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ソニーセンサーで星を増感して観測する「eVscope」。都市でも天体観測

+Styleは、スマートフォンと連携し、星座知識が無くてもすぐに天体観測ができるUnistellar製の天体望遠鏡「eVscope」を11月上旬に発売する。価格は37万9,800円。9月30日までは、35万6,600円で販売する発売記念キャンペーンも行なう。

ソニーの高感度センサー「IMX224」を内蔵。星の発する光を短時間で蓄積することで、通常の光学レンズのみの望遠鏡では得られない、よりはっきりとした映像を見ることができる「エンハンストビジョンテクノロジー」を搭載。星の映像を増感した状態で観測できるため、従来の大型望遠鏡の接眼レンズ越しでは観ることが難しい銀河や星雲などを肉眼で観測できる。また、「光害」の影響が大きい都市部でも星の観測が可能。

また、特許技術のADF(自動フィールド検出機能)も搭載。望遠鏡視野内の天体を自動的に検出し、2,000万個の星座標データと比較することで、その方向を自動で特定できる。eVscopeには、磁器加速度計や電動マウントも備え、ユーザーがスマートフォンアプリアプリから観たい天体を選べば自動的に焦点を合わせてくれる。

一般的な望遠鏡で天体観測を始めるには、北極星の位置を手動で合わせるなど一定の知識が必要だが、eVscopeでは知識が無くても10分程度で天体観測を始められるという。

スマートフォンアプリ「Unistellar」では、Wi-Fi接続によりeVscopeを操作できるほか、RAW撮影によるデータを転送可能。ライブ/ダイレクトビューによるリアルタイムの映像も確認できる。「エキスパートモード」では、アプリのジョイスティックを使って方向を変更できるほか、露出なども変更できる。

また、地球外生命体の発見を目的とした非営利組織「SETI」とのパートナーシップにより、天体観測キャンペーンにも参加可能。世界中のアマチュア天文家とともに太陽系外惑星のトランジットや超新星などの天文学イベントの最新情報をアプリで確認できるほか、eVscopeとの連携による観測ができる。2019年夏には、約160光年先と280年先の木星級の太陽系外惑星のトランジットを観測したほか、Orus(小惑星)の掩蔽(えんぺい)の観測に成功し、NASAのLucy計画に貢献したという。

光学倍率は50倍。口径は4.5インチで、焦点距離は450mm。極限等級は1分間最大16等星(好条件で数分間撮影した場合は最大18等星)。分解能は2アーク秒。ディスプレイはOLED。

バッテリを内蔵し、駆動時間は最大10時間。電源供給はUSB Type-C。本体サイズは65×23cm(高さ×幅、三脚含まず)。重量は9kg(三脚含む)。