ナナオのモニターにはいろいろなシリーズがある。パソコン向け、医療向け、産業向けに航空管制向けなんかもあったりする。そんな多彩なモニターシリーズのうち、現在急激に人気を伸ばしているのが「FORISシリーズ」だ。

 これまでいくつかの商品が「FORISシリーズ」としてリリースされてきたが、現在のFORISは、オールマイティーな使い方が可能なモニター群の位置づけで、テレビやBlu-rayなどの映像コンテンツ視聴からゲーム、さらにはPCでの利用まで、幅広い用途にマッチする。これまで、24.1型で地上・BS・110度CSデジタルチューナーを搭載したFORIS FX2431TVとチューナー無しのFORIS FX2431、23.0型で地上デジタルチューナーを搭載したFORIS FX2301TVがあり、いずれも人気機種だったが、さらに人気が出そうな機種が登場。FORIS FS2331である。

 
24.1型でチューナー搭載の「FORIS FX2431TV」
 
23.0型でチューナー搭載・バーチャル5.1chサラウンド対応の「FORIS FX2301TV」
オドロキ価格の4万4,800円で新登場した、FORISエントリーモデル「FORIS FS2331」

 FORIS FS2331は23.0型・フルHDパネル(1920×1080ドット)搭載の汎用モニターで多彩な入力系統/機能を備えるが、ぶっちゃけ、その魅力をまず書いちゃうと、価格!! EIZOダイレクト価格がオドロキの4万4,800円!! さらに2010年の10月28日から12月26日までは「下取りサービス増額30%キャンペーン」が実施され、手持ちのモニターやテレビ(他社製品でもOK)の下取り額が3割UP!! 加えて、そーとーお得なお値段のセットモデルまで用意されている。

 FORIS FS2331は、FORISシリーズ中最安の、いわばエントリーモデルという位置づけになる。が、エントリーモデルとは言え、その実力は十二分───入力系統の多さや画質向上機能の豊富さ、さらにEIZOブランドの信頼性まで含めると、この価格で買えるってのはそーとービックリ級。てなわけで以降、FORIS FS2331についてジックリ見ていこう。

入力端子はDVI-D(24ピン/HDCP対応)×1、HDMI×2、D-Sub 15ピン(ミニ)×1の4系統
レッド・ブルー・グレー、3色のカラーシートが付属しており、好みに応じてこのように貼り替えることができる

 FORIS FS2331を試用してまず感じたのは、自分専用として使うのにかなり適してるなぁ、てなコト。もちろんまずその価格がパーソナルモニターとして強力な魅力だが、それを置いても価値が多々感じられる。

 まず普段使いのPC用モニターとして。前述のとおり、FORIS FS2331は23.0型のフルHD(1920×1080ドット)表示モニター。入力端子はDVI-D(24ピン/HDCP対応)×1、HDMI×2、D-Sub 15ピン(ミニ)×1の4系統。各種PCを余裕で接続できますな。同時に液晶パネルのサイズ/解像度のバランス。23.0型/フルHDってのは自分のデスクに置いて使うに好都合。FORIS FS2331を目の前に置くと、パネルサイズも表示解像度もちょうどいい。快適にPC方面作業を行えるバランスだと感じる。

 ところでこのFORIS FS2331、名前こそ“FORIS”なんだが、じつは大ヒットモデル「FlexScan EV2334W-T」の性能を受け継いで登場したのだ。PC向けモニターのFlexScanシリーズだったのがFORISになったということは……そう、エンターテインメント方面の性能/機能が強化されているのだ。

 たとえば、FORIS FS2331にはステレオスピーカー(500mW+500mW)が搭載された。EV2334W-Tではモノラルだったのがステレオに。PCでの利用はもちろん、ゲーム機やレコーダー類と組み合わせればより楽しく利用できるようになった。

 また、専用リモコンも付属。リラックスして映像コンテンツを楽しめるようになったというわけだ。プラス、細かい点ではあるが、同梱のカラーシートを使うことでFORIS FS2331の前面にレッド・ブルー・グレーのアクセントを入れることができる。ユーザーの気分や部屋の雰囲気に合わせて、FORIS FS2331をイメージチェンジできるんですな。

 「FlexScan EV2334W-T + エンターテインメント機能、性能強化 = FORIS FS2331」、てな感じだが、価格面ではFlexScan EV2334W-TよりもこのFORIS FS2331のほーが安くなっている。……となると、PCで使うときの性能がFlexScan EV2334W-Tよりも低かったりしない?

