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KDDI、遠くにいる人の振動を伝えて「身近にいる感覚」を生むソファ

Sync Sofa

KDDI総合研究所は、触覚技術分野の研究開発の一環として、身振り手振りやあいづち、肩や背中をなでるといった身体的コミュニケーションが可能なソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa(シンクソファ)」を開発した。2台のSync Sofaを利用すると、映像と音声が伝送され、さらにセンサーが検知した送信側ソファの振動が、受信側に振動アクチュエーターを介して伝わる。

ソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa」

コロナ禍でオンラインコミュニケーションの機会が増えるなか、「身近にいる感覚」が不足しているとし、親しみを生み出すとされる「隣り合う」コミュニケーションスタイルに着目してSync Sofaを開発した。

Sync Sofaは、ディスプレイ、カメラ、スピーカー、マイク、振動アクチュエーター、加速度センサーを搭載している。

複数の加速度センサーとマイクからの信号をもとに、相手の動作や反応を表現する複雑で微細な触感をリアルタイムに合成。複数の振動アクチュエーターにより、音と連動した形で身体の広範囲に再現する。さらに、自分の視点位置に応じた相手の見え方をディスプレイ上に表現。これら触覚・聴覚・視覚の再現によって相手と隣り合う感覚を提供する。

同研究所は、「離れていてもあたかもそこにいる・あるかのような、距離を感じさせない社会の実現」をめざして、五感の再現・表現技術の研究開発を進めており、これまでにも遠くにいる人と「乾杯」や「お酌」といった食事中の身体的コミュニケーションが可能な、グラス型コミュニケーションシステム「Sync Glass(シンクグラス)」を開発している。