圧倒的な作業性に、惚れる!

Ultra HD Blu-ray対応、だけじゃない! 4K液晶とKaby Lake搭載のフラッグシップノートPC。FMV 「GRANNOTE」

2017/03/13 | 小林輪

アウトドア仕様の防水2 in 1タブレットや、世界最軽量(※)の13.3型モバイルノートPCなど、挑戦的な製品を数多く送り出してPC分野で元気いっぱいの富士通だが、実は1月に、これまた結構尖った仕様のノートPCを発表している。それが、富士通では最上位のノートPCとなる、通称「GRANNOTE(グランノート)」の最新モデル「LIFEBOOK AH90/B1」である。

(※)2017年2月22日現在 富士通調べ

見よ、この風格あるたたずまい。最上位モデルたるもの、これくらい堂々としていないといけない。大画面ノートPCなので、ディスプレイを閉じていても存在感はかなりのものだ

液晶は15.6型ワイドの大画面、解像度は4Kである。キーボードにはテンキーまで付いている。これでも公称約4.8時間のバッテリ駆動が可能で、持ち運んで使うこともできる

何が尖っているのかというと、こいつはUltra HD Blu-rayに早くも対応しているのだ。Ultra HD Blu-rayというのは、4K解像度の映画などを再生できるBlu-rayの次世代フォーマットである。Ultra HD Blu-ray対応なのだから、液晶の解像度はもちろん4K(3,840×2,160ドット)対応となっている。

基本スペックは最上位らしい充実ぶりだ。CPUは最新のKaby Lake世代で、最高3.80GHzでの動作を行える4コア8スレッド対応のインテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー。メモリはDDR4-2400をデュアルチャネルで8GB、ストレージには約1TBのHDDを搭載。無線は当然IEEE 802.11ac/n/a/g/bの無線LANとBluetooth v4.1に対応。最新モデルらしく、USBには最新規格のUSB 3.1 Type-Cポートを搭載しており、しかもちゃんと10Gb/sのGen2に対応している。

オーディオ機能は192kHz/24bitに対応しているので、ハイレゾ音源の再生も可能だ。しかも、スピーカーもハイレゾ対応のスピーカーなので、別途ヘッドホンやスピーカーを用意しなくても、本体だけでハイレゾ音源を楽しむことができる。

キーボードには富士通お得意の、キーによって押した際の重さが異なる3段階押下圧キーボードを搭載しており、日常的にキーボードを多用するような用途にもバッチリだ。これだけハイスペックなノートPCなので、何かの用途だけに特化しているということはなく、音楽でも動画でも快適に楽しめるし、しかもコンテンツを見るだけでなく、画像編集や動画編集などのコンテンツを作るのにも快適に使える。もちろん事務作業などのビジネス用途にも最適で、何だってできてしまうのが、このGRANNOTEだ。

品名LIFEBOOK AH90/B1
CPUインテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー(HTテクノロジー対応) (最大3.80GHz)
OSWindows 10 Home 64ビット版
メモリ8GB (4GB x 2)
ストレージ約1TB HDD
液晶15.6型ワイド UHD[3840×2160ドット]LEDバックライト付タッチパネル式高解像度・高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラーLCD
光学ドライブUltra HD Blu-ray™ & BDXL™対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)
質量約2.5kg
駆動時間
(JEITA 2.0)
約4.8時間

さすがの4K、大画面高解像度は最高!
高精細、そして画面の中に広がる広大な作業スペース

画面はノートPCとしては大きめの15.6型ワイドなので、やはり見やすい。また、GRANNOTEを使ってみて最初に感じたのは、デスクトップPC並の使い勝手だということ。画面が大きいということもあるが、本体が大きくてどっしりとしていて、キーボードも使いやすい。モバイル用途を考えない場合、ノートPCはこれくらい大きいほうが断然良い。

