FlexScan EV2334W-T

 ナナオから新型モニターが登場。既にご存知かと思うが、「FlexScan EV2334W-T」である。主なスペックとしては、23.0型フルHD解像度(1920×1080ドット)のVA方式液晶パネルを採用し、入力端子としてDVI-D×1、D-Sub×1、HDMI×1を搭載している。

 大雑把に言えば、ハイビジョン映像コンテンツ表示によく向きつつも、高解像度でのパソコン利用に適した解像度とパネルサイズを持ち、お手頃価格でゲットできる汎用・普及機(EIZOダイレクトでの販売価格が税込4万9,800円)というイメージだ。

 あーソレって買いやすいっスね〜、てな印象を受けた俺であるが、とりあえず試用してみた……ら!! コレが!! 侮れない!! てゅーかむしろ今時的ナナオ製モニターに驚かされた。FlexScan EV2334W-T、想像を上回るコストパフォーマンス。これがホントにヨンキュッパ!? みたいな。

 FlexScan EV2334W-Tは「動画にPower! 静止画にPower! Power offでEco!」を謳う最新機種で、上記のように手頃な価格設定になっている。んだが、正直、コレもっと高くしても売れるでしょ的な性能を発揮してくれちまうのだ。

 以下にそれらけっこー驚けるコストパフォーマンスなどについてご紹介してみたい。

視野角の広いVA方式のパネルを採用。視野角は水平/垂直ともに178度ある

 FlexScan EV2334W-TにはVA方式23.0型ワイド液晶が採用されている。わりと多くの方がご存知だと思うが、最近流行りの「フルHD対応!! なのにこの価格!!」的なモニターにはTN方式が採用されることが多い。

 VA方式とTN方式の違いは? TN方式は視野角が狭く、見る角度によって色や明るさが変わってしまう。

 たとえば何人かでモニターを囲んでデジカメ写真などを閲覧した場合、TN方式のモニターだと、モニターの真ん前にいる人しか正しい色/明るさで見えなかったりする。その真ん前の人が「この写真はキレイに撮れてるねえ」と言っても、左右にいる人は「はぁ? このコントラス低いわ暗いわの写真が!?」とか思ったりしちゃう。

 一方、VA方式は視野角が広いので、そういった不都合が起きにくい。FlexScan EV2334W-Tに採用されているVA方式液晶パネルの場合、視野角は水平/垂直ともに178度あるので、おおよそ前方あたりからならどこからでも正しい色と明るさで見えるというわけだ。

 FlexScan EV2334W-Tの場合、VA方式液晶のメリットに加え、表示するものに合わせて最適な表示を実現するFineContrast機能も搭載している。この機能で選べる表示モードはsRGB、Text、Picture、Game、Cinema、Customの6種類がある。

FineContrast機能は全6モード

 たとえば、sRGBモードにすれば一般のデジカメ全般で採用されている色空間での表示になる=デジカメ写真を正しい色味などで表示できる。Textはウェブページや各種ドキュメントを読みやすいコントラスト/明るさで表示され、目が疲れにくい。Pictureはグラフィック全般に向く表示。Cinemaは映画鑑賞〜動画コンテンツに適した動画向け表示モードで、オーバードライブ回路の効き目もあって非常に滑らかでナチュラルな映像を楽しめる。

 Gameモードはちょっとユニーク。このモードを選ぶと、Power ResolutionとPower Gammaが両方オンの状態で映像が表示されるのだ(ユーザー設定により変更可能)。

 Power Resolutionはナナオ独自の解像感強調技術で、たとえばゲーム専用機の表示をより繊細かつクリアな印象にするというもの。3段階の調整ができるが、その効果は抜群。ゲーマーがFlexScan EV2334W-Tを使えば「これまでの絵はナンだったのか!?」的な印象を受けるだろう。

 Power Gammaは、ゲームやアニメに適したガンマ設定になるという機能。たとえばPC用の3Dなゲームとか、DVDやBlu-rayの映画とかって、何となく暗部が見えにくかったりしますな。Power Gammaはこれを補正し、暗部〜明部までを見やすくかつメリハリのある表示にする機能なのだ。

 てな感じで、VA方式液晶の快適さを持ち、用途に合わせて表示を最適化できるFlexScan EV2334W-T。Power Resolution技術やPower Gamma設定に関してはこれまで画質的に諦めがちだった映像系コンテンツを新鮮なイメージで蘇らせてくれる。このあたりで既にほかの低価格帯モニターの1〜2ランク上を行ってるFlexScan EV2334W-Tなのだが、まだまだ特筆すべき性能がある。

