手軽に使えるPC用モニターが欲しいニャ~と考え中の俺。ここしばらく、様々なモニターを物色中である。

 ぶっちゃけた話、画質・機能などを総合してのコストパフォーマンスは、ナナオ製モニターがイチバンではないかと思う拙者。そして最有力候補として浮上したのがFlexScan S2242Wだ。

 ナゼこの機種かと言えば、まず、パネル解像度がWUXGA(1920×1200ドット)だから。この解像度のモニターを使い慣れた身(現在、FlexScan HD2451WとS2410Wを使用中)としては、それ以下の解像度では不満になるのは明らかだ。

 WUXGAという解像度は、PCのデスクトップモニターとして十分広大で、A4サイズドキュメントやWebページを横に2枚並べることも可能。フルHD動画をドットバイドットで表示できる。何をするにもヒッジョーに快適な解像度なのだ、WUXGAってのは。

現在は、こんな感じにナナオ製の24.1型ワイドのモニターを2台並べて使用中
左が22.0型ワイドのS2242W、右が24.1型ワイドのHD2451W。一回り小さくても表示できる情報量は一緒

 それからサイズ。FlexScan S2242Wは22.0型ワイドのモニターだ。拙者が現在使用中のモニターよりも一回り小さく、その分、設置スペースも若干少なくて済む。狭めの環境でも快適に使えるわけですな。22.0型でWUXGAというバランスも、モニターに顔を近づけて作業するのに適している。

 小型で高解像度ってコトで、画素ピッチの狭さが実使用上のメリットになったりも。結局、ドットの密度が高いから、より緻密な映像表現が行われる=きめ細かな表示を楽しめるわけだ。動画も静止画も文字も、滑らかで美しいんですな。

 22.0型ワイドより小さいナナオ製モニターはほかにもある。狭い場所で使うには、例えば20.1型ワイドのFlexScan S2031WやS2001W、ワイドでなくて良いならそれ以下のサイズもある。が、どれも解像度はWSXGA+(1680×1050ドット)止まり。

 主流となっている解像度であるWUXGAをサポートし、かつ、なるべく小型、ということになるとFlexScan S2242Wしかナイ!! というわけである。

FlexScan S2242W
オーバードライブ回路搭載で、動画もクリアーに表示

 FlexScan S2242Wが最有力候補となる理由はまだある。

 例えば、標準的なコントラスト比が1200:1で、視野角は水平/垂直とも178°ある。豊かな階調が出るってコトで、グラフィック用途からビジネス用途までまかなえるし、モニター部を回転させて縦表示にしても映像の見え方が変わっちゃうようなこともない。

 また、オーバードライブ回路も搭載。動画など表示の移り変わりの速い映像では、中間階調域の表示応答性が重要になるが、この回路を持つFlexScan S2242Wなら安心。例えば、動画表示の違和感としてありがちな、残像、白飛び、黒潰れといった現象が大幅に低減されるのだ。

 さらに、表示色域はAdobe RGBカバー率95%、NTSC比92%をカバーしている点。このスペック、一般的なsRGB色域のモニターと比べてどうなのかと言えば、具体的には鮮やかな緑色や水色がよりシッカリ出てくれる。フツー的モニターでは表示しきれていなかった緑や青の深みやみずみずしさがビシッと表示されるのだ。

 ほかにも多々特徴があるFlexScan S2242Wだが、ぶっちゃけ、より大型の上位機種と肩を並べるモニター性能を持っている。でも、リーズナブルな価格で買える。し、設置場所もあまり選ばない。性能についても使用感についても、WUXGA時代の現在、非常に多くのユーザーにとって手を出しやすい一台だと言えよう。

 あとですね、拙者的に特に注目したのは、FlexScan S2242WがEIZO EasyPIX(エイゾーイージーピックス)に対応しているという点。カラーマッチングツールですな。これがまたイカシてるのダ!!

