いつモノコト

税金払って最大3%還元。固定資産税をPayPayとLINE Pay支払い

固定資産税を払うとポイントが貰える!

いろいろな場所やサービスがキャッシュレス化されてきましたが、ここ数年、個人的に対応を待ち望んでいたのが、「固定資産税」と「都市計画税」。家や土地の所有に対してかかる税金ですが、筆者の場合、毎年10万円以上の支払いが発生します。銀行振込やコンビニ払い、カード払いなどの選択肢は豊富ですが、毎年支払い時期となる6月に頭を悩ませていました。

というのも、銀行に振込に行くのは面倒だし、コンビニ払いも大金をレジで支払うのも気が引けるし、なにより現金を下ろすのも手数料や手間がかかります。

では、「クレジットカード」と言いたいところですが、東京都の場合、カード払いですと一定の手数料が発生します。支払金額10万円で803円、15万円で1,204円と、それなりに大きな金額です。無視はできません。ただ、筆者の場合考えるのが面倒になって、「クレカで一括払い」がここ数年の行動でした。

これまで、ベストに近い選択肢は「口座振替」でした。一旦設定さえすれば、手数料も手間もかかりません。東京都も推奨しています。毎年「今年こそは……」と考える一方、昨年あたりから密かに期待していたのが、スマホ決済サービスの「請求書払い」の固定資産税対応です。

PayPayやLINE Payなどは、コンビニ払いなどで使われる請求書のバーコードを読み取るだけで支払える「請求書払い」に力を入れており、昨年来かなりの自治体で対応が進んでいました。

そして、2020年6月。とうとう東京都の固定資産税と都市計画税の支払いに、PayPayとLINE Payによる請求書払いが対応。個人的には今年のキャッシュレス関連で一番嬉しかったトピックかもしれません。

「支払手段が加わっただけ」ではありますが、これらのサービスの請求書払いは、手数料がかかりません。それどころかPayPayは0.5%~1.5%、LINE Payは通常は0%ですが、Visa LINE Payカード契約者には1~3%の還元が行なわれます。そして筆者はVisa LINE Payカードを持っています。

Visa LINE Payカード

これまで手数料を「払って」いたのに、今年はポイントが「もらえて」しまう。さっそく、PayPayとLINE Payで東京都の固定資産税を支払ってみました。

家から出ずに税金支払い。分納でも手数料いらず

「PayPay請求書払い」、「LINE Pay請求書支払い」が対応したのは、固定資産税・都市計画税(23区内)、固定資産税(償却資産)(23区内)、不動産取得税、個人事業税、自動車税種別割の納付書。一枚あたりの合計金額が30万円までの納付書(バーコード印字があるもの)が対象です。

固定資産税・都市計画税の納税通知書には、1年分一括のほか、3カ月単位で4回に分納するための納付書が入っています。一括にしても別段安くならないため、資金繰りを考えると4回に分けたほうが得ですが、手間が発生しますし、クレジットカードのように手数料が発生する場合は、その分を考えると一括のほうがお安くなります。そのため、これまで筆者はコンビニ払い or クレカ一括でしのいできました。

固定資産税 都市計画税 納税通知書

しかし、PayPay/LINE Pay対応により、家から一歩も出ずに、スマホだけで支払えるので、4度の支払いでもさほど手間ではありませんし、手数料も不要。さらにポイントが貰えます。

PayPayで支払い

まずはPayPayから。PayPay請求書払いでは、支払額の0.5%~1.5%がPayPayボーナスとして付与されます。注意点は、支払い元が「PayPay残高」のみとなること。PayPayを介したクレジットカード払いは不可で、事前にPayPay残高に、支払金額をチャージしておく必要があります。

PayPayで支払い

使い方はとてもシンプル。

1.PayPayアプリから[スキャン]を選ぶ or 請求書払いをタップして、[請求書を読み取る]を選択
2.納付書兼納入済通知書の[コンビニ収納用バーコード]をカメラでスキャン
3.支払先 東京都(都税)と金額が出てくるので確認し、OKであれば[支払い]をタップ

PayPayアプリトップから[スキャン]か[請求書を読み取る]
読み取り
内容を確認
支払い
0.5%のポイントが後日付与される

以上で支払いが完了し、筆者の場合は、0.5%のPayPayボーナスが後日付与されます。税金を払ってポイントがもらえるのは奇妙な気もしますが、利用者としてはありがたいかぎりです。

ポイントも付与

LINE Payで支払い

LINE Payも使い方は、概ね共通です。

1.LINEの[ウォレット]もしくは、LINE Payアプリから「LINE Pay請求書支払い」を選択
2.バーコードを読み込み
3.金額と支払先を確認し、支払い方法を選ぶ

LINEの[ウォレット]で[請求書支払い]
こちらはLINE Payアプリ
バーコードを読む
支払先と金額を確認
支払い方法を選んで支払い
ポイント付与

支払い方法は、LINE Pay残高のほか、Visa LINE Payカード契約者であれば、チャージ&ペイが選択できます。筆者はVisa LINE Payカードを契約しているのでチャージ&ペイを選択しました。

LINE Payで支払い。チャージ&ペイでポイント付与

通常、Visa LINE Payカードの決済は3%還元(2021年4月30日までのカードショッピング)ですが、請求書払いでのポイント付与は、LINEポイントクラブの「マイランク」が基準となり、筆者の場合6月は[ゴールド]で2%でした。来月は[プラチナ]になり、最大の3%のため、ポイントを貯めるのであれば、来月に支払うべきでした。こうして積極的に「カードを使わせる」仕組みの中に、税金の支払いも位置づけられているようです。

接触を避け、ポイントが貯まる

筆者の場合は、PayPayよりLINE Payのほうがお得なので、少なくとも今年の残りはLINE Payで支払う予定(3%になってから)。とにかく銀行やコンビニに行くことなく、手数料もいらずに税金が払え、しかもポイントまで還元されるというのは、とても嬉しい(積極的に税金を払いたいわけではないけど……)。

東京都もスマホ決済対応をアピール

人との接触を避けて支払いが行なえる、という点も、「新しい生活様式」が求められる現在こそ必要なサービスといえるかもしれません。この数年、急速にキャッシュレス化が進んでいますが、店舗やECだけでなく、公共料金や税金など、幅広い領域で利便性が向上し、それを実感できるのは嬉しい限りです。固定資産税以外にも、多くの自治体や公共料金なども請求書払いに対応しているので、是非チェックしてみてください。

臼田勤哉