 FlexScan EV2334W-Tを使ってみてプチ驚いたのが、その静止画表示性能。たとえばデジカメ写真ですな。ぶっちゃけ、この価格帯のモニターには“画像を精査するための静止画表示品質”についてあまり期待していなかった俺。しかし実際は、実勢価格を大きく超えるパフォーマンスを発揮してくれた。

 まず、前述のような表示モードがあるので、たとえばsRGBモードでデジカメ写真を表示すると、正しくバランスの良い色と明るさで表示される。とりあえず安心して使える表示クオリティですな。また、23.0型/フルHD解像度(1920×1080ドット)という点でも、デジカメ画像をアレコレ扱うには快適だと感じる。

 でも……どのくらいまで“画質を追い込める”のか? これを試すべく、さらにEIZO EasyPIXの最新版を使ってみた。

 EIZO EasyPIXはFlexScan用の表示調整ツール。いわゆるカラーマッチングを行えるオプション品だ。環境光や液晶パネル(経年変化などの状態)に合わせ、モニターが正しい色/明るさになるように(ほぼ自動で)調整してくれるキャリブレーションツールなんですな。

 使い方は簡単で、EIZO EasyPIX付属のソフトウェアをインストールし、付属センサーをUSB接続。以降はウィザードに従って操作(白色の調整程度)を行えば、モニターが最大限正しい色を表示するように自動調整される。

 なお、EIZO EasyPIXの最新版はバージョン1.1。この最新版から、EIZOサイトで無償ソフトウェアダウンロードを開始!! 上記のようにセンサーを使ったキャリブレーションに加え、ソフトウェアダウンロードするだけで、センサーを使わないカラーマッチング機能を利用可能だ。対応FlexScanシリーズを使っているなら利用するしか!! みたいな。

   
EIZO EasyPIX最新のバージョン1.1では、もちろんWindows 7 にも対応
 
使い方はとっても簡単。マッチングの方法を選び
 
センサーでおおよその色合いを調整し
     
目視で微調整する
 
あとはセンサーまかせで自動調整
   

 さてさて、EIZO EasyPIXを使ってFlexScan EV2334W-Tの表示を最適化してみたところ、若干残念な結果に。

 というのは、EIZO EasyPIXで調整したFlexScan EV2334W-Tは、俺の最強に強まってるしFlexScan EV2334W-Tよりずっと高かった旧24.1型FlexScanシリーズ(もちろんキャリブレーション済み)と同等に、色再現性が良好になった!! てか、なりやがった!! くぅ〜っ、悔しいキモチ!! しかも俺の最強に強(中略)FlexScanシリーズよりもこのFlexScan EV2334W-Tのほうが薄くてシンプルで何よりヤケに安価で機能的にも(中略)、というわけである。

 長らくFlexScanシリーズを愛用してきた拙者としては、その進化を目の当たりにした感覚だ。最新型FlexScan EV2334W-Tは、ちょっと前じゃあ高級機だった高価めのFlexScanシリーズに勝るとも劣らない表示性能を発揮しまくりなのであった。

 もちろん、より厳密な色再現性などを求めればプロ向けのColorEdgeシリーズなんかもある。が、FlexScan EV2334W-T、実勢価格が5万円弱。EIZO EasyPIXと合わせて買っても……7万円弱。しかも、EIZOダイレクトでセット購入なら、6万円切っちゃうのだ!! 俺の場合はHD表示対応のワイド型モニターをデュアルで使う派だが、次回はFlexScan EV2334W-T×2+EIZO EasyPIXでキメようかニャ〜とマジで思ったりした。

 あと、カラーマッチングというと敷居が高いと思う人もいるかもしれないが、ご安心を!ナナオではEIZO EasyPIXを使ったカラーマッチングの流れをやさしく説明してくれる無料セミナーをオンラインと直営店で開催中。至れり尽くせりなのだ。

モニター中央にある赤外線センサーで、ユーザーの動きを感知
省電力の度合いが表示されるから、“積極的な省電力の努力”をしたくなったりする

 FlexScan EV2334W-Tには優れた静止画表示性能とイケてる動画表示性能がある。ので、パソコン用にゲーム機用に、ときには地デジ視聴用にと汎用的に活用できる。だが、裏を返せば一日中FlexScan EV2334W-Tをオンにしっぱなしの可能性もある───けっこー電気食うだろうし、点けっぱなしは液晶モニターの経年変化(劣化)を促進する結果になりそうだ。

 しかしFlexScan EV2334W-TのEcoView系機能により、そのあたりのリスクっつーか無駄遣いっつーか反エコっつーか、ネガティブなファクターを最小限に抑えられる。

 たとえばEcoView Sense。FlexScan EV2334W-Tの液晶パネル下部にある赤外線センサーがユーザーの動きを感知し続ける。同時に、独自の人感判定アルゴリズムが作動。「ユーザーが席を立った」と判断したら、FlexScan EV2334W-Tが自動的にパワーセーブモードになるのだ。