 EIZO EasyPIXは、モニターのカラーマッチングをヒッジョーに手軽に行えるソフトウェア&ハードウェアのパッケージだ。その手軽さは後述するが、さて、カラーマッチングってフツーのユーザーに必要なの? と。

 ハッキリ言って必要なのであり、超必要なのであって激必要。これをやらないと、せっかくのモニター性能を引き出せないばかりか、デジカメやプリンタといった周辺機器の実力も台無しであり、ときには快適なWebブラウジングなども行えなかったりする。

カラーマッチングが正しく行われていないと、画面上と印刷結果の色味が違うことがアリマクリなのだ

 例えば、画面上の写真をプリントしてみたら、なーんか印刷結果の色味がイマイチ、てなコトがあると思う。つーか、アリガチ……どころか、アリマクリかもしれない。原因は、カラーマッチングが正しく行われていないからだ。

 あるいは、デジカメ画像をモニターに表示したとき、ビミョーに赤みがかっているとか青みがかっている、てな状況。デジカメのモニター上ではキレイだったし、撮影現場にあった実物どおりの色だと思ったのになぁ……なんでかニャ?

 こういった問題は、モニターなどの機器間のカラーマッチングを取れば解消できる。画面で見たのと同じイメージがプリントアウトできるようになり、デジカメ画像が本来持つ美しく正しい色を表示できるようになるわけだ。

 モニターに正しい色を表示させられれば、例えばWebページのデザインや画像類を正しい色で見られるようになる。サイト制作者やブロガーのデザインや写真などを、作者が表現しようとした色味で閲覧できるわけですな。

 また、ブロガーを含むサイト制作者にとってもカラーマッチングは非常に重要だ。正しくない色を表示するモニター、つまりカラーマッチングが取れていないモニターでサイトを作ると、それを閲覧する人が「なんかこのブログの写真、いつも色がヘンなんだよなぁ」と思う可能性がある。ヤでしょ? こういう問題もカラーマッチングで防げるのだ。

ナナオ製モニター専用のカラーマッチングツール「EasyPIX」。測色センサーも同梱される

 ……しかし、実はカラーマッチングという作業、かなり面倒だったり、お金がかかったりした。カラーマッチング用のソフトウェアを使い、画面を凝視しつつ細かなパラメータを調整し……うあ~疲れた~もうヤメたヨシた終了だ諦めたッ!! てな感じ。この作業を自動化するソフトウェアとハードウェアのセット商品を使えば手間は減るものの、若干高価だし、機材や色表示に関する専門知識が必要だったりする。

 そこでEIZO EasyPIX。ナナオ製モニター専用のカラーマッチングツールだが、物凄~く簡単にカラーマッチングを完了できるのだ。価格も1万9,800円と手頃。FlexScan S2242Wが拙者的最有力候補として上がったのは、このキットが使えるってコトも大きかったりする。

 実際にEIZO EasyPIXを使い、FlexScan S2242Wのカラーマッチングを行ってみた拙者なんですけど、もうイキナリ!! EIZO EasyPIX対応のナナオ製モニターを買いたくなりましたよ!!

 いやマジでEIZO EasyPIXサイコー!! 何がサイコーかって、超カンタンめちゃラク!! これなら知識不要で誰でもカラーマッチングを取れる。ホントに。ともあれ、実際どんなふうに使うのか見てみよう。

 まず、パソコンとFlexScan S2242W(などのEIZO EasyPIX対応モニター)をUSB接続し、EIZO EasyPIXソフトウェアをインストールする。で、EIZO EasyPIXを起動すると[モニターを調整する]ボタンが現れるので、これをクリック。

 次に、3つの選択肢が現れるので、モニターの使い方に合わせてこれを選択。そして少々作業───設定するモニターの明るさや、プリント用紙との白色合わせを感覚的に行うのだ。でも、さほど厳密でなくてよく、ユーザーが「このくらいかナ」と思う程度でも大丈夫。

 その作業が済んだら測定を行う。測定には、EIZO EasyPIXに付属のセンサー(EX1)を使う。センサーはPCとUSB接続し、測定時には画面上にぶら下げて固定する。本来のカラーマッチングに必要なモニター表示の緻密な設定は全て、このセンサーとEIZO EasyPIXソフトウェアが自動的に行ってくれるのだ。

