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「うめきた2期地区開発」工事着手。大阪駅前に4.5万m2の公園と街

うめきた2期現況写真(撮影:UR都市機構)

三菱地所を代表企業とするうめきた2期開発事業者JV9社(事業者JV)は、「(仮称)うめきた2期地区開発事業」の工事に着手した。UR都市機構、大阪府、大阪市などと協働してプロジェクトの計画を策定していたもの。2024年夏頃に先行まちびらき(一部民間住宅および一部都市公園)、2027年度に地区全体開業を予定している。

「みどり」と「イノベーションの融合地点」を踏まえ、「New normal/Next normal」「Society5.0」「SDGs」などに配慮した大阪の新しい都市モデル実現を目指す再開発。2023年春開業の新駅「うめきた(大阪)地下駅」を核に、先進オフィスや商業機能、富裕層向けのスーパーラグジュアリーホテル、MICE施設などを整備。梅田スカイビルなど周辺施設とのデッキネットワークの接続強化や、公園と一体となった民間宅地内の「みどり」の整備なども行なわれる。

JR大阪駅をはじめとした7駅13路線が利用可能な立地で、関西広域から高いアクセス性を誇る。国内外からのアクセス起点である関西国際空港、大阪国際空港、新大阪駅へのアクセス性も高く、今後増加が見込まれるインバウンドと周辺の開発計画なども合わせ、発展を見込んでいる。

エリア内は大きく「南地区民間宅地」「都市公園」「北地区民間宅地」の3つで構成。南地区には賃貸棟(西棟・東棟)、分譲棟、北地区には賃貸棟と分譲棟が整備される。

「多様性を受容するプラットフォーム」とし、南北の都市公園や西口広場と一体となった大規模な緑地空間を実現するため、都市公園、民間宅地、西口広場で約80,000m2の「みどり」を創出。デザインは世界的に活躍するランドスケープアーキテクト会社「Gustafson Guthrie Nichol(GGN)」が担当。特徴的な敷地形状と、そこに配された正方形の建築群から生まれる多様な「間」によって、光や風、緑が感じられる立体的な都市空間を実現するという。

都市公園全景

オフィスは南街区賃貸棟 西棟 4階・6階~27階、東棟 5階~17階。国際競争力向上のため、国内外の大手企業やクリエイティブな人々の活動の場となるオフィスを整備。多様な働き方に対応するため、テラスラウンジや子育て支援施設などのオフィスサポート機能を備える他、眼下の都市公園にはワークプレイスやイベント空間、憩いの場なども整備する。

南街区賃貸棟(左が東棟、右が西棟)

宿泊機能としては、南街区賃貸棟 西棟 1階~2階・28階~38階が「スーパーラグジュアリーホテル」で約250室、北街区賃貸棟は、1階・10階~25階が「ライフスタイルホテル」約300室、南街区賃貸棟 東棟 1階~2階・5階から27階は「アップスケールホテル」約480室」を導入する。

商業機能は、新駅の整備により世界との交流拠点となる南街区に、国内外からの来訪者が楽しめるレストランやショップ、近隣に住む人や働く人たちが交流できる場を設けることで次世代型の体験価値を提供する。

南街区賃貸棟低層部

また、商業ゾーンの核テナントとしてラスイートが運営する「都市型スパ」を、南街区東棟3階、4階の商業ゾーンに出店する。面積は約6,000m2で、3階は健康増進サロン、大浴場、サウナ、岩盤浴・溶岩浴、フィットネスジム、プール(屋外、屋内)等、4階はレストラン、リラクゼーションラウンジ、各種マッサージ等などを設置する。

温泉ゾーンは、開放的な吹き抜けが特徴で、天然温泉をはじめ、マイクロナノバブルバスや高濃度炭酸泉など、多様な温浴設備を導入。本格的なサウナや、岩盤浴・溶岩浴エリアなども併設する。

温泉ゾーン

インフィニティープール(屋外温水プール)は、都市公園の広大なランドスケープを望むことで、都心にいながら日常のストレスを心身ともに解放できるという。瞑想ヨガや水中運動などのアクアアクティビティーを一年中楽しむことができる。

インフィニティープール

屋内プールは、25m基準の本格的フィットネスプール。日没後にはARにより、イルカや熱帯魚たちと海の中を泳いでいるかのような幻想的な空間を創出する。

屋内プール
フィットネスゾーン
健康増進サロン

その他中核機能として、MICE施設などを整備。国等のイノベーション支援機関の入居を想定したオフィスや、会議室・講義室などから構成されるプラットフォーム施設、イノベーション創出を事業とする企業などが位置する場所として、コワーキングスペースや交流スペース、SOHOなどを有したイノベーション施設を整備する。

北街区賃貸棟

居住機能としては、南街区南端と北街区北端(それぞれ600戸)に、ハイグレードな住宅を配置。住宅棟の足下に都市公園からつながる水と緑があふれる高質な居住空間を提供するという。

周辺エリアとの回遊性を高める歩行者ネットワークも形成。南北の都市公園の連続性を高めるため、公園を横断して公園施設を接続する園路を設置。JR大阪駅方面、グランフロント大阪北館、梅田スカイビルなど周辺エリアとの接続性を高める。

街全体でエネルギーと資源の循環システムを構築。大阪エネルギーサービスによる地域冷暖房システムを導入する他、バイオマスシステムやエネルギーマネジメントなどの省資源・省エネのためのグリーンインフラ技術を導入し、CO2削減を目指す。コージェネレーションシステムや、日本で初めて本格導入するという滞水層蓄熱などでピーク電力を削減する。

大規模災害時に安全な避難を考慮した空間デザインとし、都市公園・民間宅地・西口広場で約60,000m2の避難場所を確保。建物の機能維持のため、重要設備機械室は中間層や屋上に設置し、耐震性に優れる中圧ガスによるコージェネレーションシステムや備蓄燃料による非常用発電機の自律分散型電力も導入する。

都市公園南エリア

計画地は大阪駅北大深西地区 土地区画整備事業区域内6街区他。地区面積は91,150m2