ニュース

シャープ、曇らず映り込まないフェイスシールド。液晶パネル技術を応用

シャープは、液晶パネル開発で培った技術を採用したフェイスシールド/アイシールド/マウスシールドを11月9日から順次発売する。価格は1,980円~8,980円(税込)で、同社のマスクと同様にECサイト「COCORO STORE」で販売する。

企業の受付や対面で接客を行なうサービス業などを中心に需要が高まっているフェイスシールド/アイシールド/マウスシールドを商品化。液晶パネル開発で培った表面の特殊加工技術(モスアイ技術)を活用したフィルムを採用し、光の映り込みを大幅に低減。表面反射率約0.3%/面で、日光や照明の反射により視界を遮られないとする。

モスアイとは、蛾(モス)の目(アイ)のようなナノ凹凸表面構造で、微細な凹凸により光の屈折率を連続的に変化させ、反射を起こす界面をなくす効果を得られる。液晶テレビでは、“映り込み”を防ぐ効果のために採用していたが、これをシールドの反射抑制に活用する。

フィルムはシャープ米子製で、フィルム素材は、ポリカーボネート(基材)+アクリル系樹脂(モスアイ構造)。ディスプレイ技術を応用することで、クリアな視界で「存在を忘れるような製品」を目指したという。

モスアイなし(左)とモスアイ(右)の比較
視界がクリア

加えて、モスアイ構造の表面に特殊なアクリル系樹脂を用いることで、水滴を素早く広めすぐに乾くため、曇りにくなる。また、フィルム基材のポリカーボネートも、液晶バックライトの導光板などに用いられる高透過で色づきが少ないものを採用し、クリアな視界を確保した。

モスアイ採用で曇りにくい

フィルム表面には、傷つきにくい特殊加工を施し、長期間の利用が可能。汚れや指紋などはアルコール等で拭き取れる。1枚のフィルムを長期間使用できるほか、交換用のフィルムも用意する。

デザインは、プロダクトデザイナーの大浦イッセイ氏が担当。眼鏡産業で有名な鯖江産の軽量チタンフレームを採用。長時間でも快適に装着できるほか、金属製なので衛生面に優れるほか、フェイスシールドやマウスシールドは飛沫防御性を高める形状を採用。マウスシールドは鼻まで覆い飛沫防御と拡散を防ぐようにした。

フェイスシールドとマウスシールドは、SとMの2サイズを用意。フェイスシールド「FG-800M/S」は11月30日発売で、価格は8.980円(税込)。

アイシールド「FG-500M」は11月27日発売で、価格は7,480円(税込)。マウスシールド「FG-300M/300S」は12月7日発売で、5,980円(税込)。

アイシールド
マウスシールド

上記3モデルはいずれもβチタンフレームを採用し、フィルムを2枚同梱。交換フィルムも用意し、フェイスシールド用が3枚で3,980円(税込)、アイシールド用とマウスシールド要は3枚で各2,980円(同)。

また、フェイスシールドは、ポリカーボネート製フレームを採用した低価格モデル「FG-F10M」も発売。価格は1,980円(税込)。こちらは付属フィルムが1枚のみとなる。

ポリカーボネートフレームの「FG-F10M」

モスアイで視界クリア

シャープでは、春からマスクを発売しているほか、適温蓄冷剤を応用した「CORE COOLER」、可視光光触媒スプレーなどのヘルスケアアイテムを提供している。今回のフェイスシールドなどは、企業受付や飲食店、体面接客業務などでマスク以外の選択肢として提案していく。

使用した医療関係者の声として、「曇らないので、付けているのを忘れる」「反射しないので診療がスムーズ」「患者とのコミニュケーションを妨げない」などを紹介。「視界クリア」のメリットをアピールした。