解像度は、前述したように3,840×2,160ドットの4K。そんなに解像度が高いと文字が小さくて見づらいのでは? という人もいるかもしれないが、Windows 10は文字を始めとしたUI要素のサイズを変更できるので心配無用。初期状態ではUIサイズが大きめの250%に設定してあることもあり、作業環境の広さは実感しにくいが、そのかわり4Kの有り余る精細感が味わえる。Wordなどの文書から、写真、動画など、あらゆるものが高精細。ウインドウのメニューなどに表示される文字も異常に精細で、まるで印刷物のようだ。

これが、250%表示の初期状態の画面。Webブラウザーの画面も、Webブラウザーで拡大しているのではなく、これで標準の状態だ。4Kだが4Kらしくない。分かっていただけるだろうか

ただ、やはり4K解像度の広大な作業空間を味わいたいところだ。というわけで、筆者の場合は画面表示を175%に変更して使うことにした。表示サイズは、画面を右クリックすると表示される「ディスプレイ設定」の画面で簡単に変更できる。ウィンドウのメニューやボタンなどUI周りの表示も適度に小さくなり、高解像度感があって気持ちいい。ソフトウェアウインドウの中のUIが占める割合が少なくなるので、当然250%表示よりは175%表示のほうが作業スペースもより広く使える。

ちなみに拡大一切なしの100%表示に設定すると、15.6型ワイド画面の中に広がるリアルな4K解像度のUIを体験できる。筆者には文字やボタンが小さ過ぎてきつかったが、目がいい人ならこれはこれで使いやすいかもしれない。

ディスプレイ設定の画面を開くと、このように「テキスト、アプリ、その他の項目のサイズを変更する: 250%(推奨)」の設定になっている

表示の設定を200%に変更してみる。ちなみに、画面下のタスクバーの大きさを250%のときと比べていただくと分かるが、変更はリアルタイムに反映される

こちらが、200%表示の画面。表示内容に合わせてWebブラウザーの横幅は手動で変更しているが、それ以外は何も変更していない

続いて150%に設定する。だいぶ4Kらしさが出てきて、文字が小さくなってきた

そして150%のWebブラウザーの画面。再ログインしていないのでスクロールバーが太いが、再ログインするとスクロールバーも細くなる

最後に、UIの拡大なし、100%設定

100%表示だとWebブラウザーはこうなる。ちなみに最初の250%の表示でも、Webブラウザー側の表示を縮小すればこの100%表示と同じように表示できる。変わるのはUIだけだ

100%表示でWebブラウザーを横に並べてみた。これが、4K解像度の広大な作業スペースである。繰り返しになるが250%表示でもほぼ同じ広さを使える

液晶の大きな特長としてもう一つ、GRANNOTEはタッチパネルを搭載している。Windows 10の操作はもちろん、WebブラウザーやOfficeなど多くのソフトウェアがタッチ操作に対応しており、表示内容のスクロールや拡大縮小などもタブレットやスマートフォンと同じような直観的な操作が行える。液晶の表面には、スマホなどにも使われている、旭硝子が開発した強化ガラスの「Dragontrail」が使用されているので傷に強く、指やペンでガンガンさわっても安心だし、タッチ操作がなめらかで使いやすい。

パネルはIPSなので視野角はかなり広く、真上や真横に近い角度から見ても違和感なく画面を確認でき、普通に使う範囲での角度なら色などの破たんも見られない。表面加工はグレアだが低反射タイプのもので、部屋の中で使っていて反射が気になることはなかった。コントラストがかなり高い印象で、色がハッキリとしていて、写真などはノートPCの液晶とは思えないほどキレイに表示される。エンターテインメント用途に向いているし、ギラギラしているわけではないので、WordやExcelなどの文書を表示しても問題ない。ブルーライトを30%カットできるブルーライトカットモードを搭載しているので、疲れ目にもうれしい。

タッチパネルを搭載しているので、OSの操作や写真の拡大縮小など、結構いろいろなことをタッチ操作で行える。画面が大きいのでタッチ操作もやりやすい

タスクバーに登録されている「ステータスパネルスイッチ」を使えば、ブルーライトカットモードなど本体のさまざまな設定をワンクリックで行える

Kaby Lake世代のインテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサーの実力は?
そして使ってみて分かった性能よりも大事なこと

