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東京五輪“無観客”で交通規制も変更。休日・首都高値上げはそのまま

東京2020オリンピックは、首都圏を中心に多くの都道府県で、無観客での開催が決まりました。これに伴い、当初予定されていた鉄道などの交通規制は大きく変更され、臨時列車などの運行が取りやめになっています。しかし、休日の変更や会場周辺の交通規制、首都高の1,000円値上げなどは今のところ予定通り行なわれる見込みです。

改めて、無観客対応で変わった点、変わらなかった点をまとめてみます。

7月・8月は「休日」が変わる

まず、休日の変更に関しては予定通りです。これは、オリンピックの開会式(7月23日)と閉会式(8月8日)の前後を連休として都内の混雑緩和を図るのを狙いとして行なわれる措置ですが、従来の予定どおり今年は特別な連休となります。

昨年末に発売された紙のカレンダーは正しくない可能性が高いです

開会式が行なわれる7月は、7月22日(木)が「海の日」、23日(金)が「スポーツの日」が祝日となり、4連休になります。海の日は本来、7月の第三月曜日ですが、木曜日に移動。スポーツの日は、10月の「体育の日」の名前をオリンピックに合わせて改名したものですが、本来10月の第二月曜日から今年のみ7月24日に移動されます。

また、閉会式が行なわれる8月は、本来11日の「山の日」を8日(日)に移動して祝日となり、9日(月)はその振替休日で3連休となります。

出典:政府広報オンライン

首都高は1,000円値上げ、深夜は50%引き

首都高の混雑対応についても予定通りで、オリンピック期間・時間限定で首都高速道路(首都高)の料金が値上げされます。具体的には、7月19日から8月9日、8月24日から9月5日の期間、6時から22時までの昼間は首都高が1,000円値上げされます。注意が必要なのは、オリンピック開催期間の前後も含まれることです。

首都高の夜間割引・料金上乗せについて

値上げにより昼間の交通量を減らす事が狙いで、これにより、首都高を使って移動する選手や大会関係者の移動をスムーズにします。対象はマイカーなど一般乗用車で、社用車も含まれます。タクシーや物流関連の車両、福祉車両など、他の交通機関へ代替がきかない車両は対象外です。また、ETC搭載の有無にかかわらず適用されます。

首都高は通常、普通車の場合、基本料金が300円から1,320円です。金額は走行距離によって変わりますが、これにプラス1,000円はかなり負担が大きくなります。期間中は昼間、マイカーで都内に行くことは避けたほうが良さそうです。

逆に、0時から4時までの深夜は50%の割引が行なわれ、それ以外の時間は通常料金となります。夜間の通行を促すことで利用者を分散させる狙いがあります。もし、首都高を通ってどこかへ出かける用事がある場合などは、深夜に出発するのも一つの手でしょう。なお、割引はETC搭載車両に限定されます。

その他、首都高の交通規制としては、7月19日から9月5日までの間、本線を通過する交通量を調整するため、本線料金所のレーン数を制限したり、交通量を減らすため入口を封鎖する措置も行なわれます。同時に大会関係車両を対象とした専用レーン、優先レーンなども設置され、一般車の通行は困難が予想されます。実際の規制区間については競技が行なわれる日程ごとに異なりますが、期間中はクルマで会場付近に近づくのは避けたいところです。

高速道路入口閉鎖等の交通規制

この他、都内だけで無く、会場となる全国の競技会場周辺などでも迂回エリアが設定され通り抜けができなくなるなど、交通規制が行なわれる予定です。

鉄道は夜間の臨時列車など中止へ

鉄道については、オリンピック開催に合わせて予想される混雑に合わせ、列車の増発や早朝、夜間の臨時列車運行などが行なわれる予定でした。しかし、無観客開催が決定したことをうけ、組織委員会からの臨時便運行要請が取り下げられたことから全て中止となりました。

オリンピック期間中はもちろん、期間前となる7月21日、22日についても一部の競技が実施されることから、それに合わせて臨時便なども運行される予定でしたが、すべて中止になります。なお、パラリンピック期間については元々臨時列車の運行などは予定されていません。

