FINANCE Watch
大証、ナスダックJ外国部の決済をシティバンクに委任~6月には数社が上場へ

デビッド・コナー
 シティバンクグローバルコーポレートバンキング
在日代表(中)
巽吾朗 大証理事長(右)
勝屋義郎
 ナスダック・ジャパン上席副社長(左)
  大阪証券取引所、ナスダック・ジャパン、シティバンクの3者は20日、大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場で4月1日をめどに開設を予定している「外国株市場」の外国株券の決済業務を、シティバンクに委任することで基本合意したと発表した。

  外国株市場は、3月15日までパブリックコメントを募集し、関係各所に認可申請などを行っ後に開設する。既存のナスダック・ジャパン市場と同等な上場・売買基準を用い、取引は円建て。全世界の企業を上場対象とするが、当初は米国NASDAQ上場企業からとなる見込み。実際に取引が開始されるのは6月で、すでに具体的に上場の打診が個別企業から来ているという。今夏までの第1陣では数社の上場を予想しており、年内には2桁の企業が上場することを期待しているという。

  外国株市場の創設は、NASDAQが目論む米国、日本(アジア)、欧州の3極からなるグローバル・ネットワーク構築へ向けての一環だ。そうした国際展開も考え併せ、シティバンクに決済業務が委任された。シティバンクは、すでに51カ国・地域を網羅する独自ネットワークを通じて世界2,500社以上の顧客に対して有価証券決済・保管サービスを提供している。同社でこのサービスを担当するのはワールドワイド・セキュリティー・サービス(WWSS)部門で、業界最大手の国際資産管理業者として証券決済・保管業務、預託証券業務などを行い、管理資産額は2000年で4兆ドルに達している。

  巽吾郎大証理事長は同日、「3極ネットワークに向けて本格的な第1歩を踏み出すことになった。シティバンクと協力することで技術で優位に立ち、効率的で利便性の高いサービスを証券会社、機関投資家、個人投資家に提供できる」と抱負を述べた。

  また、デビッド・コナー・ナスダック・ジャパン上席副社長は「当市場にはクリアリング・プロバイダーとして事務手続きの自動化などのサービスを提供し、決済手数料の軽減化や電子化などを促進、費用対効果の高い決済が行えるよう協力したい」と語った。

  なお、外国株券の決済業務はシティバンクが行うが、資金の決済は現行通り大証の清算銀行を通じて行われる。一方、大証にはカントリーファンド市場が開設されており、同市場の決済は日証決が行っているが、将来的にこれをシティバンクに任せる可能性があるという。

上場審査・廃止基準 日本語での書類作成

■URL
・ナスダック・ジャパン
http://www.nasdaq-japan.com/
・大阪証券取引所
http://www.ose.or.jp/
・シティバンク
http://www.citibank.co.jp/
・WWSS(ワールドワイド・セキュリティー・サービス)
http://www.citibank.com/corpbank/wwss/
・ソフトバンクがストップ高~シスコへ割当増資、ゲノム進出を好感
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/25/doc1785.htm
・ナスダック・ジャパン、Applied Materialsなど外国企業の上場を検討(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0511/amat.htm
・日本シスコシステムズが本年の株式公開・上場を示唆(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0120/cscoj.htm

(別井貴志)
2001/02/20 19:31