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 証券界のガリバー。2000年3月期9月中間決算では、株式市況の低迷などで大半の大手・準大手証券が減益に追い込まれるなか、大幅な連結増益を達成、収益基盤の格差を見せつけた。海外でも欧州を中心に積極的に事業展開、現時点ではグローバルインベストメント業務分野で欧米の有力金融機関と唯一、対等に闘える存在となっている。 それだけに、顧客基盤の限定化にもつながりかねない特定金融グループとの統合・合併には否定的。98年5月に行った日本興業銀行との提携も、「日本連合への発展もありうる」との当初の観測をよそに、ごく部分的なものにとどめている。なんとか野村を取り込もうとするメガバンクなどの“野村詣で”をさらりとかわしつつ、当面は日本生命保険グループと同様、孤高を貫く構えだ。

 そんな野村にとって気がかりなのが、かつては「野村生命」といわれた東京生命保険のこのところの経営不振。逆ざやと有価証券含み益の枯渇などで、昨年9月末の純資産額が5億円にまで落ち込んだ同社は財務基盤の改善に向け、大和銀行や野村証券に株式会社の資本金にあたる基金の拠出など資本支援を要請している。しかし、業務面で野村とのつながりは薄く、資本効率の低下につながる基金拠出はできれば回避したいところ。といって支援を見送って破たんを招くような事態になれば、野村の信用力にキズがつく可能性も捨て切れず、3月末にかけて悩ましい日々が続くことになりそうだ。

富田 隆志
(2001/1/19)

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