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日興ビーンズとIT証券のオンライン2社が合併~日興と富士通のグループ戦略

  日興ビーンズ証券とインターネット・トレーディング証券(IT証券)は26日に合併契約書に調印した。

  株主の了承と関係当局の認可が前提だが、合併期日は2001年3月12日としている。存続会社は日興ビーンズ証券で、社長には同証券社長の沼口秀一氏が就任する。合併に必要な事項の決議提案や承認は、2001年1月16日開催予定の臨時株主総会において行われる。

  日興ビーンズ証券は日興証券(8603)が中心となって設立し、株主構成は日興証券が71.5%、シティグループが19.0%、日本生命が5.0%、三井信託銀行が4.5%で、資本金は現在100億円。IT証券は富士通(6702)が日興証券と提携して2000年1月13日(営業開始は4月24日)に設立。株主構成は、富士通が65%、日興證券が35%で、資本金は24億円。今回の合併の目的は、日興証券グループと富士通グループ相互の強みを活かし、事業基盤の強化、経営統合による業務の効率化を図るためとしている。

  IT証券の設立に関する基本合意はもともと1999年7月にされていたが、戦略などがなかなか固まらず、実際に設立され、営業が開始されたのはそれから半年以上後になった。@niftyの会員を中心ターゲットに据え、いわば日興ビーンズ証券の@nifty支店ともいえる形でのスタートを狙ったものの、思うようには進まなかったようだ。取り扱い商品でも、この10月から投資信託だけでなく待望の株式も始める予定だったが、実現しなかった。こういった面からも、独自で商品をそろえたり開発したりするよりも、日興ビーンズ証券と合併した方が得策との判断に至ったようだ。

  オンライン専業証券同士の合併は、11月15日に合意した三和銀行グループが中心となって設立したイー・ウイング証券と、伊藤忠商事(8001)やマイクロソフトが出資している日本オンライン証券の合併に続くもの。手数料自由化から1年でオンライン証券会社の数は急速に増えたが、早くも再編の時代に入ったといえる。

■URL
・ニュースリリース(日興ビーンズ)
http://www.nikkobeans.co.jp/AboutUs/R0048603/guest/G800/anb/
anb0012e.htm;$sessionid$V024XLAAAAIYXQFIBSMAAAA

・インターネット・トレーディング証券
http://www.itshoken.com/
・イー・ウイングと日本オンラインが合併~ネット専業証券で初
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/15/doc1050.htm
・富士通と日興証券、今月中にインターネット・トレーディング証券を設立(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0113/itsec.htm
・インターネット・トレーディング証券が口座開設申し込みを開始(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0424/itsec.htm

(別井貴志)
2000/12/27 12:43