FINANCE Watch

● 記事検索 [ランキング]
● ニュース<Top>
 ・最新ニュース45本
 ・マーケット動向
 ・個別企業
 ・月別記事一覧
● リポート<index>
 ・インタビュー ・経済
 ・企業 ・政策 ・政治
 ・ゲームに投資

● 話題最前線
 ・バックナンバー
● 連載コラム
 ・瓦版一気読み
 ・ニュースの見方
 ・市場より3歩先を
● 再編マップ
 ・銀行など4分野
● IPO情報
 ・予定一覧
● 証券用語集
 ・入門編
● サービスデータ
 ・オンライン証券
 ・オンライン銀行


● 関連リンク集
 ・リンクインデックス
click!
[PR] 
ゲームに投資(11月20日更新) [ゲームに投資一覧]

 先週のゲーム株は、アスキー(9473)やシステムソフト(7527)など7銘柄が上昇したのに対して、イマジニア(4644)やPCCWJ(7954)などが下落した。先週は9月中間決算の発表も多数銘柄に上り、その結果が株価を大きく左右する1週間となった。しかし、相場全体が軟調に推移したこともあり、上方修正した銘柄のなかには継続的に上昇する銘柄は稀で、ゲームソフト業界全体が伸び悩んでいる状況がもろに株価に現われた結果となったようだ。特に、2001年3月期の連結純利益で最高益更新を見込むコナミ(9766)は、欧米でのゲームソフトの落ち込みをカードゲーム「遊戯王」などで補うなど、いわゆる「“本業”以外の事業が業績に貢献する」という皮肉な結果が、株価伸び悩みの一要因となっていると考えられる。セガ(7964)がドリームキャストというハードを捨てることを市場から宣告されているように、ゲーム業界を取り巻く環境は非常に厳しく、「ゲームソフトだけで食べていける時代は終わった」と考えざるを得ない1週間であった。

●CSKという“船”
 先週の値上がり率第1位は、アスキー(9473)であった。アスキーが9月中間期末に4億円の債務超過に陥ったことは既にお伝えした通りだが、先週の木曜日には株価が一時800円を上回るなど、とても債務超過の会社の株価とは思えない状況となった。株価上昇の原因として考えられるのが(1)カナダ企業からグループウエアソフトの販売権を取得し、インターネット関連のソフト販売に本格進出したこと(2)グループ企業であるCSK(9737)やセガの株価が堅調に推移していること(3)日本語「ドメイン名」の登録受付に申し込みが殺到していること――などが挙げられる。

 さらに、債務超過発表後に株価が急落(10月31日=414円)したため、値動きが軽くなり、自律反発狙いの買い物が入りやすい環境も急騰の大きな要因となったようだ。しかし、このまま債務超過を放置するわけにはいかない。今回は、たまたま親会社CSKの信用不安が一時期より収束方向に向ったことが買い安心感につながったものの、またいつ何時グループ企業に“信用不安説”が台頭するかどうかも分からない状況である。

 「親のすねはカジれるときにカジっとけ」と言わんばかりのアスキーの現状に、地団駄を踏んでいるのは私だけではなく、いつか「CSKがアスキーに第3者割り当て増資!」なんて発表することを市場参加者は既に織り込でいるのかもしれない。いずれにしても、アスキーなんていうのは、CSKからしてみれば、“難破船の中のネズミ”みたいなもので、船自体が沈んでしまえば助かる見込みは全くないのである。それにしても、「アスキー株はちょっと高すぎはしないだろうか」と疑問を投げかけたくなる今日この頃である。

●7月7日の“七夕”ではない
 セタ(4670)という会社をご存知だろうか。何度となくこのコーナーで取り上げた銘柄ではあるが、非常に印象が薄いことから、なかなか業務内容が頭にインプットされない銘柄のひとつである。セタは、パチスロのアルゼ(6425)の子会社で、家庭用・業務用ゲームソフト開発からパチスロ用IC開発などを手掛ける会社である。実は先月、セタはあることを発表した。それは、「遊技機用カード事業の進出について」である。そして今回ついに親会社アルゼの協力のもと「ハウスカードシステム(システム名=セタアミューズメントシステム)」の開発が完了し、販売にこぎつけることとなったのだ。

