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ゲームに投資(12月4日更新) [ゲームに投資一覧]

 先週のゲーム株はセガ(7964)やPCCWJ(7954)が上昇し、セタ(4670)やKCE東京(4780)などが下落。日経平均がこの1週間で約500円余り上昇するなど相場環境が好転したことから、大きく売り込まれていた銘柄を中心に値上がりするものが目立った。特に、セガの上昇は凄まじく、1週間で46%も上昇を達成し、目先の危機的な状況は回避されたようだ。

●ハード以外で征す
 先週のゲーム株は、何はともあれセガ抜きでは語ることはできないだろう。週初めの11月27日から動意づき、11月29日の寄付では3日連続のストップ高となるなど、その上昇は凄まじいものであった。確かに、今3月期で4期連続の連結経常赤字の予想であるなど現在の経営環境は劣悪であり、目先の資金繰りも悪化していることは周知の事実であろう。しかし、そのような環境が認知されていながらも、なぜこのような急騰を演じることになったのであろうか。

 その原因として、某外資系証券会社がセガについてのアナリストレポートを書いたことが、その大きな理由として挙げられる。通常、ある会社を買い推奨する場合は、投資評価を“アウトパフォーム”であるとか、“BUY”にするのが一般的である。その逆に、売り推奨する場合には、“アンダーパフォーム”であるとか、“SELL”にする。しかし、今回のセガに関しては、その外資系証券会社は何と、SELL(売り)の推奨をしたのである。

 この場合、売り推奨された株は下落するのが一般的であるが、今回のセガの場合はその逆方向に行ってしまったわけだ。それでは、なぜ反対方向に行ったのだろうか。それは、そのレポートの中でこのようなくだりの文章があったからである。「上記の経営改革が実行された場合、目標株価を6500円を目処に投資判断をStrong buyに格上げし推奨したい」と・・・。

●経営資源も集中できる
 その時、株価は1000円前後であるので、6500円ともなれば約6.5倍になる計算になる。それでは、“上記の経営改革”とは、果たして何なんであろうか。現在、セガが低迷している最大の理由は、「ドリームキャスト」にあると言っても過言ではない。今年の春に「プレイステーション2」が発売されてからは、ドリームキャストのゲームハードにおける立場(シェア)は益々苦しくなってきている。

 セガの基本方針としては、“自社のハードに自社のソフトを供給する”といった形がベストであると考えており、「ハードを征するものが、業界を征す」といった言葉も、セガがハードにこだわる理由のひとつであった。しかし、ドリームキャストの売り行きが芳しくなく、同時にソフトの売れ行きが低迷すれば、当然会社は苦しくなるのは目に見えている。つまり、経営改革とは、「ハード(ドリキャス)を捨てること」であったのである。

 ハードにさえこだわらなければ、ドリキャス用の開発費用・時間などの経営資源を、No.1プラットホームであるソニー(6758)のプレステ2や、任天堂(7974)の「NINTENDO64」「ゲームキューブ」、更にはマイクロソフトの「X-box」用のソフトなどに向けられる。当然セガの最も得意とする分野のひとつが、“ゲーム開発”であるわけであるから、爆発的なヒットソフトを輩出することは間違いないと言える。特に、今年の冬のクリスマスシーズンにおいては、例年に比べヒットソフトが少なく、エニックス(9684)のドラクエ、スクウェア(9620)のファイナルファンタジーシリーズもちょうど、端境期にある。

 そもそも、プレステ2の処理能力の高さに、各ソフト会社の開発が追いつかないことが主な原因として考えられるのだが、もしセガがこの分野に進出してきた場合は、その技術力でトップシェアを奪えるくらいの実力を発揮することであろう。

●遊戯王は永遠か
 コナミ(9766)の株価が7000円台でもみ合いを続けている。つい1カ月ほど前は9000円台で推移していた同社株ではあるが、先月、2001年3月期連結純利益が前期比4%増の190億円と最高益を更新すると発表した上での急落であった。その急落の原因は非常に意見の分かれるところだが、恐らく「遊戯王への高依存度に対する懸念」であろう。現在、遊戯王カードの売れ行きは好調で、先日今3月期の年間売上高を370億円から440億円に上方修正したばかりである。

 しかも、下期に入ってもその好調が依然続き、更に上方修正する可能性があるという。これからクリスマス商戦もあり更に人気はヒートアップすると思われるのだが、ここでひとつ思い出していただきい商品がある。それは最近史上空前の大ブームとなったあの商品を・・・。その商品とは、ズバリ「たまごっち」である。今となっては、その姿かたちは跡形もなくなくなってしまったわけではあるが、もし、遊戯王が現在のたまごっちのようになってしまったら、果たしてコナミはどうなるのであろうか。

 「必ずそうなる」とは断言はできないが、一抹の不安は残っている。遊戯王が、トランプや花札のように、未来永劫大衆に愛される娯楽ゲームとなる以外は必ずその日はやってくる。「遊戯王?」「あーそんなのあったよね。」という会話が足音を忍ばせて近寄って来なければ良いのだが、と心配してしまう今日この頃である。

●今週の展望
 今週は、今最も注目されているセガの更なる上昇に賭けてみたい。なぜならば、それは仕手化する可能性があるからである。先日、アラビア石油(1603)が10月27日の安値318円から11月28日には1916円に大暴騰した。このアラ石は、信用の空売りが大量に入って仕手化・暴騰したのだが、セガにもこの前兆が現われている。

 現在、アラ石には及ばないものの信用倍率は1.54倍(11月24日)となっていることに加え、先週末時点の株価1170円は、4期連続赤字の会社の株価にしてはやや割高感がある。そのような“割高感”が空売りを誘い、仕手化するパターンを過去に何度も見てきており、2月9日の年初来高値4520円を目標に、セガをこの1170円付近で思い切って注目してみたい。

 ということで、今週は「セガに期待!」ということで締めさせていただくが、徐々に元気を取り戻してきた株式相場に守備力をアップする(下値を固める)意味で、今週はこの呪文を唱えたい。・・・「スクルト!」

□関連表
・ゲーム各社騰落率
・ゲーム各社先週の動き

フィスコ アナリスト 黒岩 泰
2000/12/4

■ゲーム関連企業リポート
・コナミ
・スクウェア
・バンダイ

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