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エネループのダメージを改善する急速充電器「BQ-CC85」

今回は筆者が普段使っているエネループの充電器「BQ-CC85」(パナソニック)を紹介したい。エネループと言えばニッケル水素充電池の代名詞的存在で、愛用している人も多いと思う。

エネループの新型急速タイプ充電器 BQ-CC85。真っ白なシンプルデザインで変に目立たないのがいい

筆者がエネループを使っているのは、主にカメラのクリップオンストロボだ。アルカリ乾電池よりもチャージタイムがグッと速くなるのでおすすめである。この充電器を購入したのは最近のこと。これまでエネループではない格安のニッケル水素充電池を使ってきたが、それが寿命を迎えたため充電器と電池をエネループに切り替えることにした。

エネループはストロボに最適

購入したのは、充電器と単3形エネループ4本がセットになっている「K-KJ85MCC40」(実売で税込3,000円前後)というパッケージ。入っている充電器は急速タイプのBQ-CC85(単体では実売で税込2,500円前後)というモデルで、昨年の夏にマイナーチェンジした新型となっている。

で、どこが新しくなったのかというと、過放電によってダメージを受けた充電池の状態を改善して充電できる「予備充電機能」が加わったということ。

これまでもエネループの充電器は、電池の状態を1本ずつ判別して充電を行なう賢いタイプだった。BQ-CC85は、その診断時に過放電によるダメージを検出してLEDで知らせるとともに、微弱電流で予備充電することで、電池の状態を改善するのだそうだ。

この過放電というのは電池を使い切った状態で放置してしまった場合などに起きるもので、ニッケル水素充電池の寿命を縮める大きな原因の1つ。電池メーカーのWebサイトでも「過放電は避けるべし」とのPRが見られる。

過放電を防ぐには「2/3程度使用した時点で充電する」(パナソニック)ということだが、気をつけていてもうっかり過放電状態になってしまうことは十分あり得る。そんな場合でもこの充電器なら回復できるから安心というわけだ。もともとエネループはニッケル水素充電池としては過放電には強い方なので、なおさら心強いのである。

主な新機能はそれくらいだが、従来からの「LEDの色による残量表示」、「電池の買い換え時期の目安表示」、「乾電池の充電防止」などを備えており機能は充実している。

充電が進むにつれてLEDが赤→黄→緑→消灯と変わっていく。電池によって色が異なるのは1本ごとのコンディションに合わせて充電している証拠

さて、この予備充電機能が付いた充電器は、今回紹介した急速タイプのBQ-CC85(単体販売あり)と通常タイプのBQ-CC83(電池セットのみ、単体販売無し)の2種類がある。急速タイプはエネループ4本を約3時間で充電できるが、通常タイプは4本の充電に約7時間も掛かるので、その点は注意して選びたい。

パッケージに大きく書かれている充電時間は2本の時のもの。4本だと倍の時間となる

購入してまだ短いが、何のトラブルも起きておらず快適に使用している。販売は三洋電機からパナソニックに変わって久しいが、エネループはそろそろ発売15年を迎えるロングセラー商品。その実績が何より安心に繋がっていると思う。

武石修

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。