CPUには、前述した通り最新のKaby Lake世代、最高3.80GHz動作のインテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサーを搭載している。このCPUは、4コア8スレッド対応のノートPC用ハイエンドCPUだ。スリムノートPCでよく使われるインテル® Core™ i5-7200U プロセッサーやインテル® Core™ i7-7500U プロセッサーなどはTDP(熱設計上の最大消費電力)が15WのCPUだが、このGRANNOTEが搭載しているCPUはTDPが45Wもあるパワフルなもの。大型のノートPCでないと搭載は難しいだけに、処理速度も速い。

Microsoft Officeを使って性能面の快適さを確認してみた。まず、42ページで約1.7MBの、写真と図が1ページに1つか2つくらい入っているWordファイルを開いてみたが、少しの遅さも感じることなくサクサク動く。サクサクというか、スムーズ過ぎて気持ち悪く感じるくらいに、スクロールや拡大縮小がスルスル動いてしまう。6700行×15列くらいのデータが入った約750KBのExcelファイルも開いてみたが、こちらもスクロールからデータの抽出などの作業まですべてが快適だった。

続いて、写真や図を多用した47ページで約16MBあるPowerPointファイルを開いた。こちらもノートPCとは思えない、驚くほどスムーズな使用感である。PowerPointはタッチパネルと凄く相性が良く、ページ送りから拡大縮小まで画面をさわって直感的に思い通りに操作できる。文字や図の配置なども指で行えるので、必要な内容や要素を画面内に無造作に作っておいて、それを頭の中のイメージ通りに指で素早く配置するという使い方ができる。画面が大きいので細かい部分まですべて指で操作でき、文字の入力や図の作成など以外はマウスやキーボードをさわる必要がない。この気持ちいい操作感、何に近いのかと考えてみたら、パズルのピースをはめていく感覚に近いのだ。仕事なのに気持ちいい。GRANNOTEを使えばPowerPointの作業効率は格段に上がるだろう

次は、ちょっと大きめの約163MBで189ページもあるPDFファイルを開いてみたが、こちらの処理能力も驚くほど高い。さすがに100MBを超えるPDFなので読み出す際の時間はかかるが、拡大縮小、ページ送りもかなり速い。とくに拡大縮小は爆速と言っていい。

CPUは4コア8スレッド対応のインテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサーなので、タスクマネージャーにも8個の論理プロセッサーとして認識される

GRANNOTEには写真編集ソフトのCorel PaintShop Pro X8 for FUJITSUがプリインストールされているので、これを使って写真の編集も行ってみた。開いたファイルは、4,608×3,456ドットで約8MBあるjpgファイルだ。明るさの調整やコントラストの調整から、シャープネスやぼかし、鉛筆スケッチ風の効果などいろいろできるので片っ端から試してみたが、速い速い。ほとんどの処理を待ち時間というほどの処理時間なくこなせた。このソフトはRAW現像も行えるので、4,320×2,868ドットで約11MBあるRAWファイル10枚の現像も行ってみたが、10枚一括処理で約8.8秒で処理を終えた。これだけスペックが高いと、さすがに何をやらせても速い。

高速なCPUを搭載しているのである程度分かっていたことではあるが、GRANNOTEはノートPCとしては驚異的な処理性能を持った製品だ。メモリ容量も8GBと多いので、大きなファイルをどんどん開いていっても動作が重くなることはないし、たとえ大容量のデータファイルでも1度ファイルを開いてさえしまえば圧倒的な処理性能で快適に作業を行える。Microsoft Officeなどのソフトを使用したビジネス用途でも性能に不足を感じることはまずないだろうし、プライベートで写真編集をしたり動画編集をしたりしても、一般的なスタンダードノートPCには真似できない快適さを得ることができる。