 まず、今年12月下旬にパチンコホール1店舗でロケテストを実施し、2001年年初から本格的な販売をスタートさせる。実際の販売はアルゼが担当するのだが、本システムの販売開始により、2001年3月期の売上高は、僅か3カ月間で19億2千万円を見込んでいるという。さらに、カードシステムを導入している遊技場施設は現在、全国に約1万4,000店舗あることから、向こう3年間で6~10%のシェア(累計売上高300億円前後)を目標としている。

 四季報ベースの来期の連結売上高予想は41億円であることから、この数字がいかに大きいかが分かるであろう。他のゲーム株に比べて同社は地味な存在ではあるが、今後の業績の大変貌も可能性としては否定できないので、その株価動向は常にチェックしておきたい。

●ゲーム好きはマンガ好き?
 今、スクウェア(9620)が熱い。先週末に、中間決算の発表を好感し株価が急騰。それと同時に集英社との会社設立報道も好材料として評価された。現在、スクウェアはトータルネットワーク・エンターテインメントサービスである「プレイオンライン」を開始するため、着々と準備を進めている。本来そこでは、ネット対戦型ゲームなどを軸に展開する予定ではあるが、取りあえず集英社と共同出資会社を設立し、少年漫画誌「少年ジャンプ」に連載された漫画が、プレイオンラインの「manga」サイトで読めるようにする。

 コンテンツは、毎月曜日に発売された号の掲載漫画がその発売週の土曜日にデータ配信され、集英社側は、漫画のデジタル化によって、これまで本誌やコミックスを購入していなかったゲームファン層などのユーザーが、本誌掲載作品の面白さを直接知ることになり、それが動機となって本誌やコミックスの購入につながると、にらんでいる。

 しかし、スクウェア側からしてみれば、単なる“幕間つなぎ”的な戦略と考えられ、例えネットでマンガが配信されても、特にサプライズのあることではないだろう。実際大半のファンが望んでいるものは、ファイナルファンタジーのネットプレイなどであり、“マンガ”などにはほとんどの人が食指を伸ばすことはしないであろう。

●今週の展望
 今週は、先週に引き続きシステムソフト(7527)に注目したい。なぜならば、新たな材料として、同社の親会社であるカテナの子会社「ソフトウェア生産技術研究所株式会社」が新しいソフトウェア開発方法論「Lyee」(ソフトウェアに革命をもたらす唯一の開発方法論、Lyeeを用いればソフトウェアの開発期間は5分の1から10分の1、ドキュメント量は100分の1にできる)の特許を日本においても取得したからである。システムソフト自体には直接影響はないものの、親会社であるカテナが上昇すると、子会社であるシステムソフトも上昇するという傾向があることからも期待ができる。チャート的にも5日移動平均線上方をキープし、上昇トレンド入りしたものと考えられる。

 というわけで、今週も「システムソフトに期待!」ということで締めさせていただくが、もういい加減に安値圏で右往左往する日経平均に愛想が尽きたので以下の呪文を唱えたい。 ―「メダパニ!」

□関連表
・ゲーム各社騰落率
・ゲーム各社先週の動き

フィスコ アナリスト 黒岩 泰
2000/11/20
プライバシーについて | 編集部へのご連絡 Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
本サイトの内容につきましては万全を期しておりますが、提供情報がシステム等に起因する誤りを含んでないこと、すべての事柄を網羅していること、利用者にとって有用であること等を当社及び情報提供者は保証するものではありません。
当社及び情報提供者は利用者等が提供情報に関連して蒙った損害ついて一切の責任を負いません。投資等の判断をされる場合は、他の資料なども参考にしたうえで、ご自身の判断でお願いします。