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帰ってきたPayPay100億円キャンペーンは、「PayPay残高」と「5,000円」が鍵

帰ってきたPayPay祭りは、ちょっと地味?

PayPay祭りが帰ってくる。

PayPayの100億円キャンペーン第2弾が2月12日から開始。スマホ決済サービスの「PayPay」で支払いを行なうと、支払額の最大20%や抽選で、最大1,000円相当が戻ってくるというもの。キャンペーン期間は、2月12日から5月31日まで。

還元予定額は100億円、と昨年12月の第1弾100億円キャンペーンと共通だが、内容はかなり異なっている。還元率の20%は同じものの、前回の20%還元は上限が「月額5万円まで」で、抽選の全額還元上限も「10万円」だった。20万円の商品を購入すれば、4万円相当が還元され、さらに抽選に当たれば10万円相当になるなど、高額還元が得られるため、MacBookなどの高額商品購入に用いられた。そして、わずか10日で100億円(正確には115億円)を消化し、終了となった。

第2弾キャンペーンで大きく異なる点は、還元額の上限が1,000円/回に定められたこと。例えば、5,000円の商品を購入し、20%還元を行なうと、それだけで1,000円に到達する。6,000円の20%だと1,200円だが、1,000円上限にかかってしまう。なので、フルで20%還元が受けられるのは5,000円の購入までだ。

また、20%還元が受けられる支払方法も限定される。銀行からのチャージやボーナスで付与された「PayPay残高」およびYahoo!マネーの場合は20%だが、Yahoo! JAPANカードでは19%、その他のクレジットカードでは10%。

まとめると、20%還元を得るための条件は

・PayPay残高を使う
・5,000円以下の買い物

となる。

抽選での100%付与は、10回に1回で、前回の40回に1回よりも確率は上がるものの、上限は1,000円。前回の還元上限10万円だったので1/100になった。1,000円以上のものを購入し、当選しても、還元されるのは1,000円までだ。

また、20%付与の付与上限は、期間中合計5万円相当。抽選も期間中2万円相当まで。正直地味になった100億円キャンペーンだが、少し細かく特徴を見ていこう。

銀行口座を優遇? 1,000円相当のPayPayライトを付与するキャンペーン

キャンペーン第2弾は、上記のようにPayPay残高を重視し、クレジットカードを介した支払より優遇している。つまり、PayPayに銀行口座を紐づけて入金し、そのPayPay残高が使われることを想定しているようだ。

そのために銀行口座登録と、銀行からのチャージを促す「1,000円相当のPayPayライトを付与するキャンペーン」も展開している。キャンペーンは、2月12日午前8時までに、初めてPayPay残高にチャージした人のうち、5,000円以上をチャージした人を対象に、1,000円相当のPayPayライトを付与するというもの。付与予定は2月22日前後。

PayPay残高へ銀行口座からチャージする場合は、Yahoo!ウォレットの預金払い用口座に登録されている金融機関口座から行なう。Yahoo! JAPAN IDとの連携など一手間が必要なので、キャンペーン開始前に早めにチェックしておきたい(参考:PayPay残高にチャージできる銀行口座)。また、三菱UFJ銀行からのチャージができないのも注意点だ。

これまでクレジットカード紐づけで利用していた筆者も、この機会に銀行口座(三井住友銀行)を登録したが、銀行の口座番号や暗証番号、ワンタイムパスワード等を準備しておけば、スムーズに登録ができるはずだ。

PayPayと、Yahoo! ID、銀行口座を紐づけ完了

銀行口座登録後のチャージ方法は以下の通り(参考:PayPay残高へのチャージ方法)。

・トップページの「あなたの残高」に表示されている[+]をタップ
・チャージ手段の選択でチャージしたい口座を選択
・チャージしたい金額を入力し、[チャージする]をタップすると完了