 これならトイレに行くとかコーヒー買いに行くという短い時間でも、モニターをちゃんと省電力運転へ自動移行できる。また、PC側のスリープなどの設定と併用すれば、そーとーな省電力&電気代節約につながるだろう。

 周囲の明るさを自動検知して輝度を調節する機能───Auto EcoView機能も実用的だ。明るい昼間には画面を見やすくするために輝度を上げ(画面を明るめにし)、夕方〜夜間などはそれ相応の輝度に下げるという、目に優しく省電力な機能ですな。

 目に優しいという点では、付属のEyeCare RecorderやEyeCare Reminderといったソフトウェアを使えば、一定時間ごとに休憩を促すメッセージ(「そろそろ休憩して目を休めてはいかがでしょうか」)を表示してくれたりする。過度な連続作業をユーザーに気づかせ、VDT作業による能率低下などを予防してくれるというわけだ。

 また、TriStand機構も便利。これは、モニター部の昇降、チルト、スウィーベルを軽い力でスムーズに行える台座で、ユーザーが最もラクに作業できる高さや角度の調整を容易に行える。モニターを最適な高さ/角度にすれば、VDT作業からくる肩こりや目の疲れなんかを抑えられるだろう。

薄いボディは、設置場所を選ばない
 
TriStand機構も片手でラクに動かせるので便利

 ちょいと話が逸れたが、上記のEcoView系機能、実際に使ってみると“積極的な省電力の努力”をしたくなったりする。というのは、省電力の度合いを確認できるEcoView Indexが表示されるから。モニターがどの程度省エネしてるかをグリーンのインジケーターで表示してくれるのだ。インジケーターが伸びるほど省エネ状態。

 たとえば窓から外光が差し込んで室内が明るい状態では、FlexScan EV2334W-Tの輝度が上がる=消費電力が多くなるので、インジケーターの伸びが鈍い。そんな様子を見ると「あ、ちょっと輝度が高くなってるのか、じゃあカーテン引こう」てな気分に。カーテンなどで室内の明るさを抑えれば、FlexScan EV2334W-Tの輝度が自動的に下がる=インジケーターが伸びてエコ実践中&電気代節約中てなコトが目で見えるので、なんだか楽しみつつ省エネを実践できるというわけだ。

 そんな機能を持つFlexScan EV2334W-T。動画表示性能にも静止画表示性能にも、確かに「Power!」がある。パワーっつーか、ナナオ製モニターならではの底力って感じですな。しかも非常に買いやすい実勢価格。これに加え、EcoView系機能による省エネ&電気代節約───これは同時に液晶パネルの寿命を先延ばしにすることでもあり、実質、ハードウェア代金の節約も意味していると思う。

 てなわけで、やっぱり結局非常に買いやすい&買い度の高いFlexScan EV2334W-T。フルHD対応でVA方式液晶でHDMIにもDVIにもVGAにも対応している高機能・高品位マルチメディアなモニターが欲しいなら、何はともあれ要チェックな一台だと言えよう。

●今回紹介したモニター

FlexScan EV2334W-T

VA方式の液晶パネルを採用し、ゲームや動画、静止画など、様々な用途に対応できるモニター。低消費電力かつ豊富な省電力機能でエコ性能にも優れる。

販売価格:¥49,800(税込)

 
●今回紹介したモニター

FlexScan EV2334W-T EIZO EasyPIX セット

FlexScan EV2334W-Tに、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」を組み合わせたおトクなセット。これ1台で簡単にカラーマッチングがおこなえるオールインワンパッケージです。

販売価格:¥58,800(税込)

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。

関連リンク

■FlexScan EV2334W-T
http://direct.eizo.co.jp/shop/c/cEV2334W/

■ゲーム機が当たる!FlexScan EV2334W-T レビューキャンペーン
 ※2009年12月13日(日)まで
http://direct.eizo.co.jp/shop/e/e0911evrv/

■遮光フードがもれなく当たる!EIZOウィンターキャンペーン
 ※2010年1月17日(日)まで
http://direct.eizo.co.jp/shop/e/e0911win/

■EIZOダイレクト
http://direct.eizo.co.jp/

■株式会社ナナオ
http://www.eizo.co.jp/

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■【レビュー】FlexScan EV2334W-T 〜動画にPower! PowerResolution技術でクリアな映像表現を実現
http://www.watch.impress.co.jp/eizodirect/ev2334wt/

■ナナオ、解像感強調機能を搭載した23型フルHD液晶〜ゲームやアニメ向けガンマ設定も
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20091104_326291.html

■ナナオ、解像感強調技術を搭載した23型フルHD液晶−直販49,800円。人感センサーなど節電機能も装備
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20091104_326329.html

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