飛行するようにした。課題であった長距離飛行、電波の送受信、飛行後の積載物の状態すべてにおいて問題がなかったと確認したとしている。今後も試験飛行を継続する。なお今回の試験飛行は、一般的なプロペラを4つ持つ(マルチコプター型)ドローンを使って実施した。

左)マルチコプター型ドローン
右)実用化への期待がかかる固定翼型ドローン。垂直離着陸が可能

 今後3社が期待を寄せるのが、固定翼型のドローンだ。あくまで開発中の段階だが、垂直離着陸(VTOL)が可能で、10km以上の距離を連続飛行できる。3社は2017年中に固定翼型ドローンを利用したサービスの実用化を目指している。