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 損保界の巨人、東京海上火災保険を核に経営統合を目指す。統合時期は1月中にも公表される予定だが、2002年4月にまず東京海上と日動火災海上保険で共同保険持株会社を設立、その後、相互会社形態となっている朝日生命保険が株式会社に転換したうえ、2004年に統合に参加するという「2段階方式」が有力。東京海上と親密な三菱東京フィナンシャルグループ、朝日生命および日動火災と親密なみずほフィナンシャシャルグループと“不即不離”の関係を保ちつつ、独自の総合金融グループ形成を狙う。

とはいえ、グループ内に「爆弾」を抱えているのも事実だ。その一つが来年1月4日付で「あおぞら銀行」に行名変更する日本債券信用銀行。東京海上はソフトバンク、オリックスと並ぶ同行の買収主体としてその経営にコミットする形となっており、総資産の約3分の1が事実上の不良債権という日債銀の信用リスクは、そのまま東京海上に跳ね返る危険性がある。

そしてもう一つが、当の統合相手でもある朝日生命の健全性。巨額の逆ざや負担と販売不振が続く朝日生命の資産はこのところ急速に劣化しているといわれている。東京海上は2兆円近い有価証券含み益を抱えているとはいえ、向こう20年近くにわたって年間1000億円規模で続くとされる朝日生命の逆ざやを穴埋めしていくことにでもなれば、あっという間に底をつく。東京三菱銀行首脳も「本当に統合するのか?」と未だ半信半疑だ。

富田 隆志
(2000/12/15, 2001/1/10一部更新)

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