使ってみて何より良かったのが、4K解像度による画面内の作業スペースの広さと、画面サイズと解像度の関係で実現している圧倒的な文字のキレイさ、そしてタッチパネルの便利さだ。これらの要素と基本性能の高さが組み合わさることで、圧倒的な作業効率の高さと快適さを実現している。性能の高さだけでは実現できない快適さがGRANNOTEにはある。

プリインストールされているCorel PaintShop Pro X8 for FUJITSUを使えば、写真の色調整やトリミングはもちろん、右記のような各種特殊加工などいろいろな写真編集が可能だ

Corel PaintShop Pro X8 for FUJITSUではRAW現像も行える。まとめて処理を行うバッチ処理にも対応していて、複数のRAWデータを一気に現像することも可能だ

大型ノートPCならではの魅力
指にやさしいふかふかキーボード

GRANNOTEを使っていて大変感心したのがキーボードの出来だ。このキーボードはデザイン面でかなり凝っていて、キートップは黒いのに側面は艶消しのクリアになっていて、その透明な部分とキートップの文字部分から薄緑がかった白い光が漏れ出るようになっている。その未来的な演出がかっこいい。そして、筆者が感心したのはデザインもさることながら、使い勝手のほうだ。

このキーボードの最大の特長は、その打ちやすさにある。筆者は、このキーボードの打ちやすさに完全に惚れた

バックライト付のキーボードは、テンキー付きの108キーJIS配列キーボードだ。キーピッチは約18.4mmでフルサイズより小さいが、そのことを感じさせない打ちやすさを実現している

キーピッチは約18.4mmとやや小さめだが、実のところ使い勝手にはほとんど影響はない。筆者もしばらくのあいだはフルサイズのキーピッチだとばかり思って使っていたほどだ。ちなみに、筆者が普段使っているキーボードは、キーピッチが19mmのフルサイズキーボードなので、GRANNOTEとのキーピッチの差は0.6mmある。筆者はこの差に気付かなかったわけで、一応文章を書く仕事をしている身としては少しショックである。それだけこのキーボードの出来が良い、のだと思う。

いっぽう、キーストロークのほうはさすが大型ノートPCということで約2.5mmもある。キートップ表面はサラサラしていて、指で触れたときの感触が良い。タッチパッドもパームレスト部分も同様にサラサラしていて、全体的にさわっていて気持ちの良いキーボードだ。キートップがキーの中央に向かって凹んだすり鉢状になっているのも、手触りが良い理由だろう。筆者が普段使っているキーボードは、左右が盛り上がっているU字形状で手前側と奥側はフラットになっている。これはこれでこだわりを持って選んだキーボードなので気に入っていたのだが、正直なところGRANNOTEのキーボードのほうが指へのフィット感も手触りも上だった。

キーは側面が艶消しクリアになっていて、その部分とキートップの文字が光って未来的な雰囲気だ。暗い場所でもキートップを確認できるようになっている

キーの中央部が凹んでいるので、キーを打つ時に指にフィットして長時間使っても疲れにくい。表面はサラサラしていて手触りが気持ちいい

キーボード周りもすべてサラサラ加工がされていて、タッチパッドもサラサラだ。ボタンはシーソータイプではなく、独立したボタンを2つ搭載している押しやすいタイプ

また、GRANNOTEのキーボードには、富士通のノートPCではお馴染みとなっている、押すときの重さ(押下圧)がキーによって異なるキーボードを使用している。GRANNOTEの場合は押下圧が3段階に分かれており、スペースキーなどの親指で押すキーが一番重く、DキーやFキーなどの人差し指と中指で押すキーが2番目に重く、ShiftキーやAキーなどの小指で押すキーがもっとも軽い設定となっている。筆者の鈍感な指には3段階の重さの違いをハッキリとは判別できなかったが、自前のキーボードよりもタタタンッと軽快に打てることと、長文を打っていると小指が楽な感じがするのが、きっとこの効果なのだと思われる。いずれにしても、ノートPCだからといってキーボードにも妥協せず、真剣に作り込んでいることが良く分かる。