 測定は2分弱で終了する。その後、測定結果を保存。測定結果は3パターン保存できるので、画像プリント作業用とデジカメ画像表示用とWeb閲覧用、てな感じで複数の目的用のカラーマッチングパターンを保存しておける。もちろんそれらのパターンは、いつでもEIZO EasyPIXソフトウェアから呼び出せる。

まずは、3つの選択肢からモニターの使い方を選択する
 
次に、このようにプリント用紙の“白色”と、モニター上の“白色”を実際に目で見て合わせる
 
そして、付属のセンサーを画面上にぶら下げて測定開始。終了後、測定結果を保存して終了だ

 なお、EIZO EasyPIXでのカラーマッチング調整モードは3種類で、それぞれ、「マッチング」、「写真鑑賞」、「Webなど一般用途」となる。

 「マッチング」での作業は、モニターの白色と、プリントに使う白紙(環境光源に照らされた白色)を、ユーザーの目で見つつ合わせていく。これにより、モニター出力とプリンタ出力の“白色点”が合い、モニターとプリンタのカラーマッチング精度が高まる=モニター出力とプリンタ出力の色が合わないという問題を解消できる。

 「写真鑑賞」や「Webなど一般用途」での作業は、それぞれの作業のときにモニターがどの程度の明るさであって欲しいかを調整するだけ。モニター表示は、「写真鑑賞」の場合はデジカメ画像の基本的な色温度となる太陽光やフラッシュ光を基準としたものに自動調整される。「Webなど一般用途」の場合は、多くのモニターで基準とされているsRGBの色温度に自動調整される。

 てゅーか実際、こんなにカンタンに、かつ、わかりやすく作業できるカラーマッチングツールは初めて。これまでの投資や苦労はなんだったのくわッ!! とミョーな汗が出るくらい手軽だ。

 そして、その効果もバッチシ!! 例えば画面上でデジカメ写真をレタッチしてプリントした場合、画面で見た色とプリントアウトの色が違う、てなことがナイ。

画像の色味の違いに悩みがあるなら、超手軽にカラーマッチングできるEIZO EasyPIXを一度試してみるべき!!

 なんか画面上の写真の色味とプリントアウトが全然違うんですけどぉ~的な悩みがあるなら、ぜひ一度EIZO EasyPIXを。また、デジカメ画像を正しい色味で気持ち良く閲覧したい!! とか、標準的な色でWebページの色や画像を見たい!! と考えている方も、超手軽にカラーマッチング可能なEIZO EasyPIXを使ってみてほしい。

 ちなみに、このEIZO EasyPIXに対応するモニターとしては、現在のところFlexScanシリーズだとSX3031W、SX2761W、SX2461W、S2432W、S2242W、S2232Wがある。EIZOダイレクトでFlexScan S2242WとEIZO EasyPIXをセット購入すると9,800円値引きしてくれたりするので、かなりお買い得かも!!

今回紹介したモニター

FlexScan S2242W-H + EasyPIXセット

FlexScan S2242W-Hにカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」を組み合わせたおトクなセット。これ1台で簡単にカラーマッチングがおこなえるオールインワンパッケージ。

販売価格:¥65,800(税込)

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

関連リンク
■FlexScan S2242W
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cS2242W/
■EIZO EasyPIX
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cEasyPIX/
■FlexScan S2242W-H ブラック PXセット
http://direct.eizo.co.jp/shop/g/gS2242W-HBK-PX-SET/
■EIZOダイレクト
http://direct.eizo.co.jp/
■株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/
関連記事
■ナナオ、Adobe RGB比95%の22型WUXGA液晶など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0115/nanao.htm
■ナナオ、Adobe RGBカバー率95%の22型ディスプレイ
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2009/01/15/10002.html
■ナナオ、「EIZO EasyPIX」がFlexScan S2242Wに対応
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2009/02/06/10164.html
■ナナオ、実売2万円のカラーマッチングツール「EasyPIX」
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2008/10/31/9547.html
>>EIZO Direct Watch支店のトップへ戻る