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イラン大油田の優先交渉権獲得~大盤振る舞いの通産省

  日本政府とイラン政府は、イラン最大級の「アザデカン油田」の開発・操業を巡り日本企業2社に優先交渉権を与えることで合意、確認埋蔵量260億バレル以上とされる同油田の開発・操業権取得に向けた交渉を、今後は日本の2社だけがイラン国営石油会社(NIOC)と進めることができるようになる。

  今年2月、アラビア石油(1603)がサウジアラビアでの油田権益の更新に失敗。その後釜となる自主開発油田を模索していた日本政府は、石油化学プロジェクトなどに対する総額600億円強の貿易保険適用など、なりふり構わぬ大盤振る舞いと引き換えに、何とか日本企業をイランとの交渉のスタート台に立たせることに成功した。

  ●親イラン商社、トーメンも
  このプロジェクトに名乗りを挙げている日本企業として、今のところ通産省が明らかにしているのは大手石油開発会社のインドネシア石油と石油資源開発の2社だけ。両社が中心となって、イラン当局との交渉に当たるのは間違いないが、実際の事業化もこの2社だけが担うということではない。具体的な事業契約締結までの間に、両社を中核に総合商社や石油元売り会社などが参画する企業連合を結成、大規模油田の開発を目指す見通しで、「総合商社からはトーメン(8003)が加わることが内定しているらしい」(関係筋)との声がもっぱらだ。

  日本企業のイラン向け投資や輸出は、米国の「封じ込め政策」への配慮から、1990年代半ば以降、事実上停止していた。そんな中でも、トーメンは細々とながらも、同国とのバーター取引などを継続し、決してイランに見切りを付けるようなことはなかった。今回の大規模プロジェクトでも「当然、“親イラン商社”のトーメンが企業連合に名前を連ねるだろう」(同)というわけだ。

  ●実現の見通しは「?」
  さて、優先交渉権を得た日本にとって初めてとなるイランでの原油の自主開発プロジェクトはすんなり実現するのか―。

  鉱区や採掘期間などの具体的な条件交渉に入れば、「タフネゴシエーターと言われるペルシャ人を相手に難航するのは必至」(政府筋)との指摘が強い。日本企業にとって、イランには苦い思い出もある。三井物産(8031)など三井グループが中心となって取り組んでいたイラン・ジャパン石油化学(IJPC)は、基本協定から18年後の1989年、清算に追い込まれ、日本の参加企業は巨額の負債を抱え込んだ。

  自主開発油田をどうしても獲得したい日本の意欲をイランが逆手にとって、これからも巨額の資金を要求してくる可能性は否定できない。

■URL
・通産省
http://www.miti.go.jp/
・インドネシア石油
http://www.inpex.co.jp/japanese/index%20COPY.htm
・石油資源開発
http://www.japex.co.jp/

(野崎英二)
2000/11/02 12:17
3/30(金)
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