結論として、このキーボードはすっごく使いやすい。個人的には、キーとキーの間が空いているアイソレーションタイプのキーボードは、キーが手に馴染みにくく、長時間使っていると疲れてしまうものが多い。しかし、このキーボードはまったくそういうところがない。キータッチは軽く軽快に打てるのに、しっかりとした打鍵感で打ち間違えをしにくい。筆者はこのキーボードを長時間使った後、ふかふかしていて気持ちいい、と感じた。ふわふわしていて剛性がない、という意味ではなく、剛性もあって打鍵感もちゃんとしているのに、指にやさしいのだ。このキーボードは抜群に良い。

大画面で4K解像度はやっぱり凄い
スピーカーはなんとハイレゾ対応

GRANNOTEの大きな特長として、冒頭でも紹介したUltra HD Blu-rayへの対応がある。大画面だし、解像度も高いし、Ultra HD Blu-rayを真っ先に紹介しなきゃ、なんて使う前には思っていたのだが、そうすることができなかった。なぜなら、現時点でUltra HD Blu-rayの再生を行えないからだ。この記事のために、買う映画まで決めていたのに大変残念である。実は、Ultra HD Blu-rayに対応する再生ソフトがまだ提供されておらず、2017年5月末頃公開の予定となっている。無料でダウンロードできるとのことなので楽しみに待つことにしよう。

これが、話題のUltra HD Blu-rayに対応するBlu-ray Discドライブだ。再生ソフトさえ完成すれば、これでバンバン4K映画が見られる。筆者も是非見たかった

というわけで、かわりにYouTubeの4K動画で大画面+4K解像度を楽しむことにした。YouTubeには結構多くの4K動画がアップロードされていて、映画の予告編やミュージックビデオなどをいろいろと試すことができる。実際にGRANNOTEで4K動画を見てみると、4K動画は解像度がフルHD動画の4倍もあるので、普段見慣れているBlu-rayなどの動画と比べて格段に精細に見える。さすがに一目で違いが分かるほどの差だ。YouTubeなら、同じ動画をフルHDと4Kの両方で再生できるので、余計にその差がよく分かる。とくに森などの自然を映した動画は、4Kで見るとまるで高解像度で撮影された写真が動いているかのようだ。前述した通り液晶の発色も良いので、リアル感が凄い。

YouTubeでは多くの4K動画がアップロードされており、4Kディスプレイの真価を味わえる。設定から「2160p」に切り替えて観よう

個人的には、Ultra HD Blu-rayを見てみたいとは思っていたのだが、実はあまり興味は持っていなかった。しかし、こういうものは1度体験してしまうとダメである。これは是非Ultra HD Blu-rayの再生環境が欲しい。Ultra HD Blu-rayの再生環境を作るためには、4K液晶と対応プレイヤーが必要になるわけで、GRANNOTEならそれが1台に収まっている。しかも、おまけにPCまで付いているのだから、GRANNOTEは優秀なUltra HD Blu-rayプレイヤーと言える。Ultra HD Blu-rayに興味があるのなら、GRANNOTEはお得な選択肢かもしれない

さて、YouTubeで4K動画を見ていて気になったのが、ノートPCとは思えないほど良く鳴るスピーカーの存在だ。キーボードの上のほうに、これ見よがしに搭載しているスピーカーは、オンキヨーが開発した、ODMD(Onkyo Double-Molding Diaphragm)という振動板を使用したスピーカーだ。ODMDを使用すると、径が小さなスピーカーでも再生周波数帯域を広げることができ、このスピーカーの場合にはハイレゾ音源への対応もうたっている。GRANNOTEはオーディオ機能も192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応しているので、スピーカーまで含めてハイレゾ音源に完全対応したノートPCということになる。

実際に、Windows 10が標準で搭載している「Groove ミュージック」ソフトを使って手持ちのハイレゾ音源を再生してみたが、なるほどノートPCとしては最高レベルの音と言える。高音まで良く出ていて、音量を最大に上げても音割れなどは発生しない。音楽を聞いたり映画を見たりなど、これなら別途ヘッドホンや外付けスピーカーを用意しなくても十分に楽しめるだろう。