 な~んて思いがちだが、大丈夫。人感センサーなど一部機能は省かれたが、モニターとしての機能/性能はFlexScan EV2334W-Tよりもグッと強化されているほど。たとえばFlexScan EV2334W-Tでは1系統だったHDMI端子がFORIS FS2331では、なんと「2系統」に増え、表示モードも新たなものが追加されているのだ。

 FlexScan EV2334W-Tの基本機能をほぼ踏襲~強化しつつ、エンターテインメント用途でより使いやすくなったFORIS FS2331。日常のPC用途をこなせるのはもちろん、ゲーム機やレコーダー類と組み合わせての活用にもバッチリ応えてくれるパーソナルモニターなのである。

   
本体にステレオスピーカー(500mW+500mW)を搭載する
 
専用のリモコンも付属する
1920×1080ドットという広さにより、Webブラウザのウィンドウを2枚並べられる余裕がある

 個人的には「FORIS FS2331にビデオレコーダーとゲーム機を接続して、激安な個人用エンターテイメント環境を作りたいニャ♪」とか思うわけだが、PC用途も非常に快適にこなせる点、やはりFORIS FS2331は魅力的である。

 前述のように、23型というパネルサイズや1920×1080ドットという画素数は、机上&ユーザーの目前に置いて使うのに適したバランスだ。これに加え、やはりパソコンのデスクトップを1920×1080ドットという広さで使えるのは快適。A4のドキュメントを2枚程度同時に表示できる余裕があるし、ウェブブラウザのウィンドウを2枚並べて見比べるのも現実的。広いデスクトップだと作業がはかどるのだ。……デュアルモニター構成にしても10万円を切るってスゴイよなぁ、とも思ったりする。

 また、FORIS FS2331はただデスクトップが広いっつーだけじゃない。表示が見やすくて美しいのである。具体的には、たとえばノングレアの広視野角VAパネルを採用していること。視野角が広いので見る角度による色/明るさの差が出にくく、環境光が反射しにくいので目が疲れにくい。キレイな表示で快適に作業していけるのだ。

 さらに、カラーマッチングツールの「EIZO EasyPIX」に対応していること。専用ソフトが示す手順に従う程度の超簡単な準備で、カラーマッチング(正しい発色での表示~モニターとプリンターの色合わせ)が完了しちゃうんですな。これを行えば、ウェブページなどを本来の正しい色で見られるのはもちろん、モニターと同様の発色のプリントアウトが得られる。

 カラーマッチングを行うと、画像などを本来の正しい色で見ることができる。ので、「EIZO EasyPIX」対応なのに激安級価格のFORIS FS2331はデジカメユーザーにとくにオススメしたい。

 要は、カラーマッチングを行ったモニターなら、デジカメ写真閲覧~レタッチなどをより正確&快適に楽しめるようになるのだ。どんなに美しい写真を撮っても、現像やレタッチ時に使うモニターがシッカリとカラーマッチング(キャリブレーション)されていないと意味がない。最悪“ヘンな色の写真”と評されてしまうかもしれない。

 「EIZO EasyPIX」を使ってFORIS FS2331のカラーマッチングを行えば、デジカメ画像が持つ本来の正しい色をそのまま閲覧することができる。カラーマッチングを行えば、FORIS FS2331の表示が発色などの基準となるので、デジカメ画像閲覧~活用を安心して楽しく行えるというわけだ。ちなみに、FORISシリーズで「EIZO EasyPIX」に対応しているのはFORIS FS2331のみとなる。

   
カラーマッチングツールの「EIZO EasyPIX」に対応。FORISシリーズで「EIZO EasyPIX」に対応しているのは、FORIS FS2331だけ!
 
画面の指示に従って操作していくだけでカラーマッチングができるので、超簡単
Paperモードは、紙のような見栄えにモニターを調整してくれる。それにより目が疲れにくい表示になるので、長時間文書などを読むときにオススメだ

 もうひとつ、電子書籍などの閲覧をより快適にする表示モードことPaperモードが使える点。これは、いわばドキュメント全般を読みやすくする表示モードで、電子的な(画面上の)ドキュメントの見え方を、紙のドキュメントのそれに近づけるというもの。

 大半のケースで、ドキュメントは白地に黒文字で表示される。また、紙のそれと違って、そもそもモニター上のドキュメントは自ら発光している。結局、普通一般のモニターで電子書籍などのテキストドキュメントを読むと、紙のそれとはまるで違う高輝度&高コントラストの表示を見続けることになるので、たいていの場合は極端に目が疲れたりする。

 Paperモードはこの「モニター上のドキュメントと紙のドキュメントの違い」を抑え、モニター上でも紙のドキュメントのような読みやすさ見やすさを実現するというもの。具体的にはコントラスト比/色温度を調整している。また自動調光機能が適度な画面輝度に調整を行うことで、紙のような見栄えに近づけているのだ。実際、このモードで各種ドキュメントやテキスト主体のウェブページを読んでいると、ぶっちゃけ目が疲れにくい。長時間読んでても目がチカチカしにくい、目に優しい表示モードなのである。

 FORIS FS2331には、動画をより美しく快適に楽しむための機能/性能が多々備わっている。

 たとえば前述のとおりHDMI端子×2系統を持ち、パネルはフルHD(1920×1080ドット)。Blu-rayレコーダーやPS3などの映像機器をケーブル1本でサクッと接続でき、かつ、ハイビジョン動画を拡大縮小(スケーリング)なしのドット・バイ・ドットで表示できる。まずは接続性やパネル仕様においてハイビジョン系機器との親和性が高いってわけですな。