大会期間中の鉄道の運行について

詳細は各鉄道会社により異なりますが、JR東日本では、山手線や中央線など首都圏21路線について予定されていた深夜輸送を全て中止。競技会場の最寄り駅等での臨時列車運行などは、後日改めて発表される予定です。

【JR東日本】東京2020オリンピックに伴う臨時列車について

東京メトロでは、競技会場の最寄り駅がある有楽町線で夕夜間の増発や、7月23日から8月8日のオリンピック期間中は、概ね午前1時30分まで終電繰り下げが予定されていましたが、全て中止となりました。都営地下鉄についても同じく中止となりました。

【東京メトロ】東京2020期間中の列車増発・終電の繰り下げの取り止めについて

【都営地下鉄】東京2020期間中の臨時列車の運行取りやめについて

また、「お台場海浜公園」会場で早朝(6時30分)から行なわれるトライアスロンやマラソンスイミング競技などに合わせ、りんかい線、ゆりかもめで予定されていた、始発前の早朝便臨時列車も中止されています。

競技場や周辺道路の規制は従来どおり

大会期間中、開会式や競技のスケジュールなどに合わせて行なわれる道路規制等は、無観客でも変更はありません。広域にわたって道路を使用するマラソンなどの競技では広範囲にわたる規制が行なわれます。規制エリアでは、車両通行ができなくなり、自転車、歩行者についても制限されます。また、沿道での応援などは控え、テレビ中継などでの視聴を呼びかけています。

詳細は下記の記事をご覧ください。

東京五輪開催。休日や交通規制に注意 首都高1000円値上げ

郵便物の遅延も

開催期間中は都内などオリンピック開催都市で道路の混雑が発生することから、郵便物や宅配便の遅延等が予想されます。そのため日本郵便や、ヤマト運輸、佐川急便、西濃運輸が注意喚起を行なっています。

日本郵便は、オリンピック期間の7月19日~8月9日と、パラリンピック期間8月24日~9月5日に遅れが出ることを発表しています。対象地域は東京都内の中央区、千代田区、港区、江東区、品川区、大田区の一部、渋谷区、および新宿区の一部と、競技会場が所在、または路上競技が実施される北海道、宮城県、福島県、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県、静岡県(パラ期間は千葉県、静岡県のみ)。

対象となるのは、レターパックプラス、速達郵便物、ゆうパック、当日配達ゆうパックなど。東京都では、翌日午後予定のゆうパックが、一部翌日夕方から夜間になるなど、半日から1日遅れる可能性があるそうです。

東京五輪で、郵便物やゆうパック配達に遅れ。日本郵便

ヤマト運輸では、7月13日から9月5日までの開催期間中、一時的な荷物の配達遅延などが発生する可能性について告知しています。また、選手村や大会関連施設宛て荷物については、大会組織委員会への事前申告が無い限り、届けることができず返品になるので注意が必要です。

ヤマト、東京2020での配送遅延に注意喚起

佐川急便では、7月23日から8月8日、8月24日から9月5日までの間、一部地域で荷物の遅れが生じる可能性を告知しています。対象サービスは、飛脚ジャストタイム便、飛脚クール便、飛脚即日配達便(ホテル即配含む)で、対象エリアは東京、神奈川、千葉、埼玉、山梨、静岡、北海道の競技場近くなど一部です。

7月23日~9月5日間の荷物のお届けについて

西濃運輸は7月23日から8月8日、8月24日から9月5日まで、交通規制の影響で集荷や配達に遅れる可能性があることを告知しています。

東京2020に伴う交通規制の影響について

テレワークなどで混雑回避を

無観客開催となったことで、公共交通機関の混雑はある程度緩和される見込みとなりましたが、東京都などには緊急事態宣言が発令され、予断を許さない状況が続いています。

期間中は可能な限りテレワークなどを利用し、都内への移動を避ける、あるいは時間差通勤などを心がけたいところです。政府も7月19日から9月5日までの期間は「テレワーク・デイズ2021」と定め、テレワークを推進しています。また、休暇の積極的な取得も呼びかけています。

期間中は交通規制等により予定時間通りに動けない可能性もあります。なるべく都内への移動を避ける、または移動時には余裕をもって行動したいところです。