ノートPCとしてはめずらしく、スピーカーが存在感を主張するデザイン。これが、オンキヨーのODMDを使用したハイレゾ音源対応のスピーカーだ

USB 3.1 Type-Cは10Gb/sのGen2に対応
インターフェースも充実のGRANNOTE

最後にGRANNOTEのインターフェース面を見てみよう。液晶の上部にあるWebカメラは、ビデオチャットなどに使えることはもちろん、Windows 10の顔認証機能であるWindows Helloに対応しているので、予め顔を登録しておけば、Windowsへのログインを顔パスで行える。

キーボードの右手前側にはNFCリーダーを搭載している。NFC機能を搭載するスマートフォンを、キーボードの右下部分にかざして写真や動画をPCに転送したり、NFCに対応するフリーソフトウェアなどをインストールしてSuicaなどの交通系ICカードの利用履歴を確認したりすることができる。Edyカードを持っていれば、Edyカードへのチャージや楽天Edy対応Webサイトでの支払いを行うことも可能だ。交通系ICカードの利用履歴を確認できるのは結構便利である。

キーボードの右手前側に見えるNFCマークが付いているところにはNFCリーダーを搭載している。Suicaなどの利用履歴を確認できるので、あると結構便利だ

USBポートは、USB 3.0が2ポートに、USB 2.0が1ポート、そして最新のUSB 3.1 Type-Cポートを1ポート搭載している。USB 3.1 Type-Cポートは5Gb/sのGen1ではなく、10Gb/sのGen2だ。ノートPCではGen1を搭載している場合が多いが、さすがハイエンドノートPCのGRANNOTEはこの辺りにも妥協はない。USB 3.1 Type-Cポートを使えば、外付けストレージなどをUSB 3.1ならではの高速な転送速度で使用できる。USBポートについては、左側面に搭載している2ポートのUSB 3.0ポートの内1ポートは特別なポートで、本体の電源をオフにしていてもスマートフォンなどの充電を行える。目立たない地味な機能だが、これも結構便利だ。

本体左側面には、左からLANポート、内蔵冷却システムの排出口、HDMI、USB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、ヘッドホン/マイク兼用端子を搭載している

画面出力はHDMIを搭載しているので、プロジェクターや大画面テレビなどにも画面出力を行える。ただし、HDMIからの音声出力はサポートしていないので注意が必要だ。ただ、GRANNOTEは音が良いことも特長となっているので、どちらにしてもプロジェクターなどから音を出すのではなく、本体から音を出したほうが聞きやすいと思う。

右側面には、左からSDメモリーカードスロット、USB 2.0、Ultra HD Blu-ray対応Blu-ray Discドライブ、電源端子、セキュリティスロットを搭載している

一言で言えば全部入りハイエンドノートPC
性能を求めるのならこれを買っておけば間違いない

というわけで、GRANNOTEの特長や使い勝手などを見てきたわけだが、このノートPCを一言で紹介するのなら全部入りハイエンドノートPCと言うことができる。全部というのは、性能も搭載機能も、エンターテインメント用途にもビジネス用途にも、何にでも使えるという意味だ。

オーディオ面では中身もスピーカーも完全にハイレゾ音源に対応し、ビジュアル面では4K解像度に15.6型ワイドの大画面を備え、しかもUltra HD Blu-rayにまで対応している。完全に、AV機能重視のPCである。ところが、キーボードも抜群に使いやすく、CPUもメモリも性能面でも申し分なく、4K解像度の広大な作業スペースに、タッチパネルでOfficeソフトの作業効率を上げられるという、ビジネスPC向けの機能も完璧に近い。これ1台でなんでもできてしまう、全部入りハイエンドノートPCのお手本のようなPCである。プライベートでもビジネスでも、このGRANNOTEがあれば快適そのもの、オールOKである。

GRANNOTE(LIFEBOOK AH90/B1)