 さらに動画にもよく向く表示性能がある。たとえばコントラスト拡張機能だ。FORIS FS2331の液晶パネルは3000:1という十分高いコントラスト比を持つが、さらにコントラスト拡張をONにすることで最大10000:1の高コントラスト比を実現している。

 技術的には、バックライトを表示する動画に応じてコントロールすることでこのコントラスト比を実現しているとのことだが、結果、見違えるほどの画質向上感が得られる。なんつーかこう、黒がビシッと引き締まりつつも、階調もしっかり出ていて、画面表面から膜を一枚剥がしたようなイメージ。クリアで鮮明で奥行きのある動画を楽しめるのだ。

カラーモードは、リモコンの[MODE]ボタンで簡単に切替できる)

 それから、表示するコンテンツに応じたカラーモード。動画に適した表示モードとしてGameやCinemaが用意されている。具体的に、Gameモードはゲームやアニメなどに最適なメリハリ感のある表示設定で、Cinemaは暗部の表現力を重視したナチュラル&階調感豊かな表示設定で映画鑑賞にピッタリの設定となる。

 あと、表示レスポンスの高さもFORIS FS2331の特徴。具体的には、表示の遅延が1フレーム以下なのだ。遅延がこのくらい少ないと、操作の素早さ勝敗を分けるようなゲームなども快適にプレイできる。シビアなアクションゲームやレースゲームなども問題なく遊べる。

 表示レスポンスがイマイチなモニターだと、ゲーム機からの映像が一瞬遅れて表示される。ので、その映像を見て即座にボタン押下(攻撃など)しても、実際はもう手遅れ状態で敵に攻撃がヒットしなかったりする。逆に、避けたハズなのに攻撃を受けていたりも。コレ、実際に経験してみると怒髪天な感じのストレスになるが、FORIS FS2331の表示レスポンスは非常に高いので、こういった問題も起きず、ゲームを快適に楽しめるというわけだ。

 入力端子の豊富さ、表示する映像をより美しく見やすくする表示モード、そして遅延1フレーム以下のハイレスポンス。ゲームにも映画にもって感じで、動画に強いFORIS FS2331なのである。

FORISシリーズの名に恥じない実力を備えている「FORIS FS2331」。「自分専用モニター」として、まず最初にチェックすべき一台だ!

 てな感じのFORIS FS2331。大ヒットモデルのFlexScan EV2334W-Tの性能を受け継いでいるだけあって、PC用途をバッチリこなしつつ、エンターテイメント用途利用においてもFORISシリーズの名に恥じない実力を備えている。また、FORISシリーズということで動画に強いモニターであることは確かなのだが、これに加えて静止画表示性能においても十二分な実力を持っているというわけだ。

 てコトで「自分専用に、ゲーム機やビデオレコーダーやPCなどとマルチにつなげて使えるモニターが欲しいなぁ……」とか考えているアナタ!! このFORIS FS2331は、機能的にも性能的にも、そして価格的にも、まず最初にチェックしとかないと後々大後悔の可能性あり。ぜひジックリと吟味してほしい一台だ。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

●今回紹介したモニター

FORIS FS2331

様々なコンテンツをリーズナブルな価格で楽しめる、エンターテイメントブランドFORISのエントリーモデル。様々なデジタルコンテンツにPowerを与え、ユーザーがより楽しめる!

販売価格:¥44,800(税込)

 

FORIS FS2331 + Bose Companion2 IIセット

Bose社のPC専用設計のマルチメディアスピーカー「Companion2 II」をセットにした、EIZOダイレクトだけのおトクなセットです。

販売価格:¥49,800(税込)

FORIS FS2331 + EIZO EasyPIXセット

カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」を組み合わせたおトクなセット。これ1台で簡単にカラーマッチングがおこなえます。

販売価格:¥53,800(税込)

 

FORIS FS2331+保護パネル・クリーナーセット

専用の保護パネルとクリーナーを組み合わせたおトクなセットです。キズや汚れから画面を守り、長く大事にお使いいただけます。

販売価格:¥53,800(税込)

関連リンク
■FORIS FS2331
http://direct.eizo.co.jp/shop/g/gFS2331-BK/
■EIZOダイレクト
http://direct.eizo.co.jp/
■株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/
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■みんなのFORIS、登場。ナナオの実力を詰め込んで4万円台! - FORIS FS2331
http://www.watch.impress.co.jp/eizodirect/fs2331/
■ナナオ、実売44,800円のVAパネル採用23型ワイド液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20101028_403110.html
■ナナオ、VAパネル搭載のマルチメディア液晶モニター「FORIS FS2331」を11月12日に発売
ネイティブコントラスト比3,000:1。ゲーム向けの機能も多数搭載したエントリーモデル
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20101028_403122.html
■ナナオ、23型/4万円台の「FORIS」エントリーモデル-FS2331。表示遅延1フレーム以下。チューナ非搭載
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101028_402978.html
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