「初めてのチャージ」、「5,000円以上」という条件を満たして、チャージを行なった。しかし、PayPay支払時のように「PayPay残高付与の処理中」など、今後の付与を示す表示が出てこない……。

初チャージで5,000円以上だが、1,000円付与を示す表示は無し……

キャンペーンに参加できているか不安なため、その確認方法をPayPay広報部に尋ねたが、「付与予定のPayPayライトは事前に確認できない。2月22日以降に残高明細を確認してほしい」とのこと。

自分がキャンペーン対象かどうかは、以下の手法で確認するしかないそうだ。

(1)PayPayアプリ内「レシート」からチャージ履歴を確認
(2)チャージ履歴が無く、初チャージが5,000円以上かを確認

チャージを行なうと[P]のアイコンが。筆者は[初チャージ][5,000円以上]が確認できた

筆者も、キャンペーン対象ということは確認できた。が、できればひと目でわかるようにしてほしい。

同キャンペーンの申し込みは、2月12日8時までと残り少ない。そして、2月9日から11日までの3連休は、みずほ銀行のATM停止などもある。参加予定の場合は、そうした外部要因にも注意してほしい。

今回のPayPay残高優遇は、手数料がかかるクレジットカード払いより、銀行チャージを推進していく、という意思表示にも見える。その点を発表会でPayPay中山社長に尋ねたところ「全ての支払手段を拡大していくのが基本方針」との回答だった。

PayPay残高払い+5,000円以下が基本

上限が1,000円/回のため、5,000円を超える支払だと、還元率20%はフルに生かせなくなってしまうのも注意点。例えば、7,000円のPayPay残高払いの場合、還元上限は1,000円に引っかかるので、還元率は14%程度だ。

そのため、「PayPay残高払い」で「5,000円以下の支払い」で使うのが、効率的だ。

還元率が10%になるクレジットカードは、出番があまり無さそうだが、1万円以上~2万円以下の支払であれば、クレカ払いでも良いだろう。なぜなら、還元上限が1,000円なので、1万円を超えれば10%還元でも1,000円に届いてしまう。1~2万円までの支払は、カードの還元率次第では、カードからの支払いのほうが得というケースもあるだろう。

なおPayPayは、今回のキャンペーンにあわせて、本人認証(3Dセキュア)済みのクレジットカードを利用したPayPay払いの上限を、過去24時間で2万円、過去30日間で5万円に改めた。2万円を超える決済にはPayPay残高の利用が必要となる。となると、素直にクレジットカードを使うほうがいいようにも感じられる。この制限は、「今後、特定の条件を満たした利用者には、利用上限金額を引き上げることを検討する」ともしている。

【更新】
2月12日、本人認証済みで、条件を満たしたクレジットカードの利用条件を「過去24時間および過去30日間で25万円」まで引き上げると発表されたため、追記しました(2月12日20時)。

PayPay、条件を満たすとクレカ利用上限月25万円に

地味ながら活用幅の広い100億円第2弾

第2弾100億円キャンペーンは、基本的に「5,000円以下の支払い」で、銀行口座からのチャージなど「PayPay残高」を中心に据えた設計になっている。抽選の全額還元が「ガチャ」と呼ばれた第1回とはかなり異なるものだ。

PayPayは、第2弾の狙いを「日常的に繰り返しキャッシュレス決済を体験してもらうため」と説明。発表会でも「朝から夜まで、PayPayで13,500円支払うと、合計で3,500円相当がお得」という利用イメージを紹介。「少額での日常利用が便利に、お得になる。を実感してもらうためのキャンペーン」とアピールしていた。

第2弾キャンペーンの利用イメージ

第1弾よりは“地味”になったように感じるPayPay 100億円キャンペーン第2弾だが、PayPayおよびQR/バーコード決済が「認知」から「実用」の段階に移ったからともいえそうだ。地味ではあるものの、加盟店も増えてきており、日常的に“お得”を実感できる場面は、